『今日の仕事は、楽しみですか。』が気にならない人はディストピア映画の住人かもしれない
さーせん。タイトルは釣りです。
ネガティブが反応が多かったので1日で取り下げられた広告。
Yahooニュースでの「ディストピア映画みたい」という反応が僕にはいちばんしっくりときた。
ニュースに取り上げられた写真が、まさに全体主義的ディストピアに僕にも見えた。
あの風景を見ても「何も感じなかった人」や「はい、今日の仕事も楽しみです」って人はあの広告の対象ではない。
あの広告の対象は「今日も仕事がしんどいです」って人だ。
「仕事がしんどいって!?それはいけない!それならば…」
「…」のところが企業の製品なのかサービスなのかか、それとも広告主のポジティブな生き方なのか。
いずれにせよ「仕事は楽しまないと」という上からの押し付けように感じることがしんどいのだと思う。
僕自身は品川のあの風景を生で見たわけではないけれど、自分がよく通る大阪梅田のサイネージが、もしもあの問いかけで埋め尽くされていたら…嫌な気分がするだろう。
仕事が楽しいも楽しくないも自分の心の中のこと。
仕事を楽しむも楽しまないも自分個人の自由だ。
そこにズカズカと土足で踏み込まれたような気がする。
メッセージは問いかけの形をとっている。
だから土足で踏み込まれたような気がするのは、受けての問題と言えなくもない。
だけれどもそう感じる人が一定数(広告を取り下げなければいけないくらい)いるのが日本の現実だ。
ディストピア映画のたとえで、僕が真っ先に連想したのはジョージルーカスがスターウォーズの前、1973年に製作した『THX1138』の一場面だった。
完全に人間が管理された未来社会。主人公は毎朝自分のロッカーを開ける。ロッカーの中にはモニターがあって問いかけてくる。
「今日はどうした?」”what`s wrong?”
主人公が今日の課題や気持ちを言うと、モニターが答える。
「それならこの薬を飲みなさい」「〇〇の動画(ホログラム)を見なさい」
これが毎日続くのだ。
ほとんどの人間が”what`s wrong?”に唯々諾々と従う中、反発の気持ちが湧き出した主人公はある行動を起こす…という映画。
モニターの向こうの相手をよく知らないこと。一方的な問いかけであること。
この2点が今回の広告ととても似ていると思った。
もちろん、今回の広告ではモニターの向こうの人や企業はだれなのか調べればわかる。
わかるのだけれど多くの「今日も仕事がしんどい」人はそれに関心は持てないのではないか。
誰だかわからないけれども、なんか上からものを言われている不快感だけがある。
僕自身もニュースのリンクを辿ってちょっとだけ広告主を見た。
けれど、その広告主と彼のメッセージに全く関心がもてなかった。
現代の日本がディストピアSFの世界だとは言わないけれど、共通点は皆無ではない。
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