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「良いものづくりをしたければ。」

そもそも、僕は「生活」を作りたいと思ってるし、自分にとっての良い生活をずっと追い求めているように思う。

富山の短大を卒業して21の時、次の生活の場所を探して沖縄に移り住んだ。
学生時代は工芸科で家具の勉強をしていたけど、授業にはあまり真面目に出なかった。それでも先生に言われた言葉が一つだけ、ずっと記憶に残ってる。

「良いものづくりをしたければ、良い場所に住みなさい。」

先生の言う「良い場所」とはどういう意味だったのか本当のところはわからない。でもいま、あの時の先生よりも年上になった僕が理解している「生活」とは、いい家具や生活雑貨みたいな家の中だけじゃなくて、近所のお気に入りのカフェや、行きつけの居酒屋や、好きな風景なんかも「地域」という生活の構成要素なんだということ。

だから僕は住んでいる沖縄を、今よりも「いい場所」にしたいと思っている。
生活の場としてのいい場所。


家具屋として創業したけど、そのあと内装業を生業にして町にたくさんの店を作ってきた。それから自分の会社でも店を始めようと決めて、沖縄の「贈る質」を上げたくてオハコルテ始めた。

「朝の質」を上げたくてオハコルテベーカリーも始めた。

「家の質」を上げたくて始めたホームセンター事業は、第一弾はうまくいかなかったけど、第二弾の構想はもうある。

「乾杯の質」のためにシークワーサーのシードルも作ったし、「ビーチパーティーの質」を上げたくて「緋桜肉」という経産牛ブランドをプロデュースしているところ。

竹富島や黒島の農家さんから相談を受けた時は、地域を盛り上げるアイディアが次々と浮かんだ。

僕のセンスは家具のデザインには合わなかったけど、地域の質を上げるプロダクトには合ってるかなと最近になって思う。

そうやって丁寧に一つ一つ作ったものが自分の生活の中に入ってくる事で、僕は自分のいい場所作りをしている。

そして来年、準備してきた「農業の質」を上げる事業が始まる予定。

これまで僕が生み出してきたプロダクトを全部集めて、農園に人の集まる場所を作ろうと思っている。

完成まで何年もかかるし、むしろ何年もかけてその成長を楽しんでいきたい。

そんなふうに人生を賭けられる「いい場所を作る」と言う仕事も僕の「生活」だし、笑い合える仲間や心を癒してくれる家族もまた僕の「生活」を作ってくれている。

もしかしたら先生の言う「いい場所」とは、完成したのものことではなくて、いい場所を作ろうとしていることこそが居場所でありいい場所なのかもしれない。

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