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【自然栽培で家庭菜園】アレッタの冬越え

桜も咲いて、そろそろ夏野菜の準備の時期。
逆に言うと、冬越え野菜の収穫や、
撤収も始まる時期ということでもあります。

私が寒さに弱いからなのか、
冬越え野菜たちが厳しい寒さを乗り越え、
ぐ~んと大きくなっている姿を見ると、
心からホッとすると同時に、
そうだ!私も頑張らないと!と元気をもらいます。

そんな今年の冬越え野菜たちのなかで
私の心に一番残った野菜、それはアレッタです。

アレッタは、茎ブロッコリーとケールを掛け合わせた
新しい野菜。
苦味はなく、キャベツとブロッコリーをあわせた
濃厚な味を楽しめます。

たまたま昨年の秋、知り合いの方から1株だけ
苗をもらいうけ、畑に植えたのですが、
虫達に人気があったのか、
もともと弱い株だったからなのか、
あっという間に、葉っぱが穴だらけに!
近くに植えた茎ブロッコリーには被害がなく、
アレッタだけという悲しい有り様・・・。
株もそれほど大きくなりません。

虫食いの痕が痛々しい

ようやく涼しくなるにつれ葉っぱが増えてきましたが、今度は頂花蕾が全くできません。通常は11月頃には摘芯していたのに、どうしたことなのか?ヤキモキする毎日。

そもそも頂花蕾(ちょうからい)とは、
成長点の先端につく蕾のこと。
ブロッコリーやカリフラワーは、この頂花蕾を大きく育てて食しているのですが、茎ブロッコリーや、アレッタは
成長した側枝部分を食すもの。

頂花蕾を摘芯しないと、側枝は成長してきません。
摘芯は、側枝成長のスイッチみたいなものなのです。

この素早い切り替え行動、
私には、野菜の逞しい生存戦略のように感じます。

野菜の最終目標は、子孫を残すこと。
最初にできる頂花蕾を育てて、種をつけることができれば、
野菜にとってはエネルギーに無駄がない。
そんな大きな存在の頂花蕾が無くなってしまったからこそ、
別の手段で子孫を残そう!と
側枝を伸ばしているような気がしてならないのです。

話を畑に戻すと。。。
ジリジリ待ち続けて、とうとう年を超えた1月半ば。
頂花蕾がないものの、
意を決して成長点をカットしてみました。
と、なんと茎の内部は空洞!
しかも黒ずんでます。
これが原因だったのかも!と感じました。

大きく開いた空洞

後で調べたところ、空洞は窒素過剰など
何らかの生育不良によるもの。
今年初めての畑で、ほとんど施肥してないのに
窒素過剰になるのでしょうか・・・
原因は腑に落ちず。

こんな状態では側枝も伸びることはないし、
さらに弱くなってしまうのではないか。
撤収するか、悩みました。

そこで思い出したのが、自然農の教え。
今年その野菜がうまくいかなくても、
その野菜があることで、他の野菜への被害が抑えられたり、
次の作物の土づくりがされている。
病気などによる他作物への感染被害がないのなら、
むやみに撤去しないこと、と言われたことを思い出したのです。

確かに、感染するような病気を持っているわけではないし、逆にアレッタのおかげで、隣の茎ブロッコリーが元気に育っているのかもしれない、しかも次の夏野菜にも影響があるのかも、と思い直し、そのまま残すことにしました。

そんなアレッタですが、なんと!
2月の中旬ごろから側枝を伸ばし始め、
たくさんの側花蕾、つまり
食べられる実をつけてくれたのです!
まさか、そんな嬉しい展開が待っているとは~💛
これには、本当に驚きました。

通常より小ぶりなサイズで、収穫量も少なめですが、味はしっかり。苦味はなく、キャベツの芯に近い濃い味がします。3月中頃からは、少しづつ花も咲き始め、春を謳歌する姿は堂々としていて、これぞ、肝っ玉母ちゃんならぬ、肝っ玉野菜?植えたころの弱々しさは、もう微塵も感じられません。

収穫も充分に楽しみ、一昨日、アレッタを
根っこだけ畑に残して撤収しました。

諦めない姿をたくさん見せてくれて有難う。
生きる美しさを見せてくれて有難う。

畑に残ったあなたの根は、いずれ分解されるけれど、
根に宿るあなたの精神も、この土に受け継がれていくよね。

私はそう信じています。

立派に春を迎えたアレッタ




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