食べすぎるとぎっくり腰になる?!
漢方カウンセラーで国際薬膳師の池田のり子です。
漢方相談のお客様で「またやっちゃってね…」という方が増えています。
それは…ぎっくり腰。
冬に多いのですが、実は今の季節がいちばん危ないのです!
食べすぎている方は、要注意ですよ!!
ぎっくり腰の季節
「ぎっくり腰の季節ですからね」と言うと、「ぎっくり腰に季節なんてあるんですか?」とよく言われます。
冬に多いのですが、実は春もぎっくり腰になる方が多いんです。
寒い冬はそれなりに気をつけていても、「春だから体を動かそう!」と思った瞬間にグキッとなることも…。
「ぎっくり腰はクセになる」と言われますが、生活習慣や体質や感情のクセが関係していることもあるんですよ。
胃腸が弱ると腰にくる
漢方医学でいう胃腸は「脾」という言い方をします。
「お仕事」とか「システム」なので、実在する臓器とは違います。
この脾は、食べものから体に必要なもの(気血水)を作り、作ったものを各倉庫まで届けるという仕事をしています。
製造工場の役目があるので、ここがダウンすると大変!!
これを「運化作用」というのですが、運化ができなければ体力が落ちていろいろと支障が出てきます。
脾には、消化吸収だけではなく「統血」と「昇清」という仕事もあります。
統血は血管から血が漏れないようにすることで、昇清は下がらないように持ち上げておくという働きです。
脾がダウンして昇清作用が働かなくなると、いろいろなものが「下がる」という現象が起こります。
顔・胸・お尻などの外見的なお肉はもちろんですが、内臓も下がってしまいます。
普段体の中にあるものが「こんにちは」して、子宮脱や痔にもなりやすいです。
肉や内臓が下がってくると腰にドンと乗るので、腰回りが重だるく感じます。
そこに縮こまるくせのある冷えが入ると、グキッとなってしまいますよね。
疲れてきたら腰が重いとか、どこというポイントはないけどなんとなくだるい…というのは、下がってきている証拠です。
この腰痛の特徴は、休むと治ること。
特に今年は要注意
脾がバランスを崩す理由は、5つあります。
・ストレスや緊張
・冷え
・湿気
・思い悩む思考
・食べすぎ
なんと…食べすぎると脾が弱って、腰の違和感を引き起こしてしまうのです!!
思い当たる方は、よく噛んだり食事量を少し減らしてみてくださいね。
そして、この5つ以外にも他の内臓のバランスの乱れの影響を受けることがあります。
それは、今年の年運「水運不及」。
自然界の5つのエネルギーバランスをみる五行理論では、生み出す関係の「相生」と相手を抑制する「相克」があります。
赤い矢印が相生で、青い矢印が相克です。
相克は、強い→弱い関係なので、「ジャイアントのび太」のような感じ。
これを内臓に当てはめてみると、「水運不及」は水のバランスが乱れるので、水に属している腎が弱ると考えられます。
通常なら、ジャイアン(脾)がのび太(腎)を抑えるのですが、のび太がいつも以上に元気がなければ、ジャイアンの調子も狂ってしまいますよね。
ジャイアンが「なぁ、のび太!」と肩に手をやっただけで、のび太が倒れてしまうイメージです。
「ちょっと腎ちゃん、何なのよ?!私どうしたらいいの?!ねぇ、ねぇ!!」というように、脾はパニックになるのです…。
しかも、腎がバランスを崩すと訴えてくるのが腰。
腎が弱ると腰がだるくなるのです。
腎は成長発育、ホルモンや生殖にも関係するので、年齢を重ねていくと衰えを感じることが増えます…。
特に40代後半になると、それが顕著に…
(私もね…)
肝脾不和(かんぴふわ)
そして、さらに脾に悲劇が起こります…。
春は肝が荒れる季節。
ジャイアン(肝)は、のび太(脾)に対して、無理難題を押しかけてくるのです…。
これまた脾はパニックです。
並べてみると…
もう…肩をポンポンとして、そっとお茶を差し出したくなるぐらい、脾がかわいそう…。
しかも、しかもですよ!!
4月17日から5月4日は春の「土用」で、さらに脾がダウン。
そろそろピークでやってきますよ。
ぎっくり腰のシーズンが…。
ポイントは「健脾&補腎」
今日の漢方相談のお客様もぎっくり腰Again…だったのですが、こんな嬉しい言葉をいただきました。
「鍼灸師さんに診てもらったら、今までよりも状態が良くて数日で治ったんです。胃腸が整っていると言われました!」
3ヶ月ほど、脾を整えて血流をよくする漢方薬を服用していただいていたんです。
やっぱり日頃から脾にヨシヨシしておいた方がいいですね。
そのことを「健脾」といいます。
健脾:
米、黒米、玄米、米麹、もち米、さつまいも、じゃがいも、山芋、黒豆、大豆、納豆、枝豆、えんどう豆、おくら、かぼちゃ、カリフラワー、小松菜、さやいんげん、そら豆、青梗菜、にんじん、ねぎ、白菜、ブロッコリー、マッシュルーム、アボカド、なつめ、りんご、アジ、イワシ、ウニ、スズキ、タイ、ブリ、うずら卵、鴨肉、牛肉、馬肉…など
補腎:
黒米、山芋、黒豆、枝豆、カリフラワー、きにら、キャベツ、ごぼう、干し椎茸、ニラ、ブロッコリー、ブルーベリー、カシューナッツ、栗、クルミ、黒ごま、松の実、アワビ、いくら、うなぎ、うに、えび、干し貝柱、かつお、すずき、すっぽん、たい、たちうろ、なまこ、ホタテ、マナガツオ、ムール貝、鹿肉、鶏肉、鶏レバー、豚肉など
もうすぐやってくる「春の土用」までに、これらの食べものを上手に組み合わせて、脾にご機嫌になってもらってくださいね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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