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銃乱射事件後、銃規制反対のテキサス州で、導入・検討されている事件対策: 銃と学校と教育と(2)

テキサス州・小学校銃乱射事件(2022年5月)とは

テキサス州では昨年5月、”今学年は後3日で修了”というタイミングの小学校で、史上最悪と言われた銃乱射事件が起きてしまいました。犯人は家庭的にも学校生活的にも問題を抱えた高校生で、教師2名と20名以上のお子さんが亡くなりました。重軽症を負ったお子さんもたくさんいたようです。目の前で同級生が撃たれて亡くなっていく姿を見てしまったお子さんもいたようですし、事件が起きている学校に駆けつけながら、適切ではなかったとされる警察の対応に苛立ちながらも、子どもを救いに行けない・・・そんな保護者もたくさんいたようです。

事件についての詳細は、下記のコラムでシェアさせていただいていますが、本コラムに関係のある部分に関しては、文章の途中で切り抜いて貼り付けていますので、事件の詳細をご存知ない方も、まずは本コラムをご覧いただいて大丈夫かなと思います。

テキサス史上最悪の小学校襲撃事件 (2022年5月)

事件直後の州の対応

  1. 事件の1カ月後、テキサス州は、学校の安全とメンタルヘルスサービスに1億5千万ドル以上の州資金を割り当てた。

  2. グレッグ・アボット州知事はALERRTセンター(Advanced Law Enforcement Rapid Response Training Center、高度な法執行機関迅速対応訓練)に、学校を基盤とする法執行機関を優先し、州内のすべての学区への訓練提供を指示。

2のALERRTセンターは、設置するテキサス州立大学の予算請求の中で、具体的な取り組み内容が明らかにされていますので、後ほど紹介させていただきます。

1のメンタルヘルスサービスは、事件の遺族やその場に居合わせてしまった生徒や職員に対するメンタルヘルスケアかと思ったのですが、それもあるとは思うのですが、事件を起こす生徒を減らすという、さらに積極的な取り組みのようです。まずはこの先駆的事例が地元紙で紹介されていましたので、そちらをシェアさせていただきます。

子どもたちのメンタルヘルスに関する取り組み

ユバルデの銃乱射事件後、テキサス州オースティンの北に位置する、ラウンドロックISD(学区)、ソーシャルワーカーと警察官が直接連携した、生徒のメンタルヘルスのサポートを開始しました。この取り組みは、メンタルヘルスに重点を置いたモデルケース的なものです。
具体的には・・・

  • ラウンドロックISDの行動衛生課と学校警察課は、予防的なアプローチを提供するために訓練を受け、協力

  • 自分自身や他人に脅威を与えた生徒を、学区内のソーシャルワーカーに紹介

ユバルデでの事件の犯人(高校生)は、家庭にかなり問題のある生徒だったことが明らかになっています。両親ともに薬中であり、当初同居していた母親とうまくいっていなかった犯人は、家庭内の揉め事で警察沙汰になっており、事件直前には、祖母宅に引き取られて、生活していたと言います。さらに学校生活の中では、いじめを受けていたと言います。

https://note.com/noraailin/n/na77acdc89968#4a6c62cd-cfa1-4f35-87c3-6e96dafec8a0

これらのことは、事件を起こした犯人を正当化するものではありませんが、このようなバッググラウンドを持つ子どもを過酷な環境から脱出させることで、事件を防止することはできます。警察とソーシャルワーカーという”犯罪の取締り”と”心のサポート”が直接連携していくことで、リレー方式による効果的なメンタルヘルスのサポートが可能になると言います。
同時に、地区警察と行動衛生部門は、学校の安全に関する研修に一緒に参加する等、より良い支援方法について話し合う会議にも参加しているそうです。

暴力の脅威への対応方法の見直し

ユバルデでの事件は、犯人がおかしな事件を犯すかもしれないと予感できるかもしれない行動がネット上、実生活の中で行われていました。

https://note.com/noraailin/n/na77acdc89968#4a6c62cd-cfa1-4f35-87c3-6e96dafec8a0
https://note.com/noraailin/n/na77acdc89968#4a6c62cd-cfa1-4f35-87c3-6e96dafec8a0

