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足助のおばさんと教育 32

パターンナー

服飾業界にパターンナーという職業があります。ファッションデザイナーというのは、ひときわ華やかで、女の子にも人気の職業ですが、そのデザイナーさんがイメージしたファッションを、イメージ通りに形にするために型紙を作るのがパターンナーさんのお仕事です。プレタポルテでもオートクチュールでも、パターンナーさんは欠かせない存在です。
私のお針は、中学高校の家庭科で習っただけの素人洋裁ですが、もし、高校在学中にこの仕事のことを知っていたら、あるいはその道に進んでいたかも知れません。残念なことに、その頃の私は四大に進むことしか道はないと思い込んでいたので、誤って教員養成大学なぞ選んでしまいましたが、型紙の作り方をきっちりマスターしていれば、そこそこ仕事ができたように思います。
「装苑」という雑誌がありました。「ドレスメーキング」という雑誌とともに、洋裁本の双璧でした。一時「SO―EN」と若者向けにリニューアルして、(鷲尾いさ子ちゃんが表紙でした)、また「装苑」に戻ったようですね。戻ってからの「装苑」は買ったことがないので内容を知りません。
その、昔の装苑に「文化デザイン大賞」という、若手クリエーターのためのコーナーがありました。1次審査はデザイン画で、2次審査は実際に洋服に仕立ててモデルに着せて審査されます。その際に、デザイン画通りの服を仕立てることのできる人は少なくて、その難しさを私は他人事ながら「大変だな~」と見てました。パターンナーという仕事を知ったのは、その後しばらくしてのことでした。そうか、オリジナルなデザインができなくても、できる仕事があるんだな、と目の覚める思いでした。
私もその後、教員への道からシナリオへの道へ方向転換し、オリジナルなドラマを作るには知識や感情だけじゃなく、何かプロフェッショナルなものが必要なんだなという域まで来て、パターンナーさんのことに思い至りました。
過去のことに「if」は厳禁ですが、生まれ変わったらパターンナーを目指してみたいかな、と思ってます。(2008年7月5日 記)

(元ブログ パターンナー: Here Come the 足助のおばさん (asukenoobasann.com)

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