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PMP®︎合格体験記

PMPとは?

Project Management Professionalの略です。
「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOK:Project Management Body of Knowledge)」に沿ってプロジェクトマネジメント業務を遂行できることを公に証明できる資格といえます。認定は米国のPMI:Project Magagement Instituteです。

PMP®に合格しました@2021年5月11日

2021年1月2日から変更となった新ECO(Examination  Content Outline)=新しいテスト形式と、テストセンターにおける受験について、合格までの体験記を書いてみます。こらからPMP受験する方のお役に立てば幸いです。 現在のECO(日本語版)はこちら。

実は私、2020年12月に一度落ちています。そして2度目の挑戦で合格しました。つまり、旧ECOと現ECOの両方の試験を体験しています。
ので、その違いもお伝えできると思います。
なお、一度落ちている、という点で私の勉強法や量はあまり参考にならないと思いますので、ぜひほかの方の勉強法などを参考になさってください。
ちなみに私がお世話になったのはこちら。

■豆検(「ぷちまな」月額課金プラットフォームにて)
スマホでスキマ時間に学習。


■CLUTCH さんのnoteとUdemy
PMI®イズムについて説明してくださっています。通称リタ本の内容も網羅されていて、日本語で学べるのは超効率よいはず。

■認定団体の模擬試験
実は、私にとって最も役に立ったのは、パーソル総合研究所の200問模擬試験です。PMI®イズムを体得できているか、アジャイルやハイブリッドの迷いやすいシチュエーション問題を理解できているか、を確認することができ、とても有益でした。

■もちろん「PMBOK®ガイド」と「アジャイル実務ガイド」も。

■いやしのYoutube 
I LOVE PM / プロジェクトマネジメント専門チャンネル
こちらは「ナビゲーターのイトーダです!」さんが楽し気に語っておられるPMP受験生向けチャンネル。ご自身も認める「ニッチでマニアックな」チャンネルですが、明るく軽快な語り口とわかりやすい解説がクセになります。


では、いってみましょう!

■テストセンター、事前に知っておくべきこと

30分前到着は「必須です!」
その前に、テスト会場に入る前の手続きを全て終える必要があります。
かなり厳重です。驚きました。こりゃ30分かかるな、と。

まずは検温と手指消毒。
次に、室内に入る前の注意事項伝達と同意。
口頭で伝えられたのは、
■これより先に入室すると、試験勉強の類は一切できないこと。
■録音、録画、メモして持ち出す行為はできないこと。
■PC,スマホ、タブレット、スマートウォッチなどの電子機器はすべて電源を切ること。機内モードではダメ。電源が切れているを見せて証明すること。

さらに詳しいないようは配布資料を読み、同意すること。同意した順に受付を行うこと。

同意後、一人ずつ名前を呼ばれて受付。
顔写真付きの身元証明書を見せて、照合。
私は運転免許証を使用しました。
同じ時間帯の他受験者さんのなかには、外国籍の方、パスポートを持参している人もいました。
以降この証明書類は、今後座席を立つたびに提示を求められます。
つまり、常に携帯している必要があります。

次は「眼鏡をはずして、台に置け」と言われます。
曰く、眼鏡にカメラやマイクがついていないことを確認するため、と仰せ。
そして顔写真の撮影。
私は再び眼鏡をかけるように言われて、眼鏡して撮影しました。
(が、私の前の方は、写真撮影の時に眼鏡を外せと言われていました・・なんなんだろう、この違いは・・)
受付が終わると、身元証明書類以外はすべて、ロッカーにしまうことを要求されます。
その際、「すべての荷物をカバンに入れていること」そのうえでロッカーに入れることを確認されます。
例外は、「休憩時間中に飲食するもの」。これらのみ、カバンの外で、ロッカーの中に入れておいてOKです。
ここまで済むと、試験会場に入室します。
私が望んだピアソンVUEの西新宿の会場は、まさにこの部屋でした。

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引用元:https://www.pearsonvue.co.jp/Test-takers/Pearson-Professional-Center-tour.aspx


