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《漢方処方症例検討》50代女性の動悸

中医学・漢方薬・薬膳が大好きな方や、お勉強中の方に症例の弁証から投薬や薬膳について書いています。

今回の症例は、50代女性の動悸です。
漢方薬服用後3日ほどで、かなり改善されたというものです。



ご相談内容

神戸市中央区の漢方薬店で、漢方カウンセラーとして診断して10年。
「本物の中医学」で薬膳を伝えて15年。
10000人以上に中医学で心を笑顔にしてきた池田のりこです。

薬膳のセミナー、講演、企業様での研修、漢方薬のカウンセリング、レストランの薬膳監修などをしています。

漢方相談の方の症例で、主訴は「50代女性の動悸」です。

問診日:2024年5月18日(土)
情報:Aさん(50代女性:会社経営)
主訴:頻発する不正脈

10年前に発作性上室性頻拍でカテーテルアブレーション手術。

落ち着いていた不整脈と頻脈が、4月半ばから再発する。

日中に3回程度脈が飛ぶ
寝ている時に脈が飛んで起きる
日中に1時間に5回以上脈が飛ぶことがある
頻脈は1日に0〜1回で、1分以内で治る。

動悸と同時に息切れを感じる。
発作時に両手の指が痺れる。

寝ている時に脈が飛んで起きることで、不眠気味。

血圧:110〜120/70〜80
脈拍数:70〜80

随伴証:
目が疲れる
肩こり、腰のだるさ
※PCやスマホは12時間以上/日

その他特に気になる症状無し。
緊張する時間は多いが、それなりにストレス解消は出来ている。
脈が飛んで目が覚める以外は、よく眠れる。

舌診:
舌尖辺紅、白膩苔
舌下静脈、細で少し怒張あり


診断のポイント

動悸にも、実証と虚証があります。

実証の動悸は気鬱、瘀血、痰飲、邪気などで、虚証の動悸は気虚、血虚、陰虚、陽虚など…。

舌を見ると膩苔があるので一見実証(痰濁)に見えますが、ここは発作の出方に注目します。

ポイントは、肝火や心火ではない…というところ。

標治と根治をしっかり考えましょう。


弁証と治法

ここからは、診断からの弁証と治療法則、選んだ漢方薬について解説します。

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