シェア
かっぴー(漫画家)
2017年7月1日 17:29
前回までの「アイとアイザワ」-愛は、閉まりかけた扉をとっさに身体で押さえた。視界に光の残像が残っている。愛が放ったフラッシュトークの光が、よく磨かれたステンレスの壁面に反射したせいだ。画面の反対側にいた愛自身も、その強烈な光の流れ弾に晒された形になった。愛は長い睫毛をパタパタと瞬かせ、それを何度か繰り返してから、足元の一年以上履き込んだローファーを確認した。視界はほとんど元通りになっていた
2017年7月1日 19:17
前回までの「アイとアイザワ」-黒いオートバイ。あれはHONDAのCBR400Rというやつだ。愛は以前立ち読みした男性誌の解説文を瞬時に思い出していた。流線型のスポーティーなフォルムが、愛の緊張感をより刺激する。「現在の速度では60秒後には追いつかれるでしょう。」AIZAWAの声は半径1m。ギリギリ運転手に聞こえかねない距離だった。愛はiPhoneを耳に押し当てて電話をしているフリを