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足助のおばさんと教育 45

母語

長年英語の勉強を続けてきましたが、結局日本の子どもたちが国際的に通用するために身につけなければいけないのは日本語だという結論に至りました。その手頃な例が麻生さんですが、外国語を学ぶ時に自分の育つ環境にある、まあお母さんの言葉ということになるのでしょうが、母国語がきちんと身に付いていないと、外国語の習得にマイナスになります。
これはちょっと語学系の本をひもとけば多くの人が語っていますので、そもそも論はそちらに譲りますが、子ども相手に英語を教えることがどれほどの意味を持つのか、しかもそれでお金を稼ぐことが是か非かという命題が常に私の中にありました。
小学生も高学年になればそれぞれにモチベーションをもって習いに来るので、教えがいもありますし、成果も上がります。私の経験から言って、子どもが英語を習うのは小学校でローマ字を習って、ある程度知識も蓄積された4年生の後半から5年生くらいがベストだと思います。もちろん、当人にその気がなければ中学になるまで待っても充分です。ただ、いずれにせよ、日本語の文法がきちんと身に付いていることが前提です。
よく聞く早期教育の脅し文句が「3歳までに始めなければ、きれいな発音が身につかない」ということです。帰国子女などの経験から言うと、小さければ小さいほど現地の言葉に馴染みやすい、というのはおそらくその通りなのでしょう。しかし、ケインコスギのように、英語はしゃべれても日本語があやふやでは本末転倒です。
それよりも、小さなお子さんのいらっしゃる家庭では、日本語を丁寧にしゃべることに心を砕いてほしいと思います。「あそこのあれとって」じゃなくて「台所の戸棚の左側にある楕円のお皿をとって」と言えば、子どもの日本語力に大きな力になります。また、子どもが相手だからと思わずに、わざと難しい言葉を使ってみてほしいと思います。「すなわち」とか「ことさら」とか、新聞の記事で読むような言葉を積極的に使ってみてください。きっと、ご自身の教養にも大きな成果があることと思います。(2009年2月3日 記)

(元ブログ 母語: Here Come the 足助のおばさん (asukenoobasann.com)

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