もちろん、これらの”奇怪な行動”は、事件後にリスト化しているからこそ、犯人のおかしさに気がつけるということはあります。ラウンドロックISDの取り組みは、このような”小さなアラート”を見つけ、事件を起こしそうな生徒に心のサポートを行なっていくとするものです。警察が情報を収集する=取り締まるだけではなく、この取り組みでも警察はソーシャルワーカーと連携します。

  • 職員は、友人や教師、家族に対しての問題行動や言葉遣いから、”弱い立場の生徒”を見つける

  • 生徒が自分自身や他人に脅威を与えていると思われるキーワードをソーシャルメディアから探し出す

警察は収集した情報をもとに、ソーシャルワーカーに連絡し、保護者の許可を得た上で、特定された生徒の精神状態のチェックを行うそうです。

以上の取り組みは、現在のところ、ラウンドロックISDのみで行われています。この手の取り組みの効果測定というのは、なかなか難しいものですが、親のアルコールや薬依存問題が子どもの学習や課外活動の妨げになっているケースも少なくないようですので、銃問題以外にも、子どもたちを”危険な環境”から救い出す助けになるのではないかと思います。マニュアル化したものを、州内全ての学区にぜひ広げてほしいなと考えています。

テキサス州議会で検討されている法案

この章では、今期の州議会で予算検討されている、学校での銃撃事件防止策関連の取り組みの一部をシェアさせていただきます。

  1. 子どもたちに対し、メンタルヘルス教育の提供とともに、必要に応じた心のサポートを行なっていく

  2. 万が一事件が起こってしまった時の、第一応答者が適切な対応を行えるトレーニングを提供する

  3. 州内にある安全情報を集め、分析し、より適切な対応ができる安全情報を広めることで、学校の安全を高める

  4. ”過酷な環境”にいる子どもたちが自立できるような学業、就職支援を行う

1)子どものメンタルヘルスと安全に焦点を置いた取り組みを導入

今期の議会でも、学校でのメンタルヘルスと安全に焦点を当てたいくつかの法案が審議にかけられる予定だと言います。

  • 破壊的行動や虐待的行動をとる生徒のために、公立学校における遠隔医療メンタルヘルスサービスを拡大(チャールズ・ペリー上院議員、上院法案245)

  • 公立高校生の必須カリキュラムにメンタルヘルス・コースを追加(ホセ・メネンデス上院議員、上院法案112)

  • 学区が地元の精神衛生当局と契約し、学内全域で精神衛生の評価とサービスを提供(メネンデス上院議員、上院法案113)

ウバルデの乱射事件後に報じられた、犯人像を見て、もし、犯人のような行動を取る人物が近くに住んでいたとすれば、私自身、「危険だから近寄らない」という対応をとったと思います。「逃げるが勝ち」という危険回避の方法は必要なことだとは思います。しかし、周囲が避けたところで、犯人が抱えた問題が解消されるわけではないことを考えると、コミュニティの中に潜在的なリスクが残ることになります。事件が起こってしまう前に、専門家が問題レベルに応じた介入をしていくことは重要かと思います。

2)”第一応答者”を対象とした、アクティブシューター対応訓練を

5月にウバルデで起きた学校での銃乱射事件で、犯人が生徒19人と教師2人を射殺した後、グレッグ・アボット州知事はALERRTセンターに、学校を基盤とする法執行機関を優先して州内のすべての学区に訓練を提供するよう指示したと言います。

事件についての以前のコラムでは、あまり詳細を書いていなかったのですが、ウバルデでの事件を防げなかった原因として2つ、最初に犯人の侵入を見つけた教師がドアの鍵を閉めなかったこと、そして、初動に当たった警官の対応のまずさが挙げられていました。前者は亡くなった方を責めることにもなるということで、控えめな問題指摘が多かったのですが、学校の防災マニュアル通りの対応ができていれば、警官が来る前の時間稼ぎができたかもしれません。後者は、国境警備隊が派遣されたという話もあったりしたのですが、いずれにしても、警官の呼びかけに応じて隠れた場所から出てきたところを撃たれてしまったお子さんもいたということで、大変問題になっていました。

