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「我々は日本国の臣民であります」日韓関係を身近に感じた日 Seoul, South Korea

海外旅行中に地元の人たちと交流することって、正直私はあまりない。この国行ったらここ行かな!って、観光客が集まるとこばっかり行くからだろう。
ところがソウルはそうじゃなかった。いきなり日本代表になってしまった。




大学時代の友人と、トンデムンシジャン(東大門市場)にある、タッカンマリ(鶏の水炊き)のお店にお邪魔したときのこと。
有名店だけあって混み合っていて、お鍋から立ち昇る熱気もムンムン。
鍋にぶち込まれる鶏一匹も迫力あるけど、コンロも日本とは違って随分ワイルドな感じ。ちょっとでも操作ミスったら大惨事を引き起こしそうな…


「あんたらは学生か?北京大学か?」


突然、隣のテーブルのおじさんが話しかけて来た。


びっくりしたけど答える私たち、
「いえ、日本人です。」


その瞬間、おじさんの口をついて出る流暢な日本語。
「我々は、日本国の臣民であります」



あ…


ここは韓国。
1910年の日韓併合から、1945年の朝鮮総督府による対連合国降伏まで、35年に渡り日本の領有下に置かれていた場所。
そのあいだ、国語が、日本語だった。



おじさん少々酔っ払い気味だったのか、向かいに座っていたおばさん(奥さん?)に「何からんでんの!」って感じで注意されてはいたけど、私たちに気前よくチャミスルを奢ってくれた。




감사합니다 / カムサハムニダ。
我々日本人が、あなたがたの言葉を習うときが漸く来たとしか思えない、韓流ドラマやK-Popが席巻する21世紀の未来で。



※2011年8月のおはなし。


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