足助のおばさん 田舎暮らし 187
「日記買う」は、冬の季語です。
昔、おじいさんが元気だった頃、3年に1度「博文館の3年連用日記」というものを買いに行かされました。縦書きだったと記憶していましたが、今ネット通販のサイトを見ると、罫線はなかったようです。ケース入りのかなり高級な感じのするものでした。
足助の書籍&文具の白久書店とは遠縁にあたるとかで、おじいさんの入用なものは大抵お店のご主人が把握していて、定期購読している雑誌を買いに行くのも私の仕事でした。筆記具も細かくメーカーを指定されたものです。
畑仕事はほとんどやらないおじいさんでしたが、おばあさんがその日にやった畑仕事を逐一日記につけていましたので、おばあさんは、おじいさんの日記を見ては「さあ、芋を植えよう」とか「白菜を撒こう」とかを判断していたのでした。
そのおじいさんが亡くなってしまったので、今度はおばあさんがその3年日記を受け継いだのですが、3年が終わってからは、「自分が3年後に生きていないかもしれない」と、わざわざ3年日記を買うことはせず、夫が職場でもらってくるビジネスダイアリーに畑仕事を書き留めるようになりました。
今は、夫が職場でもらってくる手帳の類はなくなってしまいましたので、昨日見たら、ビビッドなピンクのA6サイズの市販のダイアリーがありました。夫が買ってきたようです。
おばあさんは、1週間どころか2週間分をまとめて記入できるという、驚異の記憶力の持ち主です。(2018年12月19日 記)
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