老害の押し付けかたが不適切 〜JK娘とアラフィフパパ③〜
「家族4人で同じドラマ見てんの久しぶりやな」
「せやな」
「パパは昭和61年に小六やってん」
「ちょうどやな」
「あの時代めっちゃ覚えてるわ。花は昭和の時代見てどう思うん?」
「どう思うて、おもろいってだけ」
「めちゃくちゃやと思わん?」
「べつに」
「そうなんか。でもな、あのドラマの昭和に怒ってる人いるねん」
「なんで?」
「昭和を美化しすぎっていう人と、あそこまでめちゃくちゃちゃうっていう人がおるねん」
「逆やな」
「そう。逆やけど同じこと言うてんねん。どっちもほんまと違うからアカンって」
「そんなんいうたら令和もほんまと違うで」
「どこがよ?」
「テレビで謝りすぎやし。あんな謝ってるテレビ見たことないし」
「そうか、昭和も令和も誇張されてるな」
「だってドラマやろ。ほんまと違ってあたりまえやん」
「でもな、昭和を生きてた大人からしたら、若い人にいい方でも悪い方でも昭和を誤解して欲しないなぁって」
「関係ないし。前すぎるし」
「そういえば花はバック・トゥ・ザ・フューチャー見たことある?」
「知ってるけど見てない」
「何を知ってる?」
「グイーンて上に開くドアの車」
「デロリアンか」
「名前は知らんけど」
「3話はな、バック・トゥ・ザ・フューチャー見とかなあかんかったわ」
「なんで?」
「バック・トゥ・ザ・フューチャーのネタいっぱいあるから見とかんとほんまの面白さわからへん」
「パパ、それは不適切やな」
「何がよ」
「老害の押し付け」
「おすすめするくらいええやん」
「おすすめはええよ。でも見とかなアカン、見とかんと面白さわからんとかは」
「ああ、言い過ぎか」
「せやで。私他に見るもんいっぱいあるし、昔の映画わざわざ見いひんわ」
「でもな、知ってることは教えたいやん」
「バックとか知らんでも3話おもろかったもん」
「そうか」
「いま話してるんもドラマがおもろかったからやし」
「そやな。ドラマの親子の話し合いも遠慮なくておもろかったな」
「まあそうかも」
「わかった!『不適切にもほどがある』のテーマはズバリ、世代間コミュニケーションやな」
「パパはまたそうやって決めつける」
「へ?」
「テーマは他にもいっぱい混じってるで。だからおもろいんやん。このドラマ」
スキ「♡」をありがとうございます! 「サポート」はささやかな幸せに使わせてもらいます♪