【当時の自分に教えたい】コンサルなのに「決算書」が読めなかった理由と対策について
理由:専門用語を単純な単語としてしか覚えていなかったため
入社前後で購入した本でいうと以下のようになります。
おそらく、「決算書が読めるようになりたい。」と思った人が購入するような本を私も同じように購入して勉強していました。
1つひとつの本は自分なりに読むことはできましたし、筆者が伝えようとしたことも何となくわかったような気で勉強していました。
それに「決算書項目」の用語説明や「経営分析」がわかる解説本は何冊も買って、何度も読んだので用語自体はしっかり覚えていました。
それでも実際にクライアントの決算書を見ると、何もわからないのです。
今、思い返してみると最も理解が足りなかったのは「決算書の各項目ごとの数字の関連性」についてです。
下記を例に説明してみます。
たとえば、八百屋を営んでいる会社の決算書の場合は、野菜が売れたら「売上高」項目に売れた分の金額が記入されます。
またお客様からは現金をもらうので、「現金」項目に受け取った金額が記入されます。
ここまでは、ほとんど勉強したことがない人でも理解できると思います。
ここで八百屋がやっている事業を1つ追加します。
野菜を取り扱っていることを生かして、野菜中心の「ヘルシー弁当」を会社内で製造・販売する事業を始めたとします。
また顧客は個人だけでなく、周辺に位置する企業の弁当契約も受注しているとします。
事前にニーズ調査や告知をしていたおかげで開始した最初の月から弁当受注は好調で、120万円/月の売上高が発生しました。
そのうち半分は企業による受注で、集計を当月末にして代金は翌月払いになっていました。
この場合はどのような項目にどんな数字が記入されるのでしょうか。
まずは個人と企業で売上高を分けてみます。
半分は個人売上なので、「売上高」項目は60万円です。
支払は現金なので、同じタイミングで「現金」項目に60万円が記入されます。
つぎに企業売上は同じく半分なので、「売上高」項目は60万円です。
しかしながら支払タイミングは翌月払いなので、当月時点までは現金をもらうことはできません。
経理担当者は毎月単位で処理を行うので、現金がもらえていないことが経理上わかるようにしなければなりません。
そこで別の項目を使用します、「売掛金」項目です。
映画やマンガの中で、登場人物が行きつけの飲食店などで食事後に店員さんに向かって「つけといて!」といってお金を払わずに退店するシーンを見たことがあるのですが、それは「掛け取引」と言われるものです。
「掛け取引」とは「取引金額を決められた期日までまとめて支払う取り決めをした取引」のことです。
つまりここでは「売掛金」項目をつかって、「掛け取引でまだ代金がもらえていません」ということを示す必要があります。
そのため企業分の「売上高 60万円」に対して、「売掛金」項目を60万円を記入することによって、弁当は顧客へ提供できましたが、代金は未回収ということがわかります。
こうやって企業の中で起こった活動の結果を使う項目や数字が変わっていく過程が自分なりにイメージできていればよかったのですが、専門用語を単なる単語として記憶していたので理解できなかったのも当然です。
数字をまとめると下記のようになります。
決算書の項目(勘定科目)と数字のつながりが自分で解釈できる方であれば、参考書の説明などで、「なるほど」と思って学習を進めることができると思います。
しかし自分の場合は何となく理解できているという前提で学習を進めてしまったため、途中段階で必ず「まったくわからない」という場面に遭遇しました。
当たり前のことですが、決算書は「企業活動の結果」を「決算書の項目」と「数字」で示しているということを強烈に意識する必要があり、項目同士の関わりにも気を配ることができれば学習は進んでいくはずです。
対策: 「商業簿記3級/2級」のわかりやすいテキストで勉強して、決算書項目(勘定科目)をイメージできるようになること
易しい本だと「イラスト入り」で説明してくれているので、イメージが湧きやすいです。ポイントはできるだけ簡単な説明しかされていない本を選ぶことです。
イメージができたあとに「経営分析」を勉強すると理解がしやすいですが、項目と分析の関連性をうまく説明できているテキストはあまり見ないので、現在自分なりにまとめている最中です。
もしこんな内容も書いてほしいなどの要望があれば、コメント欄に記入頂けると嬉しいです。
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