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【GK分析】ジャンルイジ・ドンナルンマの現在地

 こんにちは。ReneNoricです。月1のnote更新です。前回のお題はバーンリーのニックポープでした。

 今月はところ変わってイタリア、セリエA。ACミランの若き守護神ジャンルイジ・ドンナルンマのを見ていきます。随時YouTubeのハイライト動画を差し込むのでぜひ参照しながらご覧ください。

ちなみにドンナルンマのプロフィールはこちら。

参考文献
https://www.footballista.jp/feature/36735

ゴールディフェンス

 まずはゴールディフェンス。もっともGK的な仕事について、ボールへアタックする意識の高さが随所に伺える。そのプレースタイルを支えるのが基本姿勢だ。

 かなり前かがみな姿勢でシュートに対して準備する。その前傾姿勢からセービングすることで斜め前に出られる。

 ドンナルンマは準備の時、小刻みにステップを踏む。いわゆるプレジャンプとか、テニスだとスプリットステップとも言われる動作だが、これを頻繁に行う。これによってシュートのタイミングを図っていて、タイミングがバッチリはまると力強いセービングを実現できるのだ。

 一方で、ブロッキングはあまり得意分野ではないようだ。片膝、もしくは両膝を閉じるブロックは使うが、まだ身体の大きさを十分に生かしきれていない印象なので、その点はこれからの成長の余地を残している。

 身体のサイズ、そしてそれに見合わぬフットワークの軽さがあるので、大抵のシュートに手が届く。しかしそれに依存しているのか、ポジショニングの甘さが目立つ。また、高い位置で勝負するのではなく、低い位置に立ってシュートを待つシーンも多い。状況に応じて前で勝負できるようになるともう一段レベルアップに繋がるだろう。


スペースディフェンス

 身体の大きさのわりにハイボールに滅法強い印象がないのは、未だに変わらない。特に疑問を抱くのはCKのポジショニングだ。少しニアに寄って構える傾向がある。

 ミラノダービーで失点を喫したこのシーンでも見られた。ポジショニングをファー寄りに構えるべき理由は2つあると思っていて 1. 後ろに下がるより前に出るほうが速くアクションできる。2. ポジショニングの基準を作れること。
1つ目は、言わずもがな、人間は後方より前方の方が速く走れるからだ。2つ目のポジショニングの基準とは、ファーからニアへポジショニングをとるシーンを想像してみてほしいのだが、視界に入るニアポストとの距離をポジショニングの基準として使えるのが理由だ。

 もちろん相手がニアに密集していたので、ニアに構えたのだろうが、先月見てきた4試合でも、立ち位置がバラバラであまり一貫性が見てとれなかった。細かいところだけど、この辺も今後変化していってほしい部分なので、注視していきたい。

(番外編)

上空からのハイライト映像だと、GKの身体の向きの変化が見てとれる。シュートに対して正面に立つことが重要なのだ。


オフェンスアクション

 チームのゲームモデルに合わせられるだけの最低限の能力は持っている。後方からボールを繋げるか、大きく蹴り出すかの戦術的判断力、味方へのサポートも積極的だ。

 一方で、フィード能力はそれほど高くない。サイドバックへのミドルパスは精度に難があり、相手ボールになるシーンも度々見られた。よって、基本的には2CBまたは下がってきた中盤の選手にショートパスを出すか、FWに当てるロングフィードを選択することが多い。ただ、正確性が求められるのがGKのビルドアッププレーなので、自分ができることを出来ていれば十分だろう。あとはゲームの積み重ねとトレーニング次第だ。


 以上、ドンナルンマの現在地を見てきた。今後の変化についてはこの記事を参照しながら成長を見守っていきたいと思う。

 次回は誰にしようかな〜〜〜〜〜



(おまけ)

この試合のブッフォンは圧巻だった。ハイライトで見られる分だけでもぜひ。果たしてドンナルンマはこの領域に辿り着けるかなぁ。


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