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「やっと会えたね」ある10月の午後、書籍見本市にて


 さて、勿体ぶったのはタイトルだけ、余韻も0.5秒で消えたでしょうか、今回はフィンランドからお届けします。
 
 毎年、各国でブックフェア(書籍見本市)が開催され、フィンランドで最大規模を誇るのはその名もヘルシンキ・ブックフェア(Helsingin Kirjamessut)、実は初回は2001年ですので、500年以上の歴史を誇る世界最大規模のフランクフルト等とは比べるべくもありませんが、フィンランドの書籍や文学に関心を持つ人にとっては大切なイベントです。
 


公式サイト Helsingin Kirjamessut

  ちなみに、北欧で最大規模の書籍見本市は毎年9月後半に開催されるヨーテボリ・ブックフェアとなります。フランクフルトのフェアの前にスウェーデンに寄る版元やエージェントさん達の話もちらほら聞きますし、私達、北欧語書籍翻訳者の会の会員も毎年誰かがそこに参戦しています。

 ただですね、今年、ヘルシンキ・ブックフェアが4日間の来場者88,000人超だとのことで、北欧で最多来場者数を更新したそうですよ! その数に私や友人も貢献できたようでうれしいです。
※因みに2023年ヨーテボリ・ブックフェア来場者数は85,936名だそう。
※※ヘルシンキの場合は同時に横のスペースでFood & Wine見本市も開かれているので、来場者がどちらをメインに来ているか、単純計算という訳にはいかないかもしれませんが。

Here I come, bookfair! という気持ちで乗り込みました。(何様?)

 
 ここまでさぞ自分にとって大切なイベントであるかのように書いて来ましたが、私が住んでいるのはヘルシンキから3時間半ちょっとかかる西の外れにあるポリの町。そして毎年ブックフェアの週に私の住む町は秋休みが重なります。(フィンランドでは地域によって時期がずれるのですが数日~一週間、学校も休みになる秋の休暇がある為)そういう訳で、子ども達が生まれてからも、私は一度も実際に参加できたためしがなく、家族旅行だったり、出張、誰かの体調不良があったり、という具合でした。
 
 そしてコロナ禍になり、各種イベントは軒並み開催見送りか、オンラインへ移行。2020年のブックフェアは、オンラインで視聴できたのは有難かったですね。それ以降も一部話題の作家の登壇を中心にハイブリッド開催を継続してくれ、遠方在住者には有難い計らいです。
 
 さて、ここまでが前置き(相変わらず長い、ええ、分かってます)。今年はですよ、つまり物理的に! 自分の体を運んで! ブックフェアに日帰りで参戦して参りました! いやっほぅ! どれだけ嬉しかったか、きっと皆さんにはご想像頂けますまい。移動を含め終日かかるから、現在訳している小説の見直しは往復の電車内でしっかりやろうと原書(1.1kg)をリュックにいそいそと入れ、PCの充電器も入れ、スマホのバッテリも入れ、本を買うかもしれないから財布は当然、あと布バッグも…や、もうバッチリじゃない?そして興奮しすぎて肝心のノートPCを入れ忘れたことに気付いたのは往路の電車が出発した後でした。
 
 校正に注ぎ込もうと思っていた7時間よ、さようなら… 「物憂さと情けなさが付きまとってはなれないこの見たくない感情に、悲しみという重々しいりっぱな名前を付けようか、私は迷う」サガンの『悲しみよ こんにちは』をベタにもじるほどやるせなかったです。
 
 気分を切り替え、サインを貰おうと持参していた読みかけの本があったので、そちらを読み耽り、(自分への)失望をなだめ、(これも当然自分の)はやる心を抑え、着きましたよ、ヘルシンキはPasila駅。間にタンペレからヘルシンキ行きの乗り換え電車がオウルの付近で故障のため1時間半遅延しましたけどね。こちとらそれくらいとっくに織り込み済みですよ、へへん。
 
