やみくもに答えを言う生徒への対策

私のレッスンは、「文法説明はできるだけ簡潔にしてルールは例文を通して口で覚えてもらう」「大量の練習問題を通して定着させる」を基本としています。

初めて見る理解半分の構文を私が説明しても、ちんぷんかんぷんで音楽が流れているようにしか感じないので、「文を読ませる」「意味を予想させる」「文法ルールを想像させる」と生徒が能動的に学習できるように、私からのインプットは最低限にとどめています。

ただ、単純にその方法でレッスンをしても効果が出ない学習者が一部いらっしゃいます。

練習問題!そして練習問題

文法を定着させるのに、一番大切なのが練習問題です。わかっていると思っていても、実際に文を作ってみると、思うように文が作れないことがほとんどです。ルールを意識しながら文を作ることで文法が脳にしみこんでいきます。

ところが、中には例文棒読み、全く意識しないで、導入部分を終えて練習問題になると当てずっぽうで答えを言うかたもいらっしゃいます。これでは、全く定着しません。

どうやって意識をさせるか

以下は「みん日」18課の練習問題です。

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当てずっぽうで答える方は、例文を棒読みして、
1)「この車に何人が乗りできますか?」 「8人が乗りできます。」
と答えてしまいます。そんな時は正解を言わずに、以下の手順で、意識させて、自分で直してもらいます。

1.(英語などの媒介語で)「この文の意味は何ですか?」と聞いてまず語彙を理解しているか、どんな内容の文を作ろうとしているか確認。(語彙がわからなくても質問しない生徒は時々います)

2.この文型は「ーーことができます」の文型ですね。「ことができます」の前は何形ですか?(ここで生徒は意識して例文を読み直して辞書形であることを意識してくれます)

3.じゃあ、もう一度。

そしてよくある答えはこれです。

「この車に何人が乗ることができますか」「8人が乗ることができます」

そんな時は、「分量、期間の後には助詞は不要です」と言って「が」を除いてもう一度言ってもらいます。

生徒の傾向を読む

意識する習慣がある生徒は、例文を読んでいる時点で自分で意識して文法ルールを覚えて、問題を解きながら例文を参照しています。こういう生徒は粛々と練習問題を進めて大丈夫です。

意識する習慣がない学習は、教える側がそういう傾向があるものと覚えておいて、例文をいちいち訳させる、文法のルールを自分の言葉で説明させる、などの方法で「考えさせる」ように導くことが必須だと思います。

「違います」「もう一度」だけ言って間違っていることを伝えても、新たなあてずっぽうアンサーが帰ってくるだけだし、文法を再度説明したところで頭に入っていく可能性は低いです。そこで、能動的に学習させる工夫が、作ろうとしている文の意味を英語(生徒の母語)で言わせる、その時に必要な文法ルールを口に出して言わせるということです。

そして、「間違えたくない」という思いが強い学習者にはプライドを傷つけないように、「ルールをおさらいしましょう」という雰囲気ですることも大切だと感じています。

知ったかぶり傾向がある生徒への全般的な対策はこちら


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