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艶と白髪の関係

季節もなんだか夏めいてきて、暑さと湿度の高まりが日本の夏の風物詩のように感じる今日この頃です。


さて、タイトルにもありますが、艶ってそもそもなんなのでしょうか?日常においては肌艶とか、髪のツヤとか、つややかな〇〇など、様々な場面で用いられます。


一つ言えることは、艶という言葉がとてもプラスな言葉であり、その先にあるのはキレイや美しいが存在していると思います。


そんな艶の話しをする前に、年齢と髪の関係について少し掘り下げていきたいと思います。


ヘアサイクルについて

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以前にも書きましたが、人は年齢を重ねると、白髪が出てきたり、同時に髪にハリやコシがなくなってきます。


それはなぜか?


それは髪にはヘアサイクルと呼ばれる、髪が抜けて再び生えてくるまでの周期があります。髪が成長して伸びる期間、毛根が退化する期間、髪が抜ける期間とまぁざっくりと掻い摘んでお伝えします。


早い話が、生えて成長し、成長しきって活動を弱め、毛が抜けて生え変わるというサイクルです。


個人や男女によってこのサイクルが違い、20代後半から30代にかけて、サイクルの期間に変化が起こり始めます。年齢を重ねると、髪が成長する期間が徐々に短くなっていきます。短くなるにつれて新しく生えてくる髪は次第に痩せ、白髪も増えていきます。


個人差が大きいですが、緩やかな人もいれば、ある一定の時期を境に急速に進む方もいます。


薄毛のメカニズムもこれに似たような現象があり、さらに付け加えるなら加齢による男性ホルモンの増加です。男性ホルモンには、皮脂の分泌増加や、毛髪の発育阻害をしてしまう働きがあります。男性では前頭部から頭頂部にかけて、女性では頭頂部にその影響が出てくると言われています。



艶がなくなる原因とは?

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髪の主な成分はタンパク質です。そして髪の構造は3層構造から成り、よく例え話にもあがりますが海苔巻き状になっています。海苔の部分がキューティクルと呼ばれ、ご飯の部分がコルテックス、具の部分がメデュラ。


年齢を重ねると、ご飯の部分(コルテックス)に含まれる脂質が減少していきます。このことが大きな原因ですが、それに加えて海苔の部分(キューティクル)が紫外線など外的要因でダメージを受け、キューティクルが持つバリア機能が低下して内部にまでダメージが進行してしまい、結果艶がなくなってしまう現象が起こります。


髪自体に自己再生能力がないため、キューティクルが傷つき、内部にダメージが行く。そしてコルテックスの脂質が減少し艶がなくなっていくという悪循環に陥ってしまいます。そしてハリコシがなくなり、髪がパサついたり、生えてくる毛がうねってきたりします。


また年齢だけでなく、髪のダメージ(ケミカル施術やアイロンなどの熱ダメージなど)によっても艶は失われます。


余談ですが、年齢を重ねると肌は重力に逆らえなくなりたるみやシワが増えます。これは頭皮にも同じことが起こり、血流が衰え、重力に逆らえなくなり、結果頭皮の毛穴が下がり、髪のボリュームが出にくくなります。若いころはあんなにふっくらしてたはずなのに・・


もちろん加齢だけが全ての原因ではありませんが、歳を重ねると様々な悩みが現れてきます。



艶と白髪と光

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そもそも艶とは、光の反射です。鉄や鏡などはその表面がキレイに研磨され、ミクロの世界で凹凸がわかるか分からないレベルまで磨かれているからこそ、光の反射により艶やかなものに見えます。


髪で言うならば天使の輪です。これは表面反射光によるもので、黒髪の場合キューティクルが均一かつ整った状態に見られ、髪がキレイな状態であることが見た目からわかります。


そしてカラーした髪でも艶やかにみえるのは、この表面反射光と背面反射光によるものです。


表面反射光で髪の表面に入った光は髪の中を通り、メラニン色素やカラー色素を反映させます。そして反射して自身の目にカラーの色味と共に艶が映って見えます。


よく巷で言われる透明感カラーとか、透き通るカラーという表現は光の透過による背面反射光によって映し出された、カラー色素によるものです。


なので艶とは光の反射であり、キューティクルが剥がれていたり、コルテックスが空洞化していたら、光が散乱してしまい艶には見えません。


では本題です。


白髪と地毛が混じり合っている状態だと艶やかに見えにくいことが多いです。これは色の対比が極端であることや、白髪と地毛の性質が違うこと、そして、色が持つ透過性が全く違うからです。


黒と白。

黒髪は親水性、白髪は親油性。

光は白を通過し、黒を反射させる。


故に艶に見え辛く、おまけに白髪が出ているという二重苦になってしまいがちです。


艶を出すには

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まずは毎日のお手入れを見直すといいかと思います。

毎日のブラッシング

シャンプーやトリートメントの見直し(今の髪質によりフィットしたものを選ぶ)

ヘアケアオイルなどのアフターケア

ヘアアイロンの使用

艶の出るスタイリング剤を使う

定期的なヘッドスパや頭皮マッサージ

今話題の髪質改善トリートメントをする(これはまた後日詳しく書きたいと思います)


また、ヘアカラーをすると艶が出て見えます。前回のnote に書いたのでそちらも合わせてご覧ください。


前回の話にもなりますが、単色でカラーをするよりも、2色3色と多色を使いかつ、多色での明るさの差をつけることによって髪の中でいろんな色が混ざり合い、それぞれに光の反射が現れてより艶やかに見えます。絵を描くときに艶感や影を表現する方法に似てます。(また違う記事で詳しく触れたいと思います)


このように髪に艶があるということはキレイや若さ、ひいては自身のモチベーションにもつながり、その方法は様々です。


一人一人のライフスタイルを考えながらより良い表現を共に見つけ、"白髪を楽しむ"感覚な世の中になれるよう一美容師として邁進していきたいと思います。ぜひ一度ご相談下さい。








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