見出し画像

丁寧なご飯なぞ作る暇あったら、読むか書くかしていたい。そんな言葉の国の住人の「体づくりと食」の話。

わたしが愛着と尊敬を込めて、「言葉の国の住人」と呼ぶ人々がいる。
さめじまみおは、その中の一人。わたしもその一人だ。

「言葉の国の住人」で、わたしが大変に尊敬しているのは、日本全国を測量した伊能忠敬である。
地図は、言葉のひとつ。伊能忠敬は日本の国土を記述した。
地図を作るには、大地を歩いて測量するだけでは足らない。天文の知識、それを地に生かす算術と暦学が必要になる。

天と地と、両方の力が合わさったところに、言葉はある。

「言葉の国」の住人資格は、チャンクアップ(抽象化)とチャンクダウン(具象化)が、誰に習わなくても自然にできる人。

つまりは、天と地とを、あなたは何でつないでいるのか、だ。
音楽か、言葉か、絵か、数理か、体か、料理か、農業か、大工仕事か、子育てか、etc…。
それが言葉なら、言葉の国の住人といえる。

さめじまみおは、コト語り系、わたしはモノ語り系に属する。
コト語りは「コトの奇」なるを、モノ語りは「モノの怪」なるを語る。


さて、ここまでマニアックなことを書いておけば、興味がない人は去っていくので、安心して「体づくりと食」の話を書こう!(笑)

「言葉の国の住人」は、食べるものに興味がない。
(とわたしは思っている)
もちろん描く対象としての食には、異様に執着する。

言葉の国は、肉体からかなり自由な自治国であるので、物理法則に無頓着になりがちだ。

それでも、脳も体も土台は肉体であるからして、食という面倒なものに振り回され、たいがいは敗北している。


「体づくりと食」にまつわる情報には、大きく分けて、ふた通りある。
ひとつめは、もともと体が好きで、極めたり秀でたりした人が発信するもの。アスリート系かボディメイク系のトレーナーさん、ダンサー、武術家。
食も同じく、もともと料理や食が好きで、その技術やレシピが多くの人に求められ、発信されるもの。
それぞれ、体の国の住人、食の国の住人が楽しげに語っている。

しかし、「言葉の国の住人」には、それらはほぼ通用しない。
「言われた通りにやってみて」というノリで来られると、我らはダメ人間に成り下がる。
「言葉の国の住人」は、本来の性質が透明人間なのだから。

どんな場所にも、戦場にも、自分の家庭にだって透明人間でいられるから、言葉が書ける。
健康のために体づくりしたり食に気をつけたり、そういう目的意識は、ない(きっぱり)。


「体づくりと食」にまつわる情報の、大きく分けたもう一つは「全体性の回復」のために発信されるもの。

失ったもの、壊れたもの、真逆のもの、焦がれているもの。

そういう立場からの「体づくりと食」に、わたしたちはたいそう遅れてありつく。


やっとやっと本題。しかし、大切な前置きなのだ。

未央さんから、こんなリクエストがきた。

「同じだけのカロリーで、栄養素を変える」の具体例って教えてもらえるかな??

もしこれを「ハイハイ、こうゆのよ」と書いたって、彼女には刺さらない。
ていうか、彼女の頭は知っている。その良質な言葉と音楽を集めた耳には、そういうアドバイスは馬耳東風で入らないようになっているだけだ。

・丁寧なご飯なぞ作る暇あったら、読むか書くかしていたい。

・ジャンクフードが、何らかの代償行為になっている。

こういう人のための「同じだけのカロリーで、栄養素を変える」具体例。

美味しくパクパク食べていようが、罪悪感を持って食べていようが、味に無関心に「ながら」で食べているか、どんな状態でも、食べているものの周波数に、体はある程度影響される。
心が抜けた状態で食べてればいるほど、体はその周波数を受け入れるのに苦労する。

さらに、個々の体には自分の体の恒常性を維持するパラメータ設定がある。
体がどんな環境に適応しているか、どんな感情生活に適応しているかで、ホメオスタシスの変数は変わる。
「ダイエットしよー」とか思って、食べるもの減らしたって、あっという間に戻るのはこのパラメータが変化しにくいからだ。

危険な要素はまだある。
「言葉の国の住人」は、脳がフル回転していることが多いから、甘いものを欲する。時間が惜しいから、ファストフードやジャンクフードも平気だ。

つまり、中毒になりやすい人たちだよね!(例外な人、ごめん)

エンプティカロリーなジャンクか、低タンパク質で高脂質or高糖質、そこに添加物どっちゃり。

肉体からかなり自由な自治国に住んでいるはずなのに、同時に食べ物の奴隷として振り回されている。
この矛盾に気づいて抜け出したいと思ったら、アイデンティティの更新と、習慣化による新たなホメオスタシスの再設定をすればいい。

未央さんが書いている通り、まちがっても自分自身との戦いを挑まないことだ。ほぼほぼな高確率で敗北するから。

習慣化のやり方はこう。
脳の報酬系を変えないこと
「体にいいから」という絵に描いた餅みたいな報酬ではなく、今までの「言葉の国の住人」の報酬系の回路をそのまま保つ。

これは、他の国の住人も同じだ。自分の国の報酬系を保つ。
それ以外の報酬系は、ことごとくクソ喰らえだ。

「言葉の国の住人」の報酬系とは、第一に脳への栄養
脳への栄養とは、本来は精神的な栄養、言葉そのものが栄養なはず。
脳の土台が肉体であることの葛藤が、ここに隠れている。


