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小林亜星氏

小林亜星氏が逝去のニュース。また一人の巨匠が旅立った。

僕の若年の記憶では、作曲家の印象よりもテレビに良く出ている有名人というイメージが強かったけど、年齢を重ね彼の作曲家としての経歴をなぞっていくにつれ、逆輸入のような形で凄さを知ることになる。


 CMソング始め、いわずもがなの代表作多い彼は、アニメソングもたくさん作っていた。『科学忍者隊ガッチャマン』『魔法使いサリー』『あさりちゃん』など代表作多い彼の作品の中でも、僕は『Bugってハニー』が大好きだった。

ゲーム「高橋名人の冒険島」を下敷きに制作されたテレビアニメ。その OP / ED ともに氏が曲を提供していたのだが、ある種アニメソングに相応しくない、非常に叙情的かつメロウな印象を子供心に覚え、それがかえって純歌謡曲を聴いているような心地よさへと僕を誘ってくれた。

major 7th を多用した浮遊感あるコード進行や全体的にソフトなオケ、そして高橋名人の意外にも伸びやかな声、ウィスパーボイスのコーラス、進行とは裏腹に冒険心を揺さぶる歌詞など、良い意味で裏切られるインパクトがそこかしこにあり、物語本編よりも、もはや『Bugってハニー(OP)』『愛はメリーゴーランド(ED)』などの記憶の方が今も大きく心の中にずっと残っている。

もちろん、彼の膨大なワークスの中で好きな曲は他にもたくさんあるが、あえて僕は今、『Bugってハニー』を挙げたい。

 不思議なもので、年齢を重ねれば重ねるほど、この曲は心に染みるというか、子供の頃何てことない印象で聴いていた歌詞などが、大人になった今改めて刺さり、忘れていた気持ちを奮い起こさせてくれる。

過去に高橋名人ご本人に、僕がアレンジしたVer.を歌ってもらったのも、とても良い思い出だ。

ご冥福をお祈りします。


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