見出し画像

こどもサピエンス史 ~生命の始まりからAIまで~

コロナ二年目の夏がやってきましたが、皆様いかがおすごしでしょうか。

私の住むスウェーデン中部はエゾノウワミズザクラもライラックも終わり、今は芍薬や石楠花が咲き乱れています。長引くステイホームに、隣もそのお隣も庭にプール設置工事をしていて、せっかくのよい季節なのに外に座るとわりとうるさいです。私も負けじと芝刈りの猛音で対抗しています。

ちょうど一年前、コロナで県外への旅行が憚られていたときに、普段なかなか訪ねられずにいた日本人のお友達が経営するB&Bに行ってきました。うちから車で2時間ほどのHaveröという自然豊かでクマも出たりする(!)場所で、この地方の人たちには心の故郷として親しまれているエリアです。

アンティークに溢れた博物館のようなおうちに宿泊することのできるお宿です。こちらのページでインテリアや四季折々の写真をお楽しみいただけます。

画像2

昨年刊行になりました共訳書『北欧式インテリア・スタイリングの法則』Instagramでも、時々写真を提供していただいてます。ちなみにこちらの書籍、ご好評につき重版しております💛

前置きが長くなりましたが、お友達のB&Bを訪れたときに、ある本を紹介されました。近所に別荘をもつ作家さんの新作で、子ども向けにホモ・サピエンスの歴史を紐解く……と説明され、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『ホモ・サピエンス全史』大ファンである私は、速攻書店さんに行って購入。

画像1

イラストはスウェーデンで大人気のヨンナ・ビョルンシェーナじゃないですか。日本でも絵本『おとうとうさぎ!』シリーズが翻訳されています。

原書の対象年齢は9~12歳で、その年齢の子どもたちにぜひ知った上で成長してほしい内容でした。わたしたちホモ・サピエンスが今、生き残っているのは、他のヒトや動物たちを滅ぼしてきたから。今残っている文化以外の文化や民族を絶滅させてきたから……という事実。そこにはまた、農耕や宗教や貨幣や政治がなぜ生まれたのか、それが人類にもたらした影響など、学校だと色々な科目に分けて習う内容が一冊の児童書に詰まっています。コンパクトにまとめられているからこそ、大きな流れを把握しやすい。ずっと世界史は苦手だと思ってきた私ですが、この児童書を読んだことで自信をもって色々なことを説明できるようになりました。

以下、アマゾンのページの説明より。

教育大国スウェーデン発、こどもにもわかる楽しい『サピエンス全史』と話題のベストセラー!
「賢い人」という意味の「ホモ・サピエンス」は、どのようにしてこの世界を作ってきたのだろう
二本足で立ち上がり、頭がよくなって、作物を育て、文字やお金を発明して、ものを売り買いするようになっただけじゃない。
地球をわがもの顔に使ったり、先住民族を滅亡させたり、ひどいこともしてきた。
人類の長い歴史をふり返ってみれば、未来への道も見えてくる。
オールカラーのイラストで、楽しく学べるはじめての人類史。
いまなぜSDGsが必要なのかが、すんなりわかる。
小学校高学年以上で習う漢字にはルビつきで、朝読にも最適。
『サピエンス全史』を読破できなかったおとなにもおすすめです。
【目次】
「頭の中の大革命」
「農耕の始まり」
「みんなでいっしょに」
「科学が世界に広まる」
「モノとお金」

夏休みの親子での読書にもぴったりだと思います。わが家も去年の夏、12歳児と一緒に読みました。

もっと知りたい!と興味が湧いた大人の方は、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史』もぜひ読んでみてくださいね。

『スマホ脳』もそうでしたが、目先のことだけでなく、広い視野で自分たちの存在を再確認することで、学ぶことは本当に多いと感じます。この夏、大人も子どももこの本からたくさんの発見をしてもらえると嬉しいです。

文責:久山葉子

1975年生。神戸女学院大学文学部英文学科卒。2010年よりスウェーデン在住。著書に『スウェーデンの保育園に待機児童はいない』(東京創元社)。訳書に『許されざる者』(レイフ・GW・ペーション著、創元推理文庫)、『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン著、新潮新書)、『北欧式インテリア・スタイリングの法則』(共訳、フリーダ・ラムステッド著、フィルムアート社)など多数。

*このブログは、にほんブログ村の
海外文学」と「翻訳(英語以外)」に参加しています。*










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?