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足助のおばさんと教育 44

共通一次

30年前の昨日と今日が初めての共通一次だったそうです。もうセンター試験に移行して何年もたつので、知らない世代もあるかもしれませんね。実はこの史上初の共通試験に挑んだのが私たちの世代でした。
私が在籍していたのは、当時では県内屈指の進学校でしたが、生徒の意向を重んじるという主義でほとんど進学指導のようなものがありませんでした。成績が悪くても「東大を受けたい」と言えばそのようにさせてくれたので、ある意味とても生徒に優しい高校でした。
私たちが高校に進学する頃から共通一次の話題は出ていたんですが、当面の高校入試を突破することに全力を費やしていたので、大学のことなんて眼中にありませんでした。それなのに、高校の入学式でいきなり共通一次の話題に触れられて、私は「何?」って感じでしたが、世の中は確実に動いていました。
私たちは共通一次が避けて通れない学年らしい、ということは理解しました。もう1学年上の皆さんは試験が行われるのか行われないのか微妙だったらしいですね。結局、上のみなさんまでが旧来の試験で、私たちは、共通試験の実験台になったようなものでした。5教科7科目1000点満点という試験でした。マークシートというのも聞き慣れない物で、中にはあの米粒のような欄を黒く塗る練習までした学校もあったそうです。
それなのにわが千種高校は「実力があれば、どんな試験でも大丈夫」という、信頼されてるのかほっておかれたのか、取り立てて共通一次向けの学習はありませんでした。その上、制度が大きく変わって、国立一期校・二期校の区別が無くなり、原則国公立は1校のみ受験ということになりました。
「大学へ行くなら国公立」という我が家の経済状態もあり、私はまさに背水の陣で大学受験に臨むことになったんですが、一次試験が選択問題ばかりになりましたので、私にはかえってありがたいことになりました。
もう、娘息子も受験の心配がいらなくなって、本当に気持ちが楽になりましたが、世間には不況の風が吹き荒れてます。就職してもそれでOKとはいかない世の中ですが、今しばらくのんきな主婦でいられることに感謝しています。(2009年1月14日 記)

(元ブログ 共通一次: Here Come the 足助のおばさん (asukenoobasann.com)

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