チェサピークが破産申請

ついにチェサピークが破綻しましたね。これ自体はなんの驚きもありません。昨年11月、既に主力のマーセラス鉱区の生産量が落ち始めており、コロナ禍がなくても原油価格が上昇しなければ2020年は持たないと言われていました。

Chesapeake Energy raises doubt over its ability to survive 6 Nov 2019
https://on.ft.com/2Bm9O4b

コロナ禍による原油需要減で、原油価格がマイナスになるなどした結果、チェサピークの破綻は来月か来週か明日かと賭けが行われていたくらいです。

チェサピーク社は1989年設立。わずか6年でエクソンモービルに次ぐ米国第二の天然ガス生産者となり、シェールガス革命の代名詞的な存在でした。

創業者はオーブリー・G・マクレンダン。コンチネンタルのハロルド・ハム、ミッチェルエナジーのジョージ・ミッチェルに並ぶ「シェール革命の父」の一人です。

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オーブリー・G・マクレンダン(NYTより)

マクレンダンは「ランドマン」として大手が歯牙にもかけないシェール層の開発権を地権者を回って取りまとめ、持ち前のセールストークで資金調達を行い、創業以来うなぎのぼりだった原油価格を背景に事業を急拡大させて来ました。

しかし、2008年の原油価格下落によって拡大路線に狂いが出てきます。CEOの座を追われた後は、談合の疑いで訴えられた翌日、橋桁に自分が運転するChevrolet Tahoeで突っ込み亡くなります。シートベルトはつけておらず(普段からよくつけてなかったらしい)オーバースピード(126km/h)で、証拠はないものの自殺の可能性もあると考えられています。

マクレンダンは、それ以外にもエネルギー関連の財団を作りMITのエネルギー研究プログラムを支援したり(その支援を受けたアーネスト・モニツ教授はオバマ政権でエネルギー長官を務め、シェール革命を推進した)、COPなど環境問題の議論において天然ガスのメリットを訴えるロビー活動を支援していました。しかし、今や天然ガスすらも悪者扱いされつつあります、、

4月1日のホワイティングの破綻に次ぐチェサピークの破綻は非常に象徴的ですが、今後これに続く企業が多数出てくる可能性が高そうですね。

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