入室前に、再度着衣のポケット内に身元証明書類以外のものが入っていないか、チェックされます。
それこそ、ポケットを裏返せ、と言われます。
なんと私その時、スーツ姿でして。
上着にもやたら多くのポケットがあるわけですが、すべてひっくり返して見せなさい、と言われ。
やりましたよ、ポケット裏返し。
すると、出てきてしまいました、ボールペン。
持ち込み不可なのでしまってきてください、と。
やむなくロッカーに戻り、格納。しかもこの時も、カバンの中にしまってください、との指摘が。。

そして再び試験会場前の受付。
再度すべてのポケットを裏返せ、と。
なんとズボンの後ろポケットにいれていたハンカチも持ち込み不可と仰せ。
実は私、鼻炎持ちです。毎日朝晩抗アレルギー薬を2種類飲んでいます。
薬を飲んでいるとはいえ、いつどんなトラブルがあるかわからないので、年中ハンカチ二枚持ちです。
そのハンカチも持ち込み不可だと仰せ。
鼻炎であることを告げて、「鼻が垂れるかもしれない」と述べると、「試験官が用意したティッシュペーパーなら持ち込んでよい」とのこと。
ティッシュボックスを示され、入室が許可されたら、必要な分だけむしって持ち込むように、とのこと。箱ごとはNGと仰せ。
やむなくハンカチをしまうために再びロッカーへ戻り、カバンの中にしまえと言われて、しまって戻ってポケット裏返して、眼鏡外して、、
ここまでが終わってティッシュむしって、いよいよ入室OKが出た時、さらに話が続く模様。

耳栓を使うか?とのこと。かたや、卓上にはノイズキャンセリングヘッドホン(非電子デバイス)があるので、もし耳栓を使わなくても、ヘッドホン使えますよ、と仰せ。
私は耳栓を使わず、ヘッドホンも使いませんでした。

入室する寸前に、【メモ帳】を渡されました。
サイズはA4サイズの長辺がA4よりも長く、短辺がA4より短い印象。表面をラミネート加工された方眼紙が数枚、束ねられているもので、ペンはホワイトボード用の細ペン。
書いたら消せない様子。
ページ数は多いので、書く場所が足りなくなることはなさそうです。
ちなみに私の受けた180問では計算問題はほとんどなく、メモ帳はほとんど使いませんでした。
写真はメモ帳のイメージ図です。見た目が似ているものを探してみました。

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(引用元: https://nichi2.com/rihit-lab-twist-memo/ )

ちなみに、試験中はマスク着用が必須で外してはならない、と言われました。

■試験を受ける前に〜端末と画面〜

試験は全てPCにて行われます。
試験本番前に、チュートリアル(画面や機能の説明)があります。最大7分です。サクサク進めればもっと早く終わります。
見るかどうかは選択できます。
私は見ました。
結論、見てよかったです。
というのも、画面上の機能を学べたため、活用しながら効率よく受験ができたからです。

便利な機能のうち、私が使ったものは、3つです。
・ハイライト(問題文や選択肢を強調表示できる)
・打ち消し線(問題文や選択肢を打ち消しできる)
・後で見直すフラグ
記憶を頼りに画面を再現してみました。
(画面には電卓とメモもありました、使っていないのでどこにあったか覚えていないです・・)
私は特に、ハイライトと打消し線を多用しました。
問題文の言葉尻や、外してはいけないポイントをハイライトしました。
例えば、
・最初に行うべきことは何か
・もっとも重要なことは何か
・その要因は何か。
などです。これら文末にある「答えるべき内容」を最初に明らかに認識してから選択肢を読むようにしました。

打消し線は、選択肢のうち、正答から除外したものにつけました。これは私にとってはかなり画期的な機能でした。間違っている箇所を見た目上、明確に打ち消しておくことで、何度も見返すことが減りました。
PMP®の選択肢は一見すると間違いとは言い切れないものも多いため、消去法が効果的です。明らかに間違っているものを打ち消していくことで、意外な正当の選択肢を導き出すことができることも多々ありました。
なお、1つの問題と選択肢は、1つの画面に収まっていました。

