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「アカネノネ」読了後のひとりごと

「アカネノネ」という漫画を知っていますか?

己の"才"に悩むすべての人に捧ぐ——

まだ何者でもない凡才「ボカロP」が挑むのは、才能ひしめく「 現代 ( いま ) の音楽業界」!!

人との関わりを避ける音大生の茜音。

「大学在学中にデビューする」という、父である超有名プロデューサーとの約束の期限があと1年に迫る中、コンペには落選続き。目立った成果を挙げられず焦っている。

己の力を証明する為に、自分の正体を隠し、密かにボカロPとして動画投稿をしているが、再生回数は…… そんなある時、彼の運命を揺り動かす出会いが——!?

ビックコミックスピリッツ作品紹介ページより


こちら先日最終回を迎えたのですが
マンガワンという小学館の漫画アプリで無料で最後まで読めます!

https://manga-one.com/title/2305

最後まで読み終えて(もう一度1話から読み直して)、感想というか独り言を書いていきたいと思います。
140字程度で収まらない自信があるので、こちらで書いていきます。

読んだことがある方も
読んだことない方も
最後まで読んでいない方も
どうぞお付き合いください。


ボカロPとはなんぞや

さて、そもそもボカロがとは何だ?という話なのですが、
普段からボーカロイド楽曲(広義的に歌声合成ソフトを利用した楽曲)を聴いている人からしたら説明も要らないのですが、一応説明しておきますと

ボカロP(ボカロピー、ボーカロイド・プロデューサー)は、VOCALOID(ボーカロイド)、UTAUCeVIO(チェビオ)などの音声合成ソフトで楽曲(ボカロ曲)を制作して動画投稿サイトへ投稿する音楽家を指す名称である。

wikipedia「ボカロP」より

ボカロ楽曲を作る(作詞作曲編曲)する人
ということですね。
P(プロデューサー)と付くのはまた由来があるそうですが、置いておいて……
このお話は主人公がボカロPで、話の主軸はボカロ文化を中心にした音楽漫画ということです。
音楽に関する漫画の例を挙げると
アイドルのサクセスストーリーだったり、天才的な歌声を持つ少女が大人気バンドの作詞作曲担当と運命的な出会いをしたり……等、枚挙に暇が無いですが
今回の主人公は「ボカロP」、曲を作るクリエイターの話であり、歌うのはボカロ、つまりは歌い手は人ではないのです。
大多数の音楽に関する漫画は、グループやバンド、歌手にスポットを当てているのですが、このお話は「音楽の作り手」のお話。
普段音楽を聴く人もその歌を誰が作っているのか気にしていないで聴いていると思います。
心に刻まれる「音楽」はどのように作られているのか、どんな人たちがどんな思いを込めているのか、実際の出来事やクリエイターを参考にしたと思われる描写も交えて、読み応えあるお話でした!


以降、ネタバレありの感想

「ボカロP」が主人公で音楽が中心ではあるけれども、このお話は「何かを生み出す人」に刺さります
第一話で

自分の手で表現して、
誰かに届くことでしか満たされない

「アカネノネ」第一話冒頭より

とあるように、
神曲神絵神𓏸𓏸が溢れているこの世界で、それでも満足出来なくて、表現しているクリエイターは沢山います。
私も拙いながら好きな曲やキャラクタのイラストを描いていて
素晴らしいイラストの波に溺れながら、自分程度がイラストを発信する意味なんてあるのかと暗い気持ちになることもあります。
それでも自分のFAがきっかけで曲を聴いてくれたり、好きだと言って貰えると嬉しくて、やはり描かないでは満足出来ないのです。
そして満足出来ないからこそ貪欲に努力して泥臭く足掻く、その描写が素敵すぎる……!
主人公の茜くんも、初めは本当にいけ好かない自己中心的な性格で、きっと楽曲にもそういうのは透けて見えていたんだと思うんですよ。
作中で父である神崎仁が
「自分が指摘されたら一番腹が立つ弱点すらも、
自分の手で引きずり出して直視しない限り
プロの世界では通用しません」
と言っていて、正にその通り!と膝を打ちました。
茜くんは頑張ってはいるけど、親子関係とか周りの人間関係とか見たくないものから目を背けている限り、成長しないよなぁと。
人間的には許せないところもある神崎父だけど、彼の言葉は本当にプロの世界で生きてきた人の重みのある言葉
「視聴者はストーリーに食いつく」
「聴き手の表層を撫でたところで、一瞬で消費される」
他にも神崎父の言葉は事実だからこそ本当に重いですよね。

そんな茜くんが灯やTag-logさんに出会って音楽的だけでなく人間的にも成長して、自分のルーツを見つめ直して作った曲達が受け入れられていく「ボカコレ」編は本当に感動でした。

灯と出会えたことは茜くんの音楽が変わるきっかけではあるけど、Tag-logさんと出会えたことが、茜くんの人生の転機だと思うな……
「せきちゃんにボカロがあって良かった」
って言って貰えて初めてボカロに向き合えたわけだし

第二章では茜くん自身が周りに影響やきっかけを与えていて、涙が出そうなくらい成長を感じました。
のどごしが最後にギターカバー上げてるの、ほんとにほんとに感動……!茜くんが一番感動しているだろうけど!
芯が通って安定したなと思いました。軸がある人間は強い!

実際に、ボカコレとかボカロ曲を追っていると
ルーキー(2年以内)を卒業するくらいから、楽曲の方向性とか核みたいなものを感じるようになります。
調声だったり、リズムだったり、あっ!○○さんの曲だ!と分かるような特徴的なものが出てくる気がします。

茜くんはこれから、きっと活躍していくクリエイターになるんだろうな……!

好きなキャラクター

つらつらと思いつくまま書いてますが、最後に好きなキャラクターについて書いて終わりにします。

一番好きなキャラクターはTag-logさんです。

アカネノネ ファンアートです


めっちゃ周りみてるし優しいし、
自分のスタンスというか核がある人が大好きなんです
本当に生き方がカッコイイし、手を差し伸べられる優しさ……
絶対大人気ボカロPだ!!
絶対タワマンに住んでる!←偏見


最後に


取り留めもない文章を
ここまで読んでいただきありがとうございました

そして矢田先生、連載お疲れ様でした!


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