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正直、IMAXじゃなきゃ!っていう映画ってそんなにある?:IMAXハラスメント

IMAXハラスメント。今名付けた。
なんでもかんでもハラスメントって名付ける文化はあんまり好きじゃないんだけれど、まあエンタメの話で、実害少ないから。
と、言い訳をしながらも、あんまりいい傾向じゃないなぁと思っている話をする。
 
IMAXハラスメントとは、大作映画を見た人が「この映画はIMAXで見なきゃ意味がない!」と他人に押し付けること。
まぁ、直接押し付けられた人は少ないでしょうけれども。
だから気楽に聞いてくださいとも思うし、でもいろんな分野で同じこと起きているなぁって。
 
特に2024年の3月4月にこれをよく聞いたのが映画『オッペンハイマー』周り。
「オッペンハイマーはIMAXで見なきゃ意味ないよ!!」って。
クリストファー・ノーラン監督はIMAXにこだわりがあって、オッペンハイマーもほぼ全編IMAXカメラで撮影されている。
 
IMAXで見るべしという主張を完全に否定するつもりはない。
「私はIMAXで観てとても良かったよ」なら「そうなんですね」と素直に受け取る。
でもそれを通り越して「IMAXで観なきゃ損してるよ!」となると「ちょっと待て」と思う。
 
そしてその表現をやたらと聞いたのでこの現象と理由を含めて書きたくなった。
理由はIMAXの鑑賞料金は通常上映よりも高いからだ。
人は自分の体験を最上のものと思いこみたい。特にそれがお金をかけた体験なら。
 
すごく単純なことで、この現象は映画だけじゃなくってあらゆる分野で起きる。
IMAXハラスメントをする人に一つ言いたいのは、IMAX上映が見られる映画館はそれほどないってこと。
気軽にIMAXを見られる環境にある日本人は限られている。
 
しかも、ノーラン映画のスペックをフルで体験できる「完全な」IMAX劇場は日本には2館しかない。
IMAXを近くで体験できない多くの人にとって、「IMAXじゃなきゃ」を言いすぎるのは映画を広める上でも良くないんじゃないか。
近くで通常上映しているけど、IMAXじゃないと意味がないって言われたから観に行かなかったって人も実際にいらっしゃる。
 
最後に、正直な『オッペンハイマー』の感想。
「IMAXで見る価値そんなにあった?」
人間ドラマが主体だから、見るフォーマットはなんでもいいと僕は思いました。おしまい。

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