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というわけで、試験開始前のチュートリアル(7分)はしっかり確認しましょう。

■試験:230分で180問 休憩2回可

新ECOは230分で180問を解きます。うち5問は合否に関係のない問題です。
(旧ECOでは240分で200問)
私は、時間がギリギリでした。といいますか、ギリギリまで粘りました。全問解き終わった後も、時間の限り見直しを行い、悔いが残らないようにつとめました。2度目の受験ということもあり、後悔したくなかったためです。

60問目と120問目の解答後に、下記のような画面が出ます(これもイメージによる再現です)

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この画面のように、60問目及び120問目の解答が終わると、見直しを促されます。
ここで実感したこと。
「後で見直す」フラグを立てておいた甲斐がありました!
答えに確信が持てない設問や、正答を導き出すまで時間がかかため後回しにした設問を効率よく振り返ることができました。
「後で見直すフラグ」おすすめです。面倒くさがらずにつけておきましょう。ちなみに問題の見直しは、フラグを立てていない設問に対しても可能です。
もちろんながら、見直ししている時間もテスト時間に含まれます。見直しを終えてボタンを押すと、「見直しを終えると、見直しはできなくなります、良いですか?」との確認が出ます。
OKを押すと、休憩を取るかどうか、促されます。
取っても取らなくてもどちらでもOKです。
取る際は最長10分で、その間は画面がロックされ、一切解答ができなくなります。(画面ロックの解除は試験管しかできなくなります)そして休憩前までの設問には戻れなくなります。
休憩時間には席を離れることができます。
ただしテストセンターの外に出ることはできません。
手洗いやロッカーにおいてある飲食物を喫食することができます。私はマスクを外すことができただけでもリフレッシュ効果を得ることができました。また室内を少し歩いたり、軽くストレッチすることで血の巡りをよくできたことも効果を実感しています。
もし、10分以上休憩を取ると、自動的に時間のカウントダウンが始まるとのこと。休憩の取りすぎによる時間経過が怖すぎたので、実際は5,6分しか離席していないと思います。でもこの時間があったからこそ、気持ちを引き締めなおせました。
なお、テストセンター内の各所に監視カメラがあります。席を外して休憩とはいえ、常に見られている感じはやや違和感アリ、でした。
おさらいすると、
休憩は最大2回、一回あたり最長10分まで。
10分を経過すると自動的に時間のカウントダウンが再開。
休憩タイミングは、60問回答完了時と、120問回答完了時。
効果的に休憩時間を活用しましょう。

■出題と問題文の傾向

180問解き終えた直後の感想、特に旧ECOと比較として感じたことは、
☆アジャイルに関する質問がものすごく多い
☆People 領域の設問が多い
☆設問のストーリーでは、PMは常に困っている

ということです。
3つ目のPMが困っているストーリーについて、たとえば、
・資源が足りない
・コストが超過している
・スケジュールが遅延している
・コミュニケーションが取れていない
・コンフリクトが起きている
・スコープを変更しすぎている
・新しいステークホルダーが出現する
・ステークホルダーと権力や影響度が変化する
・品質が要求を満たしていない
・プロジェクトを道半ばで終結することになった
などが挙げられます。
そして、いわゆるPMI®イズムを問われるシチュエーション問題がとても多かったです。これらはPMBOK®を読むだけでは身につかないので、最新の評価の高い問題集を複数回解いて体得することをお勧めします。

■回答形式

オーソドックスな四択問題に加えて、
・複数選択(2つ選べ、3つ選べ、等)
・A群とB群を一対一符号せよ
・ガンバンボードが示され、該当箇所を選択せよ
・表から該当する選択肢を選び入力せよ
がありました。
比率でいうと、四択が80%くらい、複数選択が10%くらい、A群とB群の一対一符号が数問、該当箇所選択が1問、表から選択肢を選ぶ問題が1問という印象です。(ただし、人により出題内容や比率が異なるらしいのであくまで一つの事例としてご覧ください)
以下、複数選択画面のイメージと、A群とB群を一対一符号する画面のイメージを掲載します。(あくまで記憶に基づく再現です、細部は異なります)