 見本市センターに直結しているのでこの駅で下車。
私が行ったのは4日間(木曜日~日曜日)のうち、だんだん盛り上がって来る金曜日。国語の授業の一環として小・中・高校生の団体も多いです。ひっきりなしに人の波が見本市センターに吸い込まれて行きます。私も嬉々としてそれに混じり、いざ会場へ。フィンランドの人気作家があちこち歩いている。わぁ~!文壇の人らしき面々(知らんけど)もいっぱいいる。あ、国営放送の記者、日刊紙の文化記者がいる。あちこちに小さなステージもある。インタビューしてる。既に熱気に当てられそうです。
 
 16時半に好きなミステリ作家が一番大きなステージで登壇するので、まずはそれまで1時間ほどぐるりと見て回り、各版元の売り出している作品などをチェック。

一番好きな書店Rosebudのコーナー。良さげな本が一杯ありましたが、自宅に積読が60冊以上積み上がってる今、ひたすら我慢。


 春秋のパンフレットを見れば、誰がいつ頃何を出すかは分かっているので、ここで見るのはそれ以外の、どちらかというと中小の出版社の作品です。過去の在庫放出も掘り出し物を見つけるチャンスで、こういうぶらぶら時間も楽しみです。
 

『世界からコーヒーがなくなるまえに』(青土社)の共著者、ペトリ・レッパネンさん。児童書(ロックバンドを組むウサギとフクロウの友情と成長の話、現在3冊まで)が結構ヒットして、ライブ活動も多くて忙しいそう。


 大手四社を回っていると、Gummerus社のところで知った顔に。
4年前に訳した『世界からコーヒーがなくなるまえに』(青土社 2019年)の共著者、ペトリ・レッパネンさんと嬉しい再会。彼はLIKE社から転職して2年、Gummerusの翻訳作品のグループを率いています。金曜と日曜だけ出る予定だったそうで、一日ずれてたら会えなかった。近況報告で、今年の春に地道に4刷となったコーヒーの本の事をしんみり喜んだり、今同僚と日本の作品で版権を買うかどうか検討中のがあってね、という話をこっそりしてくれたり(誰のどの作品かは内緒!)。
 
 

きゃぁぁぁぁ#&%¥¥*!!!
(もはや何を言っているのか分からない自分、最前列かぶりつき、砂をかぶりたい!)

 そして今回のメーン・エベント!(注:メイン・イベントを古舘伊知郎さん風にどうぞ)その一。
10年以上前、”Vuoden mutsi(ママ・オブ・ジ・イヤー)”という二冊の爆裂育児エッセイを書いていた共著者のサトゥ・ラモさんの登壇は今回絶対見たい、と思っていたものです。彼女は元々大学で経済を学び、アイスランドに移住後、現地のネイチャーガイド等をしているパートナーと家庭を築き、15年ほど住んでいる間に10冊ほどのノンフィクションを出しています。当時、まだ子育て真っ最中の私は疲れる日々を彼女たちのブラックユーモアに救われたものでした。ただ出てくるエピソードがフィンランドの話なので、レジュメは作って検討して頂いたものの、子育て中のお母さんたちには共感してもらいにくいかもということでお話が先に進まなかった思い出のある本です。この人、初産で病室で読めるかとダンテの『神曲』を持ち込んだらしいですよ?結局そのまま持ち帰ったらしいですけど。そういうところが大好き・・・
 
 そんなラモさんも、アイスランドやレイキャビクのガイド本や、アイスランド人のメンタリティや移住体験談をもとにしたこれも面白いノンフィクション(”Islantilainen voittaa aina" (仮:勝つのはいつもアイスランド人))などなどを出してきたものの、なかなか「食べていける」ほど稼げなかったとか。頭を悩ませ、「今、読者が求めるものは何か」という戦略を練り、書き上げたのがなんと売れるジャンルであるミステリで、三部作を1年半で完結(つまり半年に1冊のペース)というもので、アイスランド舞台の警察ミステリ『Hildur(仮:ヒルドゥル)』という形になったのです。Hildurは主人公の女性警官の名前。

