海域公園拠点施設をどう活かす?(R4.12一般質問)
○質問の背景
現在、ニホンアワサンゴの生息が多く確認され、2013年に環境省に海域公園に設定された海域がある地家室地区に、環境省と本町で建設費を出し合い、施設が建設されています。
ここは、白木半島地区のコミュニティ協議会が山口県の「やまぐち元気生活圏」という地域指定を受けて、活性化を進めている取り組みのひとつで、環境省の資料では「周辺も含めた自然体験利用者向け休憩施設」と位置付けられています。
では、完成後、管理活用していく本町としての位置付けは、どうなっているでしょうか?
令和3年2月に設置された地家室園地活用推進協議会の会議で町長は、「ソフト事業を充実させ、にぎわいあふれる施設にしたい」とおっしゃっています。
施設の建設がスタートした5月、中国新聞さんの取材に、担当課(農林水産課)さんは、「島の豊かな自然の魅力を発信する施設にしたい」と回答されています。
「したい」という思いはいいとして、イメージが私にははっきり伝わってきません。
○町としてのビジョンは?
問:どんなビジョンで運営していくの?
この施設は、平成17年度に周防大島町となって以降、ゼロから企画された初めての公共施設です。
ここを本町にとってどんな施設・拠点としていこうとお考えなのか、完成後 10 年、20 年と、どのようなビジョンを持って運営していこうとされているのか、町としてのお考えを お聞かせください。
答:観光客との交流と地域のコミュニティ拠点、さらには西瀬戸内海の拠点に
ここの施設は、「白木半島地区夢プラン」に掲げた項目の一つです。本町の北側は道の駅など観光施設が多くあり、多くの観光客で賑わっています。その観光客に南側の白木半島地区にも来てもらい、地域の魅力を知って、体験してもらって、ファンになってもらうために、
・自然環境保全などの学習や、
・自然とふれあい体験できる、
・休憩機能を備えた施設
として進めていきたいと思います。
エコツアーや朝市などは、地域の皆様のご協力を得ながら進めていきたいと思います。まだ活用されていない地域資源や魅力を、地域の皆様と一緒に探して話し合い、発信できたらと思います。
既存の観光施設と連携して、
・都市と農山漁村の交流の場として、
・白木半島地区の新たなコミュニティの拠点として、
さらには、白木半島地区にとどまらず、周防大島の、さらには西瀬戸内海の魅力の発信と体験ができる拠点となるよう進めていきたい。
○どんな体制で事業を進めるの?
問:役場は担当部署だけでやるの?
今年度、工事はすでに着工していて、
さらに現在、”白木半島地区の活性化に取り組んでいただける方”ということで、地域おこし協力隊を募集されています。
業務内容として示されているものを抜粋すると、
エコツーリズムへの参加及び企画・実施
ニホンアワサンゴの飼育
施設の有効活用等につながるイベントの企画・実施
施設における受付・管理
施設の情報発信
などとされています。これを見ただけでも、
建設を担当し、環境分野を担当する農林水産課
地域の活性化などを担当する政策企画課
観光を担当される商工観光課
アワサンゴの飼育技術を持っているなぎさ水族館
イベントに関してはさらに多岐にわたる
と思います。
この施設の運営は”町直営”を考えておられると聞いていますが、今後どのような体制で、具体的な事業を具現化していく予定でしょうか?
答:主管課だけじゃなく、広い視野で、地域も含めて
様々な部署が関わってくる可能性があるので、所管課が農林水産課かだからここだけで考えて実施していくのではなく、他部署にも意見を聞いたり、広い範囲で意見収拾し協議しながら進めていきたい。
何より、この施設は地元の地域づくりの盛り上がりから立ち上がった事業なので、地域の機運を大切にしていかないといけないと思っています。これまで、地元説明にも伺っていて、協力を仰ぎたいと話しています。
具体性については早急に詰めていかないといけないですが、広く意見を聞いて進めていきたい。
意見:民間事業者も含めて
部署に関係なく多様なアイデアを吸い上げ、地域も巻き込みながらということですが、さらに民間事業者も含めて、具体的な事業を進めて行ってほしい。
○運営の収支計画をしっかり
問:維持管理やソフト事業のための経費、収支は大丈夫?
”これからの公共施設”なので、水道光熱費などの管理経費、エコツアーの企画実施やイベントの企画実施についての経費は、ちゃんとペイできるような仕組みづくりも同時に考えていく必要があると思います。戦略があったらお示しください。
答:維持管理費は国と町、運営は収益を上げながら…
建設については、環境省自身が建てたり、町の部分にも補助をくれたりしています。
環境省としての施設のあり方は、「(無料の)休憩所」という見解ですが、町としては、もっと色々なことをしていきたいので、具体的に環境省と話を詰めていかないといけないと思っています。
維持管理は、環境省と町が協定を結び、町が行うことになると思いますが、環境省が建設する部分の光熱水費は環境省が負担します。
収支がペイできるところまで行かないとしても、収益をあげなから維持できる施設にしていきたいと思います。
○役場の人も、地域の人も、自分ごととして
一連の計画で、この施設の他に、キャンプ場が一つ、県道にトンネルが二つ(一つは完成)、建設されることになっています。
「ハード事業の予算を取ってきてハコをつくって、それが成果」ではなく、それを活用することによってどのように地域の経済が、コミュニティが、人々の幸福度が変化していくのかが重要なはずです。
一住民としても、一議員としても、私も自分ごととして一緒に考え動いていきたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?