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「源義経」と「DX」

鎌倉幕府を描いたNHKの大河ドラマが話題だが、実際の史実を調べ、それを元に、現代を考えてみる、というのが最近の自分の道楽の1つではあるのだが。で、そのあたりの与太話ですが。

【勝つためにはなんでもする「源義経」】
源義経、ってのは、子供の頃からいろいろと物語は聞くんだけれども、基本「人情家で、当時の上層階級の社会の生まれなのに、その教養がない」という感じの人なので「上層階級の当然の行動様式やモラルを知っているはずなのに知らない」から、様々な「奇襲戦法」で勝ってきたんだな。今でこそ「戦争」というと「奇襲」なんてのはあって当たり前だけども、当時は「勝つためにはなんでもする」というのは「結果はいいけど、その過程でいけないことをやった」となる。義経にして見れば「勝てばなにしたっていいじゃん」みたいな感じなので、上層階級の常識人の端っこにいた頼朝からしてみると「なんてことしてくれたんだ」と言うことになる。

【現代企業の「源義経」】
企業なんかで入ったばかりの若い新入社員が「Excelのマクロで業務のシステム作りました。これでこの部門の人間は激減できますよ。あるいは部門ごと廃止できるかも」ってやるんだが、社長からしてみたら「それやられたら困るんだよね」みたいな。結果としてDXが進まない、とかね。で、社長は立場上、表向き、そのときは、そう言うしかない。が、マクロを作った若手社員が「こんな会社やってられるか!」と、会社を辞めた後「前に会社にいたXXくんがExcelでこんなもの作ったんだよな。時代も変わってリストラ当たり前になったし、今ならできるな。政府もDXって言ってるし」と、会社でDX化で大量リストラやっちゃう、みたいな。

【頼朝・義経兄弟を使う】
当時の権力の上層階級の人たちの側からしてみれば「義経を使って手段は問わずに実質を奪取」したうえ「頼朝を使ってその結果を取り込む」という考え方になるだろうな。そっちのほうがよっぽど「非人情」な感じがするよね。で頼朝にも義経にも、それより上の人たちが考えていることはわからないし、教えない、ってことだな。この兄弟を使うだけ使って、得るものを得た後はポイしちゃう、みたいな、ね。

頼朝は「鉄砲」で義経は「鉄砲玉」ですよ。

【時代を変えた強力な武器「頼朝・義経」兄弟】
そして、この両者=兄弟、が揃うと、それを手にした人にとっては、強力な武器になる。つまり、その背後にいた更に上の階級の人たちが、この兄弟を「時代をチェンジする道具」として、狡猾に使ったんだな。まぁ、この兄弟が意図してそうなったわけでもなく、たまたま、そういうところに、この兄弟はいたんだろうとは思うけど。

【教養人としての弁慶】
しかし、鎌倉の腰越で義経が弁慶に代筆させた「腰越状」って、要するに、弁慶ってしっかりと公的な文書を書ける教養人だった、ってことがわかるよね。義経その人は書けなかったんだよ。義経はちゃんとした訓練を受けていなかったから公的な文書を書く教養が無かったからだね。まぁ、弁慶はお坊さん(当時は教養人)なわけで、それはあるな。むしろ、弁慶は義経が権力上層部の鉄砲玉として使われていることをわかっていて、あえて義経の近くにいたかったんだろうな。おそらく、腰越状のかなり前から、弁慶は義経の行末に気がついていただろうな、と思わせる。先の読める教養人だったんだろうな。弁慶という人は。それに気がついたとき、弁慶には2つの道があったはずだ。「1.義経から逃げる」「2.義経についていく」という、ね。で、彼は「2」を選んだ。弁慶の計算高さだけではない教養人らしさ、というのをそこにも見ることができるんじゃないかと思うわけです。

【世の中の「チェンジ」を作った兄弟はつくられた?】
でもさ「膠着した世の中をなんとか新しい流れにチェンジするために」、源氏のこの兄弟を別々の環境でわざわざ育てた、ってことがもしあれば、それを考えた人って、何もかもわかった上で、時代をチェンジする博打を、強力な意思の元に慎重かつ大胆に打ったわけで、かなりの切れ者でかつ剛者、って感じがするな。あくまで「もしも」のことだけど。ありえない話ではないとは思うけど、なかったとは思うよ。当時はね。

【突然ですが「デジタル庁」は「義経」か?】
そういう意味では、現代における「デジタル庁」とそれを作った現政権って、まとめて現代の源義経になって、けっこう早いうちに消えちゃうのかもしれない。で、その屍の上に、次の新しい時代がやっと拓くのかな、っていう、そんな感じがするんだよね。どうせ、急造で出来たデジタル庁なんてITゼネコンの巣窟になるのは目に見えていたわけで、そこに旧態依然の塊みたいなITゼネコンを囲い込んでおいて、一網打尽に衰退させちゃってさ、そこでお経を上げた後、本当の日本社会のデジタル化・新陳代謝が行われる、みたいな、そういう構想があるのかもしれないね。ないかも知れないですけど。

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