 一年前の夏、発売(紙・電子・オーディオ)と同時に大ヒットし、今年の夏は2冊目、そしてブックフェアから一か月後の今月、完結編が出たばかりで既に話題沸騰です。先月は独Die Spiegel紙でもドイツ語訳のベストセラー数週間を記録したと報じていましたしね。フィンランド本国の図書館で本が出る半年前に予約図書リストランキングNo.1(数百名がISDNが出て図書館が購入決めた後に貸し出し予約を入れた)ってすごくないですか? 版権はこの秋の時点で欧州11か国に売れ、映像化もブックフェアの前日に決まったようで、アイスランド、フィンランド、もう一か国のプロダクションが関わるようですね。
 
 いやー時間があったら訳してみたいものです。ミステリも挑戦したいジャンルですので。対談で面白かったのは、作家にも多作、寡作と色々なタイプがいると思うのですが、彼女の場合は早い、しかも面白い、そして経済に強いだけあって、プロット作りも工程管理もエクセルを駆使するという話、主人公は自分に架空の友人がいたらどんな人物か、という事から膨らませたことなど。ご本人曰く、「まず取り掛かりまでが本当につらくて、だから根を詰めて書くこと自体は苦じゃない。私にとってはスタートするまでが大変だから」とのこと。前述のように、どうしたら売れる作家になれるのか、というある意味、特にフィンランドのアーティスト界でありがちな、コミュニティで「商業主義に流れるなんて、あいつは本物じゃない」などと揶揄されることなのかもしれませんが、現実問題食べていけない作家は山ほどいます。この点については別途機会を改めて。

 また、作家によっては紙の本が廃れることを恐れ、自分の作品はあくまで文字ありき、とオーディオのフォーマットを毛嫌いしている人達もいます。ラモさんの場合はSNSの使い方もうまく、毎日のようにインスタグラムにストーリーを複数投稿し、起き抜けのすっぴんから、ジョギング姿から買い物しながらのストリーミングから、実にあっけらかんと嫌味のない投稿が多く、(作り込んだ感じがしないからか)その人柄にファンがかなり多いのも読者数に相乗効果で貢献している模様。同業者の作品も読んではこれが面白い、と紹介し、北欧で使っていない人の方が少ないように見受けられるオーディオ・プラットフォームともコラボ企画をしたりして、対立するよりは新しい動きをうまく取り込み、しっかり味方に付けているように見えて動向も面白く、参考になります。今回の完結編では、紙と電子とオーディオ版発売一週間前に、「一章分だけオーディオで先に聴けちゃう」キャンペーンを展開していましたが、こういう仕掛けもアイディアは恐らく版元やアプリ運営側発でしょうが、うまいなと思います。
 
Satu Rämöさんのインスタアカウント 
投稿はフィンランド語が殆どですがアイスランドの荒々しい美しさを湛える風景から何から色々見られるのでご参考までに。
 
 ミステリは(特に北欧でも)確実に部数を出しやすい鉄板のジャンルではあるので、毎年夏休みでフィンランド人がサマーコテージに持って行くか、と買い込む需要を見込んで、6月に一気に新作(やはり黒色系の表紙がいっぱいですねぇ)が出ます。ラモさんの一作目もその時に出て、大ヒットしたのは先程書いた通りですが、続編を書くのに一年かかる作家が多い中、彼女はたった半年で二冊目をぶつけてきました。これは執筆・校正・編集のプロセスを考えると恐ろしいほどのスピードです。ちなみに、私は情報収集を兼ねてフィンランドの作品はちょくちょくオーディオ・ブックのアプリを使って運転中などに聞いています。面白いものは紙版を購入することも多いのでこれも音声と紙両方で楽しんで2冊目まで持っています。完結編の3冊目は今丁度オーディオで聴いているところで、それがねぇ、主人公の片割れがなんと…おっと危ない。いや、ネタバレなんてしませんよ。 これも買っちゃうんだろうなぁ。

手に持っているのは三部作の一冊目。登壇する人はステージ衣装にしっかりメイクなので迫力負けも甚だしい…いや喜んで負けたいし、彼女のオーラを浴びて、私はひたすら嬉しゅうございました、幸せ~!Satuの身に付けているのはカレワラ・ジュエリーの誇る、Episode 4のあのレイア姫と同じネックレス、Planetaariset laaksot。