脳の栄養枯渇、もしくは葛藤をきっかけに、我ら住人は中毒行動へ出る。
結果、肉体面では細胞はちっとも喜んでないかもしれない。
けれど、脳の報酬系は満たされる。

中毒行動ではない、何であれば、これまでと同じように脳の報酬系は満たされるのか。

楽な方法の一つは、体を作る素材であるタンパク質を、これまでと同じカロリー分になるべく放り込んであげて食べることだ。

例えば、カップ焼きそばがお手軽な中毒行動にあったとして。
一個で523kcal、タンパク質10g、脂質22g、炭水化物69gとある。

皮なしの鶏むね肉なら、150gでタンパク質36g、脂質3g、炭水化物0g = 180kcal
葉野菜あれこれ食べても、タンパク質3g、脂質0g、炭水化物5g = 32kcal
ご飯 100g タンパク質3.5g、脂質0.3g、炭水化物36g = 168kcal
お味噌汁 タンパク質2g、脂質1g、炭水化物5g = 37kcal

鶏むね肉はバルサミコ酢のソテーとか美味い。クレイジーソルトの鶏ハムも美味い。
鶏むね&野菜たち、ご飯とお味噌汁に、トリュフチョコレート(栄養成分1g、6g、7gで83kcal)を一粒、疲れた脳に放り込んでも、全部でちょうど500kcal。
調理にオイルやお酢を使っても、+100kcalで満足できる食事になる。

カップ焼きそばに比べて、タンパク質は3倍、低脂質、炭水化物もいい感じに収まっている。

こいつを、「ほっこり系の丁寧な定食屋さん」みたいに器を使って並べようとすると、それだけで手間がかかるので、大きめのボウルを出してご飯を敷き、葉野菜をちぎってトッピングし、肉は焼いてスライスして乗っける。
インスタント味噌汁をつけると、お手軽な自家製ファストフードになる。
ご飯ではなく、ざっくりしたライ麦パンにはさんでも美味い。

脳は、同じ熱量で、お手軽ファストフードで、報酬系は何も変わっていないと判断する。
肝臓には良質なタンパク質の波動が届いているので、消化活動に疲弊することなく、いそいそと化学工場として稼働してくれるだろう。

言葉の国の住人だって、歯は磨くし、お風呂にも入る。もちろん寝る時間もとる。こうした時間は苦もない固定時間のようなもので、料理にしろ掃除にしろ、面倒なものはすべて、固定時間の習慣にしてしまうことだ。
丁寧なご飯なぞ作る暇はなくても、習慣化のワークはそう難しくはない。

やったことはただ、タンパク質を増やしただけ。それですら面倒なら、コンビニのチキンスティックでもかじればいい。コンビニを使ってもインスタントを使っても、とりあえずいい。

脳が「今までと変わんないね」と騙されている間に、習慣をすり替えてしまう。おやつを欲しがるならゆで卵を投下。この段階でオートファジー論に惹かれて、ファスティングしてはいけない。

ホメオスタシスとは元に戻す力と思いがちだが、環境変数が変わっても、いろんな分泌物を調節して、一定の範囲をキープしてくれる力でもある。さまざまな酵素もたんぱく質からできているから、ホメオスタシスは機能低下状態から機能回復に向かう。機能回復していないと、マインドセットによるパラメータ設定の移動に耐える力がない。
だからこそ最初の1ヶ月は何も変えず、こっそりたんぱく質だけ増やす。

この1ヶ月は、自己観察と自己認識の時間でもある。それ以外の「体づくりと食」は、どんないいものであれ、外部からの強制にとどまる。ホメオスタシスは、外部からの強制をずっと覚えている。いつかは覆される。

苦もなくできること、一生続けられることに、習慣を入れ込んでいくこと。
ものを書く時間も固定時間にすると、それは「仕事」という習慣になる。
仕事とご飯が同じ固定時間になると、この二つはもはや、葛藤しなくなる。

この二つでは座っている時間が長くなるので、間に「筋トレ」をサンドイッチするのだ!
ちなみに、わたしが筋トレをはじめたのは、シュガーカットからはじめたプログラム全体の半年も後。筋トレの前にセルフケアを固定時間に変えた。


固定のルーチン時間になってない、変動時間は何をするのか。
変動時間には、いつもとはちょっと違った本を読み、いつもとちょっと違った料理を楽しみ、いつもとはちょっと違った筋トレをする(笑)。

人と会ってもいい。
わたしは以前、人と会ったあとは、いつも脳が栄養枯渇して死んでいた。
食と筋トレが固定時間になって、人に会っても死ににくくなった。


これはいわゆる「痩せるためのダイエット」ではない。
やったことは、言葉の国の住人というアイデンティをさらに強化して、タンパク質を増やしただけだ。
ついでに、代謝と抗酸化を高めるマルチビタミン・マルチミネラルくらいはあった方が、回復期にはいい。

脳の土台が肉体であることの葛藤が和らぐと、わたしたち言葉の国の透明人間は、自然と体へ向かう。モビルスーツを着て遊びはじめるがごとく、自分というキャラクターで遊びはじめる。
踊るモビルスーツ。歌うモビルスーツ。泳ぐモビルスーツ。


わたしはこのプロセスを通過したら、次は言葉そのものをタンパク質に変えようと思っている。
光を食べて生きている人はすでにいる。
言葉も光だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?