初・子供との日本語レッスンの思い出

日本語を教え始めた当初は、外国人の大人に日本語を教えることをイメージしていましたが、「子供にも教えられますか?」という問い合わせが頻繁に来たので、食わず嫌いせずにやってみることにしました。

海外在住の日本人、日系人の子供へのレッスン

10歳以下の子供で、日本語を習いたいという場合は、両親のどちらかが日本人であることが多いです。小学校に行き始めるまでは家庭で日本語を話す機会が多かったので、日常会話に困らなかったが、補習校への入学に向けて国語のレッスンをしたいというリクエストや、補習校の授業についていけないので、勉強を見てほしいというパターンが多いです。現地の学校に行き始めると、親が日本語で話しかけても返事は英語だそうです。

私のレッスンに来ている大人の学習者の中には、海外育ちの日系人、日本人が何人かいます。親が日本人でも頑張って日本語を教えないと日本語は習得できないようです。

初回レッスンの思い出

ある日、6歳の海外在住の日本人のお子さんとのレッスンの予約が入りました。もちろん、子供への指導経験が全くないのは秘密です。

焦って子供への指導方法をググりました(笑)家庭学習用の無料のドリルがあったので、ひらがな、カタカナフラッシュカード、かるたをダウンロードし、そのほか、ネットで拾った無料のひらがなの音読教材を用意して待っていました。

最初は、お母様(日本人)との面談です。ひらがなは頑張って教えたけれど、カタカナはあやしい。永住者なので現地の小学校に入学予定だが、週末に補習校に行かせるので国語の指導をしてほしいとのことでした。

そしてお子様登場。家の中では100%日本語らしく、コミュニケーションには困りませんでした。スクリーンをシェアして、ひらがなのフラッシュカードを見せると、簡単だったらしく、カタカナに移りました。カタカナは確かに怪しく、「わからなーい」を連発するので、カタカナとひらがなを3択問題で結ぶエクササイズをして、ほめちぎりました。集中力が切れたところで、ひらがなのかるたを読ませて、時間切れ。

レッスンしながら、「これ、家庭でできるよね?お母様が1日30分すればいいんじゃ・・・。」と思いましたが、お母様には、「すごい集中力で頑張っていましたね!カタカナが7割ぐらいできるようになったら、音読ドリルとかをしたら退屈せずに続けられるかと思います。1時間よく頑張っていましたが、長いようでしたら30分でのレッスンも可能です。」と(知ったかぶりで)伝えて終了。

何を気に入っていただけたのかわかりませんが、気づいたら8か月くらい毎週1-3回レッスンを入れてくださいます。

固定の生徒になったので、1年生用の音読ドリルを購入したり、漢字の導入をしたりしました。「いやいや」状態になってレッスンが成立しない日もありますが、「上手!」「難しい字なのによく読めたね」「すごくスムーズだよ!」「カタカナお勉強した?完璧に読めるようになったね」「あと10分頑張ろう!」とほめちぎっていると、なぜか私まで気分がよくなるので、やめられません。連続レッスンで少し疲れている日でも子供とのレッスンは楽しみです。

親御さんが何を求めているか

子供の指導の場合、生徒は子供ですが、お客様はその親御さんです。そこで、親御さんが何を求めているか想像しました。

おそらく「定期的に学習の習慣をつけること」なのではないでしょうか。ひらがな、カタカナ、音読、その気になれば家庭でできます。それを外注するのは、親子間では冷静に教えられない、子供が甘えてしまう、定期的にレッスンを入れないと家族内では後ろ倒しになってしまうといった要因が考えられます。

ですから特別なことはしなくていいと思います。私の場合は、よさそうな教材を選んで、レッスン中は子供の集中力を削がないように、スムーズにドリルをさせて、名前を読んでほめるだけです。

注意点

時差:子供の起きている時間のレッスンになるので、日本在住の場合、時差が真反対の北南米の子供のレッスンは、注意が必要です。問い合わせが来たら、私は、「時差は大丈夫でしょうか?カレンダーを見て時間が合いそうでしたらぜひトライアルレッスンを入れてください」というようにしていました。

保護者:画面に映っていなくても、保護者が見ています。私は全然気にしないですが、生徒以外がレッスンを見ているのが気になる人には、特に小さい子供の指導は向いていないかもしれません。

応用が利かない:ティーンエイジャーの場合は、大人と同じ教科書が使えますが、小さい子供の教材は、その年代の子供にしか使えないものが多いです。効率を気にする人には向きません。

集中力:小さい子供の集中力は切れやすいですが、一度集中してしまえば、小さい子でも1時間のレッスンが可能です。必要な教材をすべて開いておいて、いろいろなゲーム、教材を畳みかけて、よそ見をさせる暇を与えず、ほめまくってレッスンを続けるのがコツかと思います。




この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?