 
 登壇後にサインを貰おうと並ぶファンの長蛇の列に連なり、自分の番が来たところで挨拶し、(初対面でドキドキでした)図々しくも握手をお願いし、彼女のほっそりとした手の感触が私の手の中に残りました。日本の版権空いてますかとこれまた厚顔ながら聞いてみると、権利の担当者が近くにいて「まだ空いてるわよ!」とのこと。

 フィンランド語から訳せて、アイスランドを舞台に主人公のアイスランド人警官(女性)と組むことになる編み物男子のフィンランド人警官(見習い)のペアの殺人事件謎解きに興味がある、今すぐレジュメ作って取り掛かれる方、ぜひ! アイスランド人の生活も食べ物も興味深いし、なんせ編み物男子やで? さらに作中で登場人物が編んで身に付けているセーターの柄をパターンに起こしたアイスランド毛糸のHildur編み物本(アイスランドの毛糸作家Sigríður GylfadóttirSatu Rämöさんの共著)も出ています。食指動きませんか?(笑)

 私は来春からでないとまとまった時間は取れないのと、それに自分が囲い込むよりまだまだ数少ないフィンランド語の本がどんどん世に出た方が業界にとってもずっと良いと信じているので、これはいい作品であることも公開しておきます。ラモさん曰く「日本行きたい~!」だそうです。作者の渡航費はプロモーション助成金申請ができます!(FILIという文学輸出振興団体を通じて)

 ”Hildur”シリーズの中に出て来るセーター等のコラボ本はこちら(サンプルページが見られますよ)

 そして次に聞きたい登壇まで時間があるため、ブースめぐりの続き。
今回はですね、二年ほど取り組んでいるミカ・ヴァルタリの『エジプト人』(旧タイトル)の翻訳に関し、Mika Waltari Societyという言わばヴァルタリ好きの人たちの集まりがあるので、そこにご挨拶に。フィンランドではそれぞれの作家の名を冠したこうした団体が四十ほどあるようです。ブースに行くと、若者たちが3名程熱心に番をしている人とおしゃべりしていて、話を聞くと、ヘルシンキの高校生だそうで、去年もヴァルタリ作品が大好きだと雑談しに来たのだとか。尊いですね、これからもたくさん読書しておくれ、若人よ。
 

Credit: Mika Waltari Society 掲載の許可あり。真ん中の方が現会長。


 会長とお話をし、はがきや切手を買い込み、誘われるままにNoと言えない私はヴァルタリの会に会費を払って入会してしまいました。来年から会報が届きます。今年は『エジプト人』ベトナム語版が出たそうですが、翻訳者2名体制だったようですね。文体を合わせるの苦労しなかったのかな、とか余計なことを心配してしまいました。人の事考える暇があったら自分の校正を…(失われた7時間よ、さようなら Part II)
 
 ヴァルタリがたった17歳の時にKristian Korpiという筆名で書き上げたホラー短編集が復刊されたので、その話でも盛り上がりました。当時エドガー・アラン・ポーの作品に影響を受けて書き上げたというもので、うちにも買ってあります。「来年、訳書が出たら教えてね~」という彼らとお別れして次へ。
 

Sofi Oksanenと一緒の写真は今回初めて。前回、作品にサインをお願いした時はそんな勇気はなかった。我ながら成長(図々しさだけ)したものよ。文章は骨太で、メディアでの発言も一切迷いもブレもなく、ファッションもこだわりがあって、もうどこをとってもかっこいい彼女が好き。


