足助のおばさんと介護 136
ブログの引っ越しをしてから「アーカイブ」という機能ができたので、自分の昔の記事を読んでます。おばあさん(姑)との確執をずいぶん書き込んだものですが、おかげで農作業に関する知識は都会暮らしだけでは得られなかった財産になったと思っています。昔は、胡瓜や茄子が夏野菜だなんて認識もなかったですから。
一昨日あたりからようやく涼しくなり、おばあさんは今朝早くから白菜の種まきをしていました。
おばあさんが作るのは出荷が目的ではないので、家のまわりの狭い、と言っても市民農園の10軒分くらい?の面積の畑で、常に5~6種類の野菜を同時に作っています。同じ畑で同じ作物を栽培するのは本来ならばリスクが高いらしく、専業の農家さんがどうやって毎年同じ野菜を大量に出荷できるのか、私にはわかりません。おばあさんが「今年はここに大根を撒こう」とかいろいろ考えるのは相応の理由があるのですが、夫にも私にもその理屈が把握できていないので、おばあさんの指示があるまでは何もできないのです。
↑で「白菜の種」と書きましたが、場合によっては苗を買って来て植えるものもあります。私の知っているところでは、大根、白菜は種から育てて、胡瓜や茄子は苗を買ってくるようです。その理由もわかりません。
ベランダでガーデニング、なんてお洒落なものじゃないので、種を直接畑にまくわけではありません。プラスチックの小さなカップに3~5粒ずつの種をまいてパレットという平たいものに30カップくらい並べ、発芽して5~10センチに育ったものを畑に植え替えます。1カップ当たり1玉の白菜に育てるため、随時間引きをします。専業農家なら捨ててしまうものですが、みそ汁の具にしたり、油でいためたりして食します。それでも食べきることはできないですが。
そして、大きくなった白菜は、固く葉が巻くように一つずつ上部を紐で縛ります。この作業を怠ると、大きく開いたキャベツ様の状態になります。この「紐」ですが、おばあさんは古い衣類を裂いて、手作りの紐を使います。徹底的にエコロジーです。
経済的に計算すると、種の段階では1袋300円くらいで50個くらいの白菜が収穫できる計算ですが、これらの作業を考えるととてもじゃないが真似はできません。種以外に肥料代もかかります。
著名な文化人の中で、老後に農業をなさっている方も少なからずあります。私の考えでは、そう言う方たちは他に仕事があるからできるのであって、おばあさんのような昔ながらのやり方は、根性だけでは受け継ぐことが不可能です。(2019年8月25日 記)
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