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オンラインレッスンで消耗しないために

どんな仕事にもストレスはつきものですが、オンライン講師には特有のストレスがあると思います。

日本語のレッスンは、特にサラリーマン時代のストレスと比べて私にとって質のいいストレスの連続です。

オンラインレッスンならではの要因もありますが、心の持ちようの部分が大きいです。


オンラインレッスンでストレスを感じたら

オンライン上でもパワハラ、セクハラは起こりえますが、逃げ道が多いので比較的冷静に対応がしやすいかと思います。怒鳴られたり、下品な話をされたりしたら、まずは通信状況が悪いふりをして(必要に応じてスクリーンショットを取ってから)一旦レッスンをプチっと切りましょう。そして対応を冷静に考えましょう。

とはいえ、明らかなパワハラ、セクハラはおそらく少数でしょう。「ちょっと不快」「この生徒とのレッスンは憂鬱」という程度のプチストレスがほとんどではないかと思います。もちろん、ストレス要因になる生徒を切り捨てるのもありです。

ただ、講師側が生徒を切り捨てるのは最終手段だと私は思います。こちらが無理のない範囲で対応して、それで生徒が満足できなければ向こうから離れて行ってくれます。

幸い、私はパワハラ、セクハラは経験がないですが、「(卒業論文や面接対策、子供の指導など、)時給制なのにどこまですればいいの?」「当たり前のように事前準備を期待されている(ように感じる)けれど、それは本当にするべき?」など疑問に思うことは多いです。

そんな疑問やストレスは、できるだけ性善説を信じて質のいいストレスに置き換えています。相手も悪気があって無理なお願いをすることはないと信じて、「レッスン外で数時間の作業は期待していないだろう」「常識的に私の力だけで短期間で日本語が飛躍的に上達するとは思っていないだろう」という前提で対応しています。

そして相手の人間性を信じて、ポジティブにふるまっていると相手の態度がよくなることも多々あります。

もしかしたら最初は過度の期待をしていたかもしれませんが、私がシレっとさも当たり前かのように「これは当然レッスン中にするものですよね」という態度でレッスンを進めているので、「こんなものか」と考えを改めてくださったのかもしれません。

オンラインレッスンのとんでもリクエスト

「それを週1のレッスンで期待するの?」と思うようなリクエストをしてくる人もいますが、それを淡々とこなしたり、全力で拒否するのではなく、次につなげる自分の糧にする、納得のいく範囲で対応できる妥協点を見つけるように心がけています。

学習計画を書面で見せてほしい(レッスン料15ドルの時の生徒):レッスン外の時間で作ることも考えましたが、Google のエクセルを共有して、レッスン時間内で生徒に説明しながら学習計画を作っていました。そうやってたたき台を作って、その後のレッスン中に生徒が問題の答えを考えている間など余裕があるときに少しずつ改善、更新して詳細なものが出来上がったら、ほかの生徒に使いまわしです。

後期の生徒にはトライアルレッスンで見せて、どのくらいのペースで進めるか説明するのに使っていました。使いまわしなのに一見テイラーメイドのように見えるので、あたかも個別に詳細な学習計画を作って教えてあげられる講師に見えて、つかみはばっちりです。

5歳の子供に読み書きを教えてほしい(海外在住日本人の家庭):週に1時間のレッスンだけで補習校並みに国語力が付くことはないということは理解しているだろうと、生徒の親御さんの常識を信じて、ひらがなフラッシュカードから初めて、音読、読解問題などにゆっくり進んでいきました。

ちびむすドリルなど無料のドリルをダウンロードして、自宅学習の必要性も伝えておきました。宿題をしてこないこともありますが、継続は力なりで今は簡単な読解ドリルができるぐらいになりました。これでプロフィールに「子供の指導経験有」と自信をもって書けます。

卒論を手伝って欲しい:ご本人も日本語のレッスンだということは分かっているので、私に専門知識は求めないだろうということで、レッスン外にはざっと読んで気になる所にハイライトする程度です。細かい説明はレッスン中にします。

とはいえ、知的好奇心を満たす内容が多いので、個人的に興味が出て関連資料とか読み込むことも多々あります。「シェイクスピアと黒澤明の比較」など知的な大人になるためのトリビアが学べるので楽しいです。自分が楽な範囲でレッスン外に調べものをしたりします。

時間変更や直前キャンセルをしまくる生徒は「お互い様」の気持ちで:生徒がたくさん(約20人以上)いれば数人の生徒が時間変更を繰り返しても特に他の生徒の予約に影響はありません。また、私もどうしてもレッスン時間を変更したい時は、レッスン料金に関係なく、こうした時間変更を頻繁にする生徒に、レッスンのリスケジュールをお願いしています。定期的にレッスンを受けてくださる生徒のスケジュールを変えるより、こちらも気が楽です。

「時間を奪われた!」とストレスをためるのは自由ですが、生徒数を増やしてリスクを分散すれば、生徒数人がレッスンの時間を変更しまくっても気になりません。

「できない」と言わない

よっぽど理不尽なことを頼まれない限りは、「それはできません」とは言いません。勝手に解釈を変えてわたしの納得のいく範囲で対応します。

生徒「学習計画が欲しいです」:私「もちろんです。じゃあ、さっそく作りましょう。今Googleのエクセル送りますね。」(レッスン外の時間を使わない)

生徒の親「読み書き、国語全般を教えてほしいです」:私「はい、じゃあひらがなのフラッシュカードから始めましょう。書く練習はプリントを渡すのでお母様と一緒に練習頑張って下さい」(レッスン外での練習が必要なことを強調)

生徒「面接対策してください」:私「はい、じゃあどんな会社か、なぜその会社に入りたいかというお話から始めましょう。エントリーシートをもう書いていたら送ってください。」(生徒の代わりに時間をかけて企業研究はしません。レッスン中に生徒に説明してもらいます)

外部要因に頼らない

昨今パワハラやセクハラの対策が叫ばれている中で「気の持ちようを変えましょう」というのは時代遅れかもしれませんが、制度や相手の態度が変わることだけに頼っていると外部要因に対して「まだ変わってくれない!」とやきもきして数年、数十年過ごすことになります。

難しい生徒や、使いにくいプラットフォームについて、FBのコミュニティで文句を言ったり、生徒様だから泣く泣く要求を全部飲むか、もしくは気持ちの良い範囲で対応するか、答えは明らかかと思います。

他人を変えるのは非常に難しいし、自分の頑張りが結果に直結しないことが多いです。

オンラインレッスンの利点

オンラインレッスンのいいところは、画面越しであること、顔を合わせている時間は確実にお金が支払われることです。工夫次第でストレス不感症になれます。


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