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並び替え

 言葉は、並び替えをするだけでニュアンスが大きく変わってくる。

「繊細かつ大胆に」と「大胆かつ繊細に」だけでも、含まれる意味が微妙に違う。「今日は◎◎だったけどこれが××だった」で締めるのか「今日は××だったけどこれが◎◎だった」で締めるかで、良い日だったのか悪い日だったのかレベルで意味合いが変わってくる。この並び替えを普段どのように無意識的に口にしているかで、その人のポジティブ具合、ネガティブ具合もなんとなく推し量れたりする。

 他にも、誰かに対して物を伝える時、「良いニュースと悪いニュース、どっちから聴きたい?」といった言い回しも散見する。特にドラマや漫画などで。これを実際に訊かれた時、自分ならどう答えるだろう?…とリアルに考えた時、意外に迷うことに気づいた。

一般的に考えると、悪いニュース→良いニュースの順番で聴きたいものだが、最初に提示される悪いニュースが思いの外ダメージのでかいものだった時、果たして次に用意された良いニュースがそのリカバリに値するのか?などと考えると悩ましい。その逆も然りで、良いニュースで浮かれたあとに悪いニュースでだだ凹みする…と考えると、どっちが果たして最適なのか、一長一短を捉えにくくなってしまう。

どちらにせよ、単に「悪いニュース」をできることなら聴きたくない、といったところが本音だったりするのだが、避けて通れない苦手なものをどうしても通らなければならない場合にどちらを採るか、これに関しては理念や信念とは別に、都度のバイオリズムで決めてしまいそうな気がする。

なんとなく、楽しみを後に取っておく or 好きなものから一番最初に食べる…といったタイプの天秤とはまた違うベクトルのジャッジが試されるな、と個人的に思う。

 順番、並び替え、普段口にする言葉。一見何気なさそうで、大げさに言うと人生にこれほど影響するものってないな、…と、日々小さな選択を強いられる今だからこそより感じる。

今日はこんなところで。

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