これを受け、テキサス州立大学は今期の議会で、第一応答者を対象とした州全体のアクティブシューター対応訓練を行うALERRTセンター(Advanced Law Enforcement Rapid Response Training Center、高度な法執行機関迅速対応訓練)のために660万ドルを要求しています。この予算により、テキサス州立大学が実施を検討しているのは次のとおりです。

  • テキサス州のすべての新任警察官がALERRTレベル1クラスを受ける

  • 州内のすべての警察官が3年ごとに16時間の反復訓練を受けられるようになる

  • 毎年訓練を提供できるための情報技術機器、ソフトウェアの導入や人件費

テキサス(アメリカ)で銃規制に反対する声が大きいのは、警察に対して信頼していない人が多いからです。能力の問題もありますし、物理的に広大なテキサスをカバーし切れるだけの人員確保ができていないということもあります。

最終的には自分たちを守れるのは、自分たちしかいない。

以前は、歴史的に自衛が保障されている社会だとは言っても・・・と考えていましたが、ワシントン州やカリフォルニア州で起こった暴動で、政治的な理由から、警察がコミュニティや人々を守れなかったケースを目の当たりにすると、銃規制に反対する人々の気持ちもわかる・・・という立場になってきました。

今回、テキサス州が進めようとしているアクティブシューターに対する訓練を行なっていくことで、警察に対する信頼感が改善されていけば、”銃規制”に関しても、もう少し積極的な議論ができるようになるのではないかとも思います。

3)教育施設での安全・セキュリティ情報トレーニング

このほか、テキサス州立大学が900万ドルの予算要求しているのが、州内の幼稚園から高校、チャータースクール、短期大学に安全・セキュリティ情報トレーニングを提供している、テキサス学校安全センターでの取り組みに対して。

  • 学校キャンパスの25%で毎年侵入者評価を実施

  • 学区の25%で現場でのコンプライアンスチェックを継続

  • テキサス州のすべての学区で緊急時対応計画を見直し、安全・セキュリティデータを収集する

この取り組みにより、「大規模暴力事件の予防、緩和、対応、余波の管理の取り組みを主導することにより、テキサスを守るために真の変化をもたらし、即応できる」ことを目的としているようです。

4)学業・就業支援を通じた、子どもたちの潜在的な問題を解消

(1)〜(4)の対策は、学校での銃撃事件を防ぐために、どれも不可欠な内容ではあると思いますが、一般的に見落とされがちなポイントであるにもかかわらず、今回の対策にしっかりと含まれていて良かったと思ったのがこの(4)。どんなにメンタルヘルスを保てるサポートをしても、生活が改善できなければ、”過酷な環境”にいる子どもたちを犯罪から遠ざけることは難しいからです。

テキサス州立大学は、学内に、学生支援プログラムを提供し、大学修了と大学卒業後の成功に関する研究を促進するための学生支援センター設立(580万ドル)を希望しています。同大学によると、「同センターは、低所得者や社会的地位の低いテキサス州民の学位取得率を高め、就職の可能性を高め、生活全般の質を向上させることで、社会に大きな利益をもたらすでしょう」。低所得者や第一世代、社会的地位の低い学生の入学が増加していることもあり、このセンターから得られるデータにより、学生の大学進学準備、入学、継続、学位取得、幸福度の向上に役立つとされています。

友人に移民2世で、ヒューストンの貧困エリアで育ち、貧困エリアにある高校(一般的に学力が低いとされる)を卒業後、州内トップの大学に入学し、働きながらMBAも取得した人がいます。今は1世帯2台のテスラーを所持し、子どもたちは私学に通わせています。アメリカは超学歴社会ですので、高い学歴を得ることができれば、貧困から抜け出せることができますが、それが口で言うほど簡単ではないのも事実です。そして、ここでなぜだか人種問題が出てきてしまいます。貧困から抜け出すことができた友人は、アジア系です。そうすると・・・。

アジア系学生は学力が高いから。

で、済まされてしまいます。しかし、人種は自分で変えることはできませんから、こんな主張をしてみたところで、何の問題解決にもなりません。

■人種問題に対する違和感:アメリカで人種問題が解決しない理由(2023年冬)

