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食欲がなくてすぐにお腹がいっぱいになって、食べるとすぐに下痢をする方に。益気健脾の漢方薬「参苓白朮散料」

漢方薬が大好きな方や、お勉強中の方に漢方薬の処方構成と効能について書いています。

今回は、6月後半になって増えてきた「参苓白朮散料《じんりょうびゃくじゅつさんりょう》」です。

※「料」とは
散剤(粉末又は微粒状に製したもの)・丸剤で服用する漢方薬をエキス剤(煎じた生薬の液体からそのエキスを抽出し、顆粒や粉末などに加工したもの)にした場合に、処方名の後には「料」という字を加えるようになっています。

参苓白朮散料とは?

神戸市中央区にある漢方薬店「咲美堂漢方薬房」で、漢方カウンセラーをしている池田のりこです。

参苓白朮散料は、ひとことで言うと脾胃虚弱ひいきょじゃく湿邪挟雑しつじゃきょうざつがある方に適するものです。

脾胃が虚弱し、運化機能が低下すると、消化不良になります。

食欲不振、食後の腹満、嘔吐、下痢や軟便が特徴ですが、参苓白朮散料は便の匂いが少ないものに適します。(匂いが強いものは熱証)

湿邪が挟雑しているので、大腸の中もベタベタして軟便や水様便となり、舌苔は白膩苔になります。

脾は後天の本なので(腎は先天)、脾が弱ると倦怠感や疲れやすいなどの気虚の症状や、貧血ぽい感じがしたり頭が働かない血虚の症状が出てきます。

そもそも消化をしていないので、いくら良い食べものを食べても栄養に変えられず、すべて下痢として出てしまいます…。

元気になろうとして、たくさん食べたり、消化に時間が掛かるものを食べると、返って脾を傷めてしまうので気をつけましょう。

参苓白朮散料の組成

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