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住処

「レイニー」が来なくなってからもう6日になります
その大きな理由は
彼女が住処にしていた空き家が
10日ほど前から取り壊され始めたからだと思います
そこには80代の男性がひとりで住んでいましたが
1年ほど前に亡くなったのです

重機がはいり、バリ・ガチャと大きな音が響きます
そのあと、何台かのトラックが行き来し
昨日にはもう更地になっていました
彼女は新しい住処を求めてどこかに行ったのでしょう

そしてもう1つは
わたしのせいかもしれません
あの子猫騒動の時
そろそろお別れしなくてはと思ってしまったからです
猫は意外と敏感で繊細な動物です
感じ取ったのかもしれません
我が家を住処には選んでくれなかったようです

「レイニー」がウッドデッキに姿を見せなくなってから
また、依然飼っていた「さくら」のことを頻繁に思い出すようになりました
ご飯を食べて、眠ったあとは
いつも、窓の近くで 外の世界ばかり見ていました
猫は視力があまりよくないのですが
動くものには驚くほど素早く反応します
家の中から
花から花へと飛ぶ蝶やミツバチにとびかかろうと身構えていました

いなくなった次の日には、
保健所にも 市役所にも 警察の落し物係にも届け出をし
わたしと夫は近所を探し回りました
避妊手術を受けた猫は そんなに遠くへは行かないと聞いていたからです
でも見つかりませんでした

今頃きっと
去年の夏出来なかったことを
全部しているのだろうと
わたしは信じています

そして、もし
遊びに飽きるほど歳をとってからでいいから
どんな姿になっていてもいいから
戻っておいで
ここがあなたの住処です


今日の見出し写真は窓から外をみているうちのさくらです

#日記 #エッセイ #猫 #住処

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