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オッペンハイマーはエンタメ映画

オッペンハイマーについてちょっとだけ残しておく。
なんだか一般的には科学の功罪とか、戦争犯罪とか、イデオロギーとか。
アカデミー作品賞効果も相まって真面目で難しい映画みたいなイメージが強いようだ。
 
でもこれは数々のエンタメ映画を制作したノーラン監督の映画。
メメント、ダークナイト、インセプション、インターステラー、テネット。
ダークナイトに至っては元がアメコミだし。
 
もちろん真面目なテーマを汲み上げて真面目に観るのもいいけれど、その前にエンタメとして楽しんでもいいんじゃない思った。
一番のエンタメ要素は人間の面白さ。
いくら優秀な科学者でも、自分の人生はままならない。
 
想像力の欠如もある。その結果を予測できても、動き出したものを誰も止められない。
それはゾッとすることでもあるけれど、怖がることもエンタメの楽しみ方のひとつだ。
オッペンハイマーという一人の人間を中心に描かれる、起こってしまった歴史的事実。
 
基本的にはおっちゃんたちの顔が順番にアップになって喋る、おっちゃん会議映画だ。
日本映画におけるシン・ゴジラに似ている。
おっちゃんの顔を楽しめばいいんじゃないか。
 
IMAXや映画館じゃなくっても内容は十二分に伝わる映画なのではないかと思った。
この映画の人間と人間の置かれた状況はとても面白い。
もちろん、ここに描かれた歴史的事実を忘れることはできない。
 
しかし、歴史的事実が描かれた映画だとというのは単なる「情報」に過ぎない。
映画を「情報」だけで判断するのはもったいない。
映画は体験だ。体験は映画そのものを観ないとできないこと。
 
歴史的事実について考えるも考えないも、エンタメとして楽しんだ後でいいんじゃないか。
難しい映画として敬遠するよりも、どんな動機でも観た方がいい。
いや、面白い体験ができる映画でした。

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