アートと食のパリ旅⑥マドレーヌ寺院でミサ、ネオブラッスリーシメール、ギャラリーラファイエットグルメ館、オペラ・ガルニエ、凱旋門
実質、最終日。
アートと食をめいっぱい楽しんだので、名所めぐりをしていない。ならば今日は名所に行ってみよう。
朝ごはんはビオマルシェの野菜やデリを。
プロヴァンス風のツナのタルト、クミンが入って美味しかった。甘さ控えめのレモンのマフィンもよかったな。
寺好きなのに、まだ見てないよねー、と教会に行くことにした。
マドレーヌ寺院。
珍しいギリシャ風の建築。
荘厳な空間が広がる。
マグダラのマリアの昇天を天使たちが支えるような構図。天使に支えられて昇天していくのだ、と気づき、ハッとした。
弟らしいな、地上に降りた天使みたいなひとだったから。弟はここに来たかったんだね。だから他の寺院ではなく、ここまで連れてきたんだね。
最前列に座り寺院の中を眺めていたら、ミサが始まった。当然、フランス語なので流れや話の内容は分からないながら、隣に座った敬虔なフランス人マダムにサポートしてもらい、最後まで参加させてもらった。
弟はカトリックの学校で育った。私はプロテスタントの学校だったから、弟から話は聞いてたけど、ミサは初めて。ふむふむこういうことか、納得しながらの供養の時間だった。
弟が私に新しい経験を与えてくれたのだろう。ありがとうね。
心洗われ、エネルギーが力強く高まる時間だった。
そういえばマドレーヌ寺院で家庭的なランチを食べられるのを思い出し、楽しみにしてたのだが、この日は提供していなかった。残念!
ならばと、オペラ座そばのシメールに足を伸ばす。
このweb記事がずっと気になってたのだ。
ブラッスリーとは、ビストロよりカジュアルな酒場という意味。ネオがつくから、今どきの居酒屋ってことだろう。ワクワクする。
ここだ!
銀座みたいな街並みの中に建っていた。
予約してないけど、入ってみよう。
あ、弟のアパートメントの住所と同じ22番地だ。導かれてるようだな。
ランチ営業が終了してから撮ったので誰もいないけど、私が入ったときは、いかにもパリッとした服装でランチを楽しむフランス人たちでいっぱい。マダムたちも、ビジネスランチっぽいメンズのグループもいる。
観光客は一人もいない。いかにもアジア人、しかもセーターにジーンズの私、めっちゃ肩身が狭い。フランス人は地味だから、スラれない対策で目立たぬ地味な格好で観光してるんです、おしゃれしてなくてすみません。。と頭の中で言い訳。
英語のメニューをお願いした。
今日は牛の気分なので、牛肉の煮込みと、おすすめをお兄さんに聞いて、その赤ワインをオーダー。
煮込みは炭火焼き以外の中で一番高いやーつ。おびえてるけど、食いに来たんだから食うし飲む。きっぱり。お兄さんが真ん中の値段のワイン勧めてくれて、ここ良心的かもと少し居心地よくなった。
Braised beef 牛肉の煮込み
うおおお、このビジュアル、好みだ!
さすがブラッスリー、無駄がなく武骨。
これでいい、これがいい。
牛はかなり赤身。ゼラチン質はほんの少し。
脂身に弱い私にはありがたい。
一番上は玉ねぎのピクルス、次はミントの入ったサルサべルデ、お肉の下はクリーミーポレンタ。
上の緑はサルサベルデというより、フランスの国民食といわれるタブレの印象。タブレにさわやかさを足したモロッコぽい感覚。
ポレンタはとろけるマッシュポテトのようにクリーミーでなめらか、今まで食べた中で一番よかった。
ソースに驚いた。ビーフシチュー的なデミグラスにスパイスちょい足しかなと思ったら、ベースがぜんぜん違う。欧米のウスターソースやタイの五香粉みたいな香りと味。エスニックぽいのだ。
上から下まで合わせて食べても美味しいし、それぞれ食べても美味しいのだ。
見た目のオーソドックスな武骨さとは裏腹に、いろんな国の美食が口の中に広がる。おもしろいな!!
ワインはお兄さんのオススメにしたら、これまた素晴らしいマリアージュ。
やばい、この店大当たりだ!!!
美味しいとぶるっと震えるし、ニコニコが止まらない、、、「うわっ」「うんま!」と日本語出ちゃう。洗練されたフランス人の中で恥ずかしいが、身体の反応なので仕方ない。ほんっとにおいしいもん。
お肉、300gはあっただろうな。ポレンタ含め完食し、パンは美味しかったけど小さいのひとつであきらめた。
ほんっとにお腹いっぱいだが、間違いなくデザートも美味しいだろう。
よし、もらおう。
パヴロヴァにした。エスプレッソは一緒に持ってきてください。
さくさくすっぱいグラニースミス、ガツンと酸味のキウイにフェンネルが香る。
ソースは同じくりんごとキウイだった。
フレッシュな薄甘生クリームに、カリサクッ食感の焼いたメレンゲ。
美味しいっ。。。
食べてるとお腹にスペースができる、超美味しいもの食べてる時の不思議現象が始まった。
もうね、美味しすぎてニコニコと震えと日本語が止まらない。
やばいアジア人と思われてるかとハラハラしたが、全部食べ終わったらお兄さんが来て、なんとひざまずいて感想を聞いてくれた。感動。。。
美味しいもの好きたちは国境を越え、打ち解けた。繁盛店独特の気さくさやテンポも心地よくて、楽しい時間だった。
いやはや、とんでもなく好みだった。
スパイスや食材の使い方が最高。
だいたい50€だったから高いっちゃ高いが、オペラ座から歩いて5分、大通り沿いのこの立地だからかなり安いし、接客も良心的だ。ディナーもうまいんだろうな。またぜひ来よう。
パリの食品館といえば、こちらも有名。
ギャラリー・ラファイエットのグルメ館。
洒落てたけど、規模や買いやすさはラグランエピスリードパリの方が上かな〜。
予約してた時間が来たので、オペラ・ガルニエへ。
パリのオペラ座は、公演がないときは見学できるのだ。
いかにもおフランスな外観。
ルネッサーンス!と言いたくなるような、ラウンジ的な贅沢な空間。だけれども、このキラキラと観光客の多さにやられて、ぐったりしてしまう。ルーヴルもそうだったな。
劇場内部を見たかったのに、なかなか入れなくてずーっと待った。どうやら中で公演の打ち合わせをしていたらしい。
やーっと入れた。
やっと、来てよかった!と思えた。
ここでバレエやオペラを見たら、文化を身体で深く理解できると感じた。
シャガールの天井画も美しい。
来てよかったーーー!!
ここでいつか舞台を見よう。
この旅のシメは凱旋門。これぞパリですねん。
弟の供養のために来たパリ。
初ヨーロッパひとり旅の不安がいっぱいだったけれど、街の魅力に後押しされ、メトロやバスを駆使して街を回り楽しむことができた。
この旅を通してひと皮むけた気がする。
弟よ、サポートありがとうね。
スムーズな、楽しい旅だったよ!
いっぱい護ってくれたね。
また来て、一緒に遊ぼうね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?