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3度目が起きないように!

2008年の世界金融危機(リーマンショック)の後、大きな銀行の救済に今後2度と国民の税金を使わないで済むように、2015年にG20は、金融規制を強化しました(バーゼルIII条約)。しかし前回の危機から15年後の今年はじめ、アメリカのシリコンバレー銀行の経営破綻の対応と、倒産危機に陥ったスイスのクレディ・スイスの救済に、再び公的な支援がされています。2015年の規制は十分ではなかった、ということです。

前回の金融危機の後に『公共善エコノミー Economy for the Common Good』を立ち上げたChristian Felber(クリスティアン・フェルバー)が、地元ウィーン新聞にゲスト投稿し、掲載されました。彼は、3度目が起きないように、次の3つの「手綱」の引き締めを提案しています。

⑴ 銀行の規模に制限を設ける。例えば総資産が1000億ユーロを最初の敷居とする。倒産してもシステム上、大きな影響がない規模に抑える。総資産5350億ユーロのクレディ・スイスとその倍の総資産を持つUBSの合併は、これとは全く逆方向。

⑵ 自己資本比率を総資産の大きさに合わせて累進的に上げる。現在のバーゼルIII条約では、システム上重要な世界30の大銀行のコア資本比率の最低ラインは4%から6.5%。クレディ・スイスもUBSも4%程度のコア資本比率しかない。Anat Admati氏やMartin Hellwig氏といった著名な金融専門家は、大銀行に20〜30%の自己資本比率を提案している(以前はこれが普通だった)。

⑶ 銀行が経営破綻危機に陥った場合、その銀行の民間オーナー(株主)に追出資の義務を課す。


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