見出し画像

リーガル・ハート 倒産と新たな挑戦

神奈川県横浜市戸塚区の女性ライダー弁護士西村紀子です。

 一人の弁護士として、一人のライダーとして、一人の人間として、日々感じたり観察したりしたことで、皆様のお役に立つと思えることを、発信していきます。

 本日は、一人の弁護士として、企業倒産について、つぶやきたいと想います。

 先日、ドラマ「リーガル・ハート~いのちの再建弁護士~」を観ました。多少ネタバレになりますが、ご容赦願います。

 このドラマの中で、鎌倉市の老舗呉服屋が、諸事情で経営が悪化し、再建弁護士・村越誠一氏(反町隆史)が代理人となりました。
 いつもなら、潰していい会社は一つもない、と言って、法律を駆使して、会社再建を果たすところを、この回では、倒産の道を選びました。

 倒産というと、一義的には良い意味ではありません。
 しかし、言うまでもなく、事業には、成功もあれは失敗もあります。
 倒産することが絶対にだめということは、ありません。

 このドラマでは、呉服の在庫を適正な価格で売りさばき、従業員には給与や退職金も払い、債権者にも相当に支払える状態に持って行きました。

 ラストのシーンでは、村越弁護士が、店を閉めた経営陣2人(姉と弟)に対し、呉服屋は閉めることになりましたが、魂は生き続けています、今日から力を合わせ新たなスタートを切ってください、何とかなります! と言った趣旨のことを言っていました。

 倒産した経営者が、フェニックスのように、新たに挑戦をする、ということは、現実の世界でもよくあることです。

 ところで、コロナ禍で政府系金融などから無利子の融資を受け、凌いできた企業は多いですが、その返済が始まる局面にあります。

 例えば、2月16日日本経済新聞朝刊の記事「コロナ無利子・無担保融資、昨年末3割増42兆円 返済本格化で倒産増も」にも、
 「新型コロナウイルス禍で急拡大した実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資の実行額が2021年末に約42兆円に達したことが分かった。1年前から3割強伸びた。巨額資金の投入は企業倒産を歴史的な低水準に抑え込んだが、今後返済が本格化する。コロナ禍の収束が見えないなかで返済負担が増せば息切れする企業が増え、多額の貸し倒れにつながる懸念もある」
 「東京商工リサーチが21年12月に約6700社を対象に実施したアンケート調査によると、中小企業で過剰債務の状態にあると答えた割合は32%にのぼった。コロナ後に債務が過剰になったという企業が目立つ」
などとあります。

 もちろんそういったことがないに越したことはありません。
 しかし、そういう局面になった場合は、倒産と一言でいっても、冒頭のドラマのような、よい倒産もあれば、わるい倒産もありますので、是非、その分野に詳しい弁護士にご相談されることをお勧めします。
(終)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?