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日々の雑記 情けは人の為ならず

先日大型ショッピングモールの駐車場に車を止めたところ、娘がつぶやいた。「転んじゃったのかな?」
見れば、杖を持った年配の女性が膝をついて座り込んでいて、傍で犬を連れた若い女性が覗き込むように何か話しかけている。
犬もいるし、1人で立ち上がらせるのは難しそう。
で、声をかけた、「お手伝いがいりますか?」

家族かな?と思った若い女性はたまたま通りがかったモール内のお店の店員さんで、犬も年配の女性の犬だという。
なんとか立ち上がらせて、犬を後部座席のペットシートに乗せ、女性を運転席に座らせた。
でも、なんだか話が怪しい。運転席の場所がわからなくなったり、ドアが開いたままなのに、サイドミラーの向きが変だと言ってみたり。

このまま運転させるのは絶対にやばそうなので、近くの交番にお巡りさんを呼びにいった。お巡りさんは来るなり、「なんか病気あるの?」とつっけんどんに聞く。「病気はないけど…」と年配の女性が口ごもっていると車を眺めまわして、「あー、だめ、運転なんてできないよ!」とぴしゃっと言い放った。(バンパーがはずれかかっていたらしい)

その言い方はないよ。気持ちはわかる。でもお巡りさんはその人の息子でもなんでもない。家では多分、家族にあれこれ怒られてる。今だけの関わりなら、せめて他人の私たちは優しくしようよ。

気の良さそうな女性だった。犬もその人のことをめちゃめちゃ心配している様子だった。この人も、自分にも他人にも甘い、おおらかなおばちゃんだったんだろうな。

自分の親だったら と言うけれど、自分の親だから優しくできないこともある。一緒に暮らしているなら、なおさら。
私は怖がりだから、自分がそうなった時、他人に怒られるのはこわい。
だから、私も怒らないで話す。他人だからできる。
ただ、それだけ。

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