複数選択画面のイメージ

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A群とB群を一対一符号する画面のイメージ

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230分ギリギリ使い切って見直ししている最中にタイムアップ。
そして画面が切り替わって、「おめでとうございます。あなたの努力は報われました。」的なメッセージが表示されました。一瞬拍子抜けしましたが、合格したことはわかりました。感謝です。あたりを見回すと、部屋に残っている受験者は当初の半数くらい。結構な人数が時間前に退出していたようです。

受験が終わり、緊張感から安堵感へと変わりつつある心境のなか、手を挙げて試験官を呼び、画面上処理をしてもらってから退出。
ここでもお決まりの、眼鏡チェックと身元証明書類チェック。さすがに慣れましたが、試験後にもチェックされることには驚きました。
眼鏡チェック後、ロビーへ向かい、受付に寄るように、とのこと。
受付で再度、身元証明書類の提示を求められ、A4サイズ1枚のプリントと身元証明書類を見比べられて、名前をフルネームで呼ばれ、シートを渡されて、「試験は以上です。どうぞおかえりください」と。

シートを見るとPassと記載が。改めて合格を実感。
嬉しさがこみ上げてきました。

しかしここまで、複数名いる試験官のうち、だれからも「おめでとう」等は言われませんでした。極めて事務的に淡々と仕事をなさっておられました。日々やっていて慣れているのかもしれませんね、その淡々と進む様子にはむしろ敬服しました。

■試験結果と試験の傾向

新ECOの出題領域は、予告通りProcess50%・people42%・Business Environment8%でした。そして、受験後の私の結果(Exam Breakdown)がコチラ。


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peopleの領域でAbove Targetをとれて一安心。人と組織の躍進を支援する仕事をしているので何とか面目躍如です。その一方で、Business EnvironmentがBelow Targetです・・出題率が低いことに助けられているといえそうです。

さらに細かく見ていきましょう。3つの領域にある35のTaskにおけるDomain Performanceはコチラ。右から順位High-Middle-Lowの3段階です。
ご覧の通り、全35のうち、High8つ、Middle10つ、Low17つです。それで儲かることができて感謝です。

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何が言いたくて35のDomain Performanceを載せたか、というと、「この出題傾向を抑えておくことが大切」ということが言いたいからです。
模擬試験を解いて学習していきつつも、最後は体系的に網羅的に学ぶことがポイントになると痛感しました。私自身、最後は「PMBOK®第6版」と「アジャイル実務ガイド」を多用しました。問題を解いて間違えたときは逆引きし、関係する箇所とその周辺も読むことで知識を体系的にするように心がけました。

再掲載とはなりますが、PMIによる試験内容の概要 – 2021年1月版を掲載します。p.6に「試験内容の概要」が、p.7-14に「領域、タスク、イネーブラ」が掲載されています。35のタスクは詳述があります。この欄を読んで、まだ勉強していない領域があれば、PMBOK®アジャイル実務ガイドで調べておくことをお勧めします。
というのも、旧ECOのように単純に純粋に知識を問われる質問は本当に少なく、「PMとしてどうあるべきか、どうふるまうべきか」を問われる質問が多いからです。
これらの問いに答えるためには「体系的な知識に基づいて、その時・その場の最善の選択をし、実行することを求められる」能力を養い、発揮することが欠かせません。
そのためにも、最後はPMBOKガイドアジャイル実務ガイドでおさらいをしたことが私にとって本当に役に立ちました。

いったん、現時点で振り返り、ポイントとなったことを記載しました。この後も思い出したら加筆するかもしれません。

これから先、資格を更新するために3年間で60PDU取得し続ける学びと実践の旅が始まります。せっかくなので楽しみながら学んでいこうと思っています。

最後まで読んでくださり、どうもありがとうございました。
一人でも多くのPMP受験者のお役に立つことを願いつつ。


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