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浮腫(むくみ)を改善するための漢方薬や食べ物の選び方

中医学や薬膳の中級者以上になると、「浮腫の原因はひとつではない」ということが分かります。

でも、「それは分かるけど、診断の仕方やどうしたら良いのかが分からない…」というご相談が多いです。

そこで今日は、中級者以上の方に向けて、浮腫を改善するための漢方薬や食べ物の選び方をお伝えしようと思います。

漢方薬や効かせる薬膳に興味がある方は、ぜひ最後まで読んで下さい!




浮腫の対処法は5つ

神戸市中央区の漢方薬店で、漢方カウンセラーとして診断して10年。
「本物の中医学」で薬膳を伝えて15年。
10000人以上に中医学で心を笑顔にしてきた池田のりこです。

薬膳のセミナー、講演、企業様での研修、漢方薬のカウンセリング、レストランの薬膳監修などをしています。

むくみのメカニズムについては、こちらの記事に書いているので読んで下さいね。


浮腫にはいろいろな原因があるのですが、今の時期に多い浮腫の対処法は5つです。

1.脾気虚の湿を香りで動かす

脾の運化作用が低下すると、食欲不振や下痢軟便、重だるい、疲れやすいなどの症状が出ます。

脾は四肢と関係があるので、足だけでなく手の指もむくみます。

そのようなときは、中焦の湿を取る陳皮や蘇葉(しそ)などを用い、補気健脾の人参・白朮・茯苓などを配合します。

芳香性の生薬は香りの刺激によって低下した脾の働きを活性化させるので、香りの良いものを使います。

濡れたタオルをドライヤーで温めると渇くように、温性の生薬は湿を乾かします。

藿香正気散かっこうしょうきさんなどをよく使います。

薬膳では、チキンスープ(鶏ガラスープ)とハトムギ入りご飯で作った雑炊にしそを乗せる感じ。


2.腎気虚の質を利尿作用で出す

尿量が減ってむくみが生じているときは、腎で汚れた水を尿に変えることと出すことができないタイプ。

そのようなときは、利水滲湿の薏苡仁よくいにん茯苓ぶくりょうが入っている漢方薬を選びます。

重く沈んだ湿は動きにくいので、水を運ぶ気を動かす理気の陳皮や、気を作る人参や黄耆などを使います。

五苓散ごれいさん猪苓湯ちょれいとうを使います。

薬膳では、冬瓜スープにセロリやブロッコリーを入れるとOK。


3.寒さで動かない湿を温めて動かす

冷えると体を温める陽気を損傷して、さらに内臓が冷えます。
そうすると水を温めて蒸発できないので、溜まる…というメカニズム。

温陽の附子・乾姜・桂皮などと、利水滲湿の茯苓・薏苡仁などを配合したものを使います。

漢方薬は、苓桂朮甘湯りょうけいじゅつかんとう苓姜朮甘湯りょうきょうじゅつかんとうなど。

薬膳では、とうもろこしご飯に生姜を加えたり、副菜にピリ辛きゅうりを添えたりします。

4.熱が結びついた湿を冷やして動かす

炎症を伴う場合は、冷やします。
清熱利湿の滑石・薏苡仁・車前子などと、清熱燥湿の黄連・黄芩などが入っているものを選びます。

漢方薬は猪苓湯ちょれいとう茵蔯五苓散いんちんごれいさんなど。

食べ物は、トマトと冬瓜のスープ、ナスとハトムギのスープなど。

5.しびれや痛みを伴う湿を動かす

しびれの原因は風邪+湿邪なので、祛風湿の羌活・独活・防已などを主体に、祛湿の薏苡仁・蒼朮・白朮、散寒の附子・桂皮・細辛などを配合します。

しびれや痛みが強かったり慢性化したときは、それだけでは動かないので活血の当帰・川芎・紅花などを加えたものを使います。

漢方薬は疎経活血湯そけいかっけつとう薏苡仁湯よくいにんとうなど。

食べ物では祛風湿するものが少ないので、スパイスや活血をよく使います。

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漢方薬を選ぶときのポイント

漢方薬は医薬品ですので、しっかり理解していないのに誰かにアドバイスをするのは危険です。

セルフケアとして選ぶか、診断できる漢方医や漢方相談員に相談しましょう。

漢方薬には、組成(君薬・臣薬・佐薬・使薬)という役割があります。

この生薬はメインの君薬だから量を増やそうとか、ここはエッセンス的に少し入れようと調整されています。

「むくみだからこの漢方薬」と選ぶのではなく、「なぜむくみが出ているのか?」を考えて選びましょう。

同じように食べ物を選んだり量の調整をすれば、しっかり効かせることができます。

メディアで紹介されていた漢方薬を見て「これありますか?」と来店される方が多いです。

「それはないのですが、お客様の状態を確認して漢方薬をお選びすることができます」というと、「じゃ、いいです」「時間ないのでいいです」と…。

時間を掛けて診断することが、無駄な時間と思われてしまうのは本当に残念です。

食べ物も同じです。

「むくむのですが、何を食べたらいいですか?」と聞かれても、そのむくみの原因が分からないと選べません。

「面倒くさい」「答えだけ知りたい」ではなく、ご自身と向き合う時間を大切にして欲しいなぁ…と思います。

そのために私たちがいます。
診断できます。漢方薬や薬膳を選べます。
選び方を伝えることもできます。

セルフケアはドラッグストアで薬を選ぶことではなく、自分のためにプロの力を借りたり向き合う時間を持つことだと思います。

この考え方が多くの方に伝わるといいなぁ~と思いつつも、なかなか伝わらなくてもどかしいのですが…。

良かったら、あなたの周りの方に伝えてください。

すべてを言わなくてもいいので「こんな人いるよ!」でOKです。

そして、良かったら中医学を学んで下さい。

いろいろなことが見えてきて、自分のことを愛おしく思えます。


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それでは、明日も心と体とご機嫌を整えて笑顔で過ごしましょう~♪


おしまい。


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