本日のメーン・エベントその2!(古舘さんよ、もう一度)じゃーん。フィンランドとエストニアが誇る、存在自体がロックなソフィ・オクサネンと、ウクライナ人の作家の対談でした。写真は対談前に。ウクライナでの現状を作家の視点から語ってくれたり、犬好きのソフィは動物愛護の団体の話も出していましたね。ソフィの新作は9月に出た、プーチン率いるロシアが性犯罪をどのように戦争で利用してきたか、エカテリーナ二世の頃からの背景も引きつつ、彼女の大叔母さんがソ連兵に尋問と称して恐らく強姦され残る生涯失語してしまったトラウマも引用し、徹底して展開されるプロパガンダなどについてまとめた有無を言わせぬ説得力を持つエッセイです。往路の電車で100ページ弱は付箋をしながら読んだのですが、全部で230ページと短め。そして、実はこれも訳したいと強く思える作品でした。

 詳しくはまた別の機会に語りたいですが、これも誰かできる人がいたらすぐにやって差し上げて欲しいくらいです、それも絶対にフィンランド語から。

 ソフィと会うのは二回目なのですが、私のことも思い出してくれて、(前作でエージェントと連絡とってくれた人よね、と)私が付けまくっていた付箋を見て「しっかり読み込んでくれてるのね、邦訳出して今度こそ日本行きたい~!」と疲れているのにこぶしをテーブルにふざけて叩きつける真似をして笑ってくれました。どんな作風なのか、ご興味をお持ちでしたら、2012年に各国で大ヒットした彼女のフィクション『粛清』(早川書房)が出ていますので中古なら入手可能なようですし、ぜひ。重めながら非常に力のある物語で、ただ当時は英語からの重訳で、英語版でさらっと流してあったためにそれがそのまま訳されたであろう箇所は存在しますがそれは英訳の責任…。今回の”Samaan Virtaan (仮:同じ河の流れに)”も9月に発売後、すでに欧州中心に13か国に版権が売れています。文学賞の受賞や候補も多いですし、実績からして、彼女の名前だけで買う国は結構ありますので。

 余談ですが、前述のようにコロナ禍にブックフェアがオンラインになった時、ソフィはマーガレット・アトウッドとオンラインで対談しています。(彼女の作品はアトウッド作品と比べられる事も多く、アトウッドもソフィの作品を英語で読んで旧Twitterに投稿したりしています)丁度世界を席捲した『侍女の物語』の続編『誓願』の各国語版が発売のタイミングだったかと思いますが、互いを尊重する様子が垣間見え、ソフィの堂々たる対談ぶりに震える思いがしたのを思い出します。

今年8月、エストニア出張の帰り、搭乗前に空港で見つけたソフィ・オクサネンの像。彼女はエストニアとフィンランドのルーツを持ち、作品の舞台にエストニアも多いので、かの国でも大切にされている作家です。”A nation that writes cannot be erased from the map.”は彼女の発言から。

 もう一つ、『マリメッコの救世主 キルスティ・パーッカネンの物語』(祥伝社)の作者、ウッラーマイヤ・パーヴィライネンさんがこの日登壇していたのを見逃したのが悔やまれました。事前に連絡して行けばよかった…現在、大きな病気の治療中であることを公表しているウッラですが、翌日の土曜日、実はフィンランドノンフィクション作家協会賞を数名で受賞していました。(リンクをクリックすると彼女が真ん中に映っている他の受賞者との集合写真が見られます)前夜こっそり教えてくれて、「今年一番うれしい出来事」、との事でした。彼女は何冊もの有名人の評伝を書き、昨年は親友の闘病記を出していたのですが、こうした形で報われて良かったなと思います。

 たった半日でしたが、厳選したイベントを見て、聴いて、楽しんだ日でした。時間の都合で、趣味の本、児童書、好きなポピュラー・サイエンス辺り、その他話題作は今回涙を飲んでスルーしています。

 ちなみに来年の開催は2024年10月24~27日です。外国からの作家も招致するので、英語のイベントも20%ほどあり、当然公用語であるスウェーデン語の版元、作品、イベント等もあります。フィンランドのブックフェアがどんなものかな、と思う方、この時期にいらしてみるのは如何でしょうか?出版関係者には商談ブースも勿論用意されていますよ!

              ***
やっと会えたあなただけれど、次の機会はもっと先。すぐにでも飛んで行きたいけれど、そのときを指折り数え、心待ちにしているね。
 
(文責:セルボ貴子)


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