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拗らせているのは監督か観客か 〜シン・エヴァに興味のない人のための記事〜

エヴァンゲリオンシリーズの最終作、劇場版『シン・エヴァンゲリオン』が大ヒットしている。
正直、あんまりエヴァにはハマっていない47歳なんだけど、劇場に行ってしまった。
だって最後だし。見た人に「ちゃんと終わった?」って聞いたら「ちゃんと終わった」って言ってたし。

と、ここまで書いたってエヴァンゲリオンを知らない人にはポッカーンだろう。
なんで自分の年齢を書くの?
なんで「終わった?」って聞くんだ。最終作なんだから終わったに決まってるじゃないか。

とかとか。
年齢についてはエヴァは僕の年齢から下に10年くらいが最初期からハマった人のボリュームゾーン。
その立場を明確にするために書いた。

なんで「終わった?」って聞いたかと言うと、25年前のテレビシリーズの最後はちゃんと終わらなかった。
そのあとの映画で終わるはずが、映画2本を費やしてもちゃんと終わってなかったからだ。
これに異論があることは承知している。終わったかどうがについて異論があること自体がエヴァの異様さだ。

結論を言えば今回の映画では「ちゃんと終わった」と僕も感じた。
ずっと厨二病を拗らせていた14歳の主人公は、救われた。
自分を救ったはもちろんのこと、それどころか仲間も、敵となった父親も含めて全員を救って大人になった。

その大人へのなりっぷりがすごいのだ。
14歳の延長線上、これまでの25年間の作品中の延長線上で大人になったんじゃない。
完全に脱皮して別人格になるほどに成長した。

この映画についてはたくさんのいい年の大人が語っている。
もれなく全員が厨二病を拗らせている人だ。僕ももちろん例外じゃない。
25年間同じアニメを見続けているというだけでその証明は十分だろう。

圧倒的マジョリティが「監督が厨二病を拗らせている」と語る。
いや、違うよ。監督以上に拗らせているのは語っているファン一人一人だ。
繰り返すけれど25年間同じアニメを文句を言いながら見続けているんだもの。

この映画で監督はファンより一足先に拗らせから脱出したと感じた。
でも作品中の主人公ほどは、脱皮して別人格になる程は脱皮していない。
そのズレを確認するだけにでも劇場に行く価値がある映画だ。

え?見てないからわからない。昔見たけどよく覚えてない。って?大丈夫です。
ずっと見てた人も全員よくわかってませんから。理解せずに語ってますから。(自分含む)
快感原則に乗ったSFアクションと庵野アングルを堪能しに行きましょう。それだけでも凄い映画です。

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