先ほどの友人の例は稀に見るサクセスストーリーだと思いますが、最初の境界線は、高校を卒業するかしないかです。先日、卒業に必要な学力のない子どもに配慮して高校の卒業基準を低くするという話を見て、愕然としたのですが、それくらいアメリカでは高校卒業資格があるかどうか?で、仕事が変わってきます。

さらに、大学進学を希望した場合には、今後は、卒業できるかどうかの問題がかかってきます。卒業できなかった場合、より深刻なのは、卒業資格の問題よりも、学生ローンの問題です。学生ローンは、卒業資格を得ることでより高い収入を得ることができるという前提で組んでいます。それでも返済が大変だと言われているにもかかわらず、卒業により底上げできるはずだった収入が期待できない中で、負債だけ背負うことになるのです。

アメリカの大学の授業料は、州立大学であっても、日本の私立大学よりもかなり高額。過酷な環境から抜け出すために、大学卒業資格を得ようとしたものの、それに失敗すれば、より過酷な状況になってしまうのが現実です。家族からの支援が受けにくい層に対する学習支援プログラムを充実させることは、必要な措置だと思います。
それに、大学の進学準備から、大学卒業と就業・・・に関する研究をきちんと行なってもらえれば、”大学入試プロセスでの人種の考慮”がいかに意味のないことか、必ず結果に出てくると思います。そして、できない生徒に対して”基準を下げてクリアさせる”のではなく、”どのようなサポートが必要か”に重点をおいた学校教育が重要だと言うことも明らかになるはずです。

事件を受けてもなお、州は銃規制は行わない方針

治安の悪さと頼れない警察

小学校での銃撃事件があったユバルデ住民は、州に対して、銃規制を行うような働きかけをしてきたといいます。州としては遺族に対する必要な支援等の聞き取りは行なっているようですが、銃規制については、行わない方針であると、住民らに説明したようです。これに納得がいかないユバルデ住民は、連邦政府に働きかけることを検討している・・・というようです。

コロナ騒動以前の私は、ユバルデ住民の意見に賛成でした。しかし、アメリカ生活をする中で体験した、空き巣未遂や車上荒らしにあった際の警察の(捜査らしいことが一切ない)対応から、もともと「警察は頼りにできない」という思いがありました。その上、コロナ騒動最中には、おかしな暴動や事件が起こっているにもかかわらず、警察の力がどんどん縮小されていく動きもありました。これらの不安定な治安状況を目にすると、私自身が武装するかは別として、銃で自衛したいという人を否定する気持ちは無くなりました。

こんな話をすると、どんなに恐ろしいところに住んでいるのか?という印象を持たれる方もいらっしゃると思いますが、基本的に、私や私の家族が日常生活の中で怖い思いをするようなシーンというのは、ほぼありません。それは意識的に安全なエリアのみで生活するように心がけているからです。住民(旅行者)にとっての、アメリカの治安問題の難しさは、安全なエリアのすぐそばに”危険なエリア”が存在することです。

例えば、ヒューストン圏にあるある大学は、大学構内はとても安全ですが、その周辺の一部エリアがとても”危険なエリア”だと言われています。安全な大学構内から一歩外に出たそのエリアでは、1セメスターで数百件のレイプ被害が起きているという話を聞いたことがあります。

一方、同じヒューストン件内でも、私が住んでいる住宅エリアでは、陽が落ちた後でも、1人でランニングしている女性の姿や、犬の散歩をする女性の姿もよく見かけます。アメリカの高校は7時に始まってしまうため、陽があがる前に登校することもあるのですが、車通学が大多数とはいえ、徒歩や自転車の生徒もいます。暗闇の中でもこのエリアであれば大丈夫と考えているのだと思います。

不思議なことですが、日常生活の中で、アメリカでは”危険なエリア”と”安全なエリア”が見えないバリアで区切られているような感があります。ただし、実際にバリアがあるわけではありませんので、”安全なエリア”に住んでいても、自衛意識が薄れることはないようです。特にリベラル州での暴動を目にした直後には、安全なエリアに住んでいる住民であっても、万が一、暴徒の襲撃を受けた際のシェルターのような部屋を確保したり、家族で避難経路の確認をしたりしました。

