【詩】臆病な犬のクオリア
きみの幼い暴力がすきだよ
肌に絡みつくような
サディスティックな笑みを浮かべて
力を振りかざすきみは得意げ
算数のこたえがわからないのは恥ずかしいけど
人の感性はわからなくても恥ずかしくないね
人をあざわらうことで
心を保ってたんだよね
臆病な犬ほどよく吠える
監獄ごっこの看守になって
きみはきみでいられなくなっちゃった
言葉ひとつで繰り上がるほど
世界はやわじゃないんだよ
レビューサイトでこたえ合わせはやめよう
ぼくらはおなじ色でさえちがうように感じてる
絶対的なものなんてなにひとつないね
数百年前まではお歯黒にときめいていたし
数十年前まで聞こえていた音は聴こえなくなる
数年前まで愛でていた虫も触れないほどきらいになるよ
ぼくらの尊い信仰も
はたから見ればカルトと変わりないかもね
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