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鬼がリングでみた星は

「キックの鬼」と呼ばれたキックボクシングの沢村忠さんが亡くなられたとのこと。享年78歳。ご冥福をお祈りいたします。

今やキックボクシングの試合がテレビ中継されるなんてことは全然ありませんが、私が子供の頃はゴールデンタイムに放送されてました。
私が生まれ育った家は風呂なしアパートだったので、私はいつも入浴料中人(小学生)18円(安ぅ)を握りしめて銭湯へ通っていました。その頃、脱衣場のテレビで近所のおっちゃん達と毎週沢村選手がタイ人ボクサーをボコボコにするのをエキサイトして見てました。男湯のテレビでは野球、相撲、プロレスと並ぶキラーコンテンツでしたね(笑)

話は変わりますが、大学のとき入っていたサークルに、先輩から伝わる伝承芸? 「キックの鬼」というのがありました。
「鬼がリングでみた星はキックのあけぼのつげる星」という歌詞に合わせた踊り?を延々エンドレスで歌い踊り続けるという宴会芸だったのですが、今になってふと、これって沢村忠のキックの鬼と関係があるのかな??
と思い調べてみました。
当時はインターネットもないので疑問に思ってもわからないままのことが多かったですが、今は便利な世の中になったものです。


おおっ・・・ 「キックのあけぼの」は沢村忠をモデルにしたアニメ「キックの鬼」のエンディングテーマでした。作詞は梶原一騎先生、作曲は小林亜星先生ですよ! 放映されていた当時、私はまだ5歳だったのと、銭湯のテレビでアニメ番組が映ることはなかったので・・・ あの歌がアニメソングだとは知りませんでした。
YouTubeでその歌を聞いてみると・・・
サークルの先輩から伝承された節と全然違うやんか!!
もしかしたら、何代か上のアニメ「キックの鬼」を毎週見ていた世代の先輩の頃は正しい曲で歌い踊っていたのかもしれません。代々後輩に伝承されているうちに我々のようなアニメ「キックの鬼」を知らない世代になり、節がズレ始めたのかもしれません。
伝統や仕事のやり方などを人に伝えるとき、口頭や振りまねだけで伝えるとだんだんこのようにズレてくるものなのかもしれませんね。時代に合うように変化するのであればよいのですが、末永く伝承したいのであれば、やはり普遍的に伝えられる文章や映像で残すことが大事ですよね。ではまた。

写真は京都国立博物館です・・・ 本文に関係なし

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