自衛のために許された銃で、より危険な社会になっている

これは事実です。しかし、アメリカはもはや銃規制を行えば銃被害がなくなるというような社会状況ではありません。繰り返しになりますが、今のアメリカで銃規制を行っても、それは善良な市民から自衛の武器を取り上げる行為にしかならず、悪意を持って銃を所持しようとする人から取り上げることはできないのです。そのような状況をさらに悪化させているのが、バイデン政権により混乱している不法移民問題があります。

不法移民問題に付随した、銃問題

仮に、全てのアメリカ人から全ての銃を回収できたとします。それでもアメリカで銃犯罪はそこまで劇的には下がらないと思います。それは国境を超えて、銃も麻薬も犯罪者も、アメリカに運び込みたい放題であるのが、バイデン政権のアメリカだからです。

🍀不法移民関連の過去のコラム🍀

テキサスの国境問題 (2021年9月)
米国・テキサスからの不法移民便、第2便もDCに無事到着(2022年4月)
テキサスの不法移民の子どもたちの今:米国連邦政府が見逃す人身売買・児童売春【PV内部告発より】(2022年12月)

不法に国境を超えてくる人に対して厳しい姿勢で臨もうとすると、「人権ガー!」を叫ぶリベラルの人が多いのですが、不法移民の実態がどのようなものか?少しでも実情を知れば、本当に人権を重視したい人であれば、意見は必ず変わると思います。そもそもアメリカは移民を受け入れないと言っているわけではなく、正式な手続きをとってくださいとしているだけです。にもかかわらず、なぜ不法に入国しようと試みるのでしょうか。不法難民の中には、一旦は受け入れてくれる別の国の市民権を得ながら、条件の良さを求めてアメリカに”侵入”してくる人もいます。メキシコのアメリカとの国境付近では、南米の国の市民カードのようなものが大量に捨てられているそうです。

さらに、不法にアメリカに侵入してくるのは、人だけではありません。人が持ち込む武器や麻薬も大量に押収されていますが、政府が把握できている量は、あくまでも捕まった人が持っていた分に限定されています。毎月、見逃されている不法移民は5〜10万人くらいいると考えられていますから、アメリカには確実に政府が把握できていない武器や麻薬が大量に存在していることになります。また、上記の不法移民関連コラムの3つ目、”テキサスの不法移民の子どもたちの今”で紹介させていただいた、”人身売買と思われる事例”では、組織的な犯罪を思わすようなものが出てきています。同様に、武器や麻薬の不法流入についても、背景には組織的なものがあると思われます。

アメリカで、銃乱射事件や子どもが銃を手にした事件等が起きると、メディアは必ず、”合法的に手を入れた銃”であることを強調します。これは明らかに「銃を規制すべき」というメッセージの植え付けだと思われますが、不法な銃の流入が止められない以上、合法的に取り締まったところで、”より悪意のある人たち(法律を無視した人たち)のみが武器を握る”ことになるのです。

繰り返しになりますが、私は市民が銃所持を認められている社会を決して心地よいものだとは思わないですし、銃社会には基本的に反対です。しかし、現在のアメリカの状況を考えると、むしろ規制する方が治安が悪化するように思えてなりません。

米国共産党をはじめとするリベラルや、メディアは、「銃は危ないから規制をかけろ」「不法移民はかわいそうだから、入国させろ」と、アメリカで起こっている事象のごく一部を切り取って、あたかも人権配慮しているような主張を展開しています。しかし、彼らの主張通りのことをしてしまえば、アメリカの治安は一層悪くなることが容易に想像できます。

今回起こった、バージニア州で小1が授業中に教師を撃った事件や、昨年のテキサス州での小学校乱射事件は、アメリカにとって、社会のあり方を考え直すべき事件であり、その解決策は、公立学校でのクリアバッグポリシーや金属探知機の導入ではないと思います。もちろん、一時的な安全を確保するには、必要な措置かも知れません。しかし、中長期的には、現在、テキサス州の議会で検討されているような子どもたちを”犯罪”から遠ざけるための教育が重要なのではないかと思います。

未成年たちがなぜ、銃を使った犯罪を起こしてしまったのか?

次回は、そもそも教育の現場で気になっていることについて、シェアさせていただきたいと思います。


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