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「おいしい」は進化する

あなたは、何をしている時が幸せ?と聞かれたら、どう答えますか?

「美味しいものを食べているとき」と答える方も少なくないのではないでしょうか?

私も、「美味しいものを食べる」って、人生の中の優先順位も高いし、幸せだなって思える瞬間の一つだと感じています。

「美味しい」は育てられる

人はこれまで数多くの危機や環境の変化に適合してきました。

現代のように、食べ物だって安定して食べられる状況にあったわけでもありません。生き残るためには、その時に応じて、色々な物を食べる必要がありました。

植物に含まれる毒物に苦味を持つものが多かったため、そのむかし人類は、「苦味」は排除すべき食材と認識していたのだそうです。

しかし、苦味を持った植物の中にも安全なものを見つけ、さらにその植物には、生きるために必要な栄養素があったことで、生存のチャンスを高めることができたのだそうです。

そして、苦味のある物を食べるうちに、次第に苦味も「おいしい」と思えるまでに味覚を育てることができたのだそうです。

ハーブティーは味覚を育てる飲み物

ハーブティの原材料は、薬効を持った植物です。

一つ一つのハーブをじっくりと味わってみると、ハーブの中には、苦味や渋みをもち、苦手だなと感じてしまうハーブも存在します。

ただ、そういうハーブを私たちはブレンドをすることで、美味しく体に摂取することができるのです。

そして飲み続けるうちに、なぜかその苦味が癖になってくる。なんてこともあるんじゃないかなと思っているんです。

私自身、以前は飲みにくかったハーブが、いつの間にか好きになっていたという経験もありますし、味覚は育てられるものと考えれば、それも自然なのかもしれません。

ハーブティを飲むメリット

ハーブティを飲むメリットの1つには、繊細で複雑な、植物の味を味わうこと自体にもあるのではないかと思っています。

直接的な、体への効果効能ではなく、様々な植物を味わうこと自体が、味覚を育て、その先には、好き嫌いを減らして、どんなものでも、美味しく食べ物を食べる楽しみや、さまざまな栄養成分を、美味しく取り入れることこそが、大きなメリットなのではないでしょうか。

孔子の言葉で、「良薬は口に苦し」という言葉がありますが、苦味も美味しいと感じられるようになった人間は、ものすごい進化を遂げて、今を生きているのですね。


ハーブティー研究家/植物養生研究家 
赤川典子


自然の流れにそった人々の暮らしを支え続けてきた旧暦を頼りに、季節のお茶としてその時に必要な植物たちを、お手元にお届けしています。


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