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押さば押せ、引かば引け

 「押さば押せ、引かば引け」という言葉が好きだ。

柔道家・嘉納治五郎氏の「押さば引け、引かば押せ」をアレンジした言葉だが、僕自身今のバイオリズムだと「押押、引引」の方がしっくりくるし、どちらかというと相手が絡んだ相対的な意味ではなく、主観的に「押すと決めたら限りなく押せ、引くと決めたらとことん引け」といった意味で捉えている。

ある種の "決意" として現れる極限的な表現。決して単純な「猪突猛進」ではない。

そこに至るまでに様々な葛藤や逡巡を経て、あえてシンプルな表現に踏み切っているような作品に魅力を覚える。表現がシンプルであればあるほど、そして鋭角であればあるほど、むしろ、そこに至るまでの過程や行間を多く想像させてくれる。

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 僕にとってこの言葉は、作品などの表現だけではなく、生きる姿勢としても参考になる。

見る人からすると「情がない」と揶揄される場合があるが、それは情がないのではなく、むしろ最大限の愛情なのだ。中途半端な優しさや怒りは、かえってお互いの関係性においてノイズになるし、結果的に凡庸な着地点に落ち着き、コンセプトが見えにくくなる。

人間はすぐに予防線を張ったり取り繕いをしたがる。そうならないための勇気の源泉となる、おまじないのような言葉だ。

生活をはじめとした様々な局面で「押さば押せ、引かば引け」を頭に据えながら生きることが理想である。

今日はこんなところで。

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