「イルミねこがまよなかに」
東大ばば門さん(@babamonsan)がブログで「歌える絵本」のことを
書いていらっしゃるのを読んで思い出したことがあった。
娘に最初に買い与えた絵本のことだ。
タイトルは「イルミねこがまよなかに」。
織茂恭子さんの絵に阪田寛夫さんの詩。
月刊誌の定期購読を始めて、最初に届いた絵本だったが、
それを見て、正直、私はちょっとだけがっかりした。
ストーリーのあるものではなく、子どもが喜ぶとは思えなかったのだ。
けれど、長女は嬉々として、「よろーそろー」や「はてはてはてな」と
歌い、すべて暗唱してしまった。
この中の言葉ひとつひとつが、娘にとっては、まさに歌だったのだ。
それは私にとっても驚きで、版元の福音館書店に感想を送った。
すると、思ってもいなかったことだが、阪田さんから葉書きが届いたのだ。
阪田さんは「お嬢さまに励まされたようで嬉しく」と書いてくださったが、
阪田さんの言葉に、当時、娘は2歳半、第2子が生後半年で、
仕事の再開を悩んでいた私自身が励まされたのだった。
福音館書店のホームページを見る限り、単行本化はされていないようだ。
表紙の折れ曲がった我が家の「イルミねこ」は
これからも大切にされることだろう。
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