松本清張の小説の舞台31
今日は、新潮文庫、傑作短編集(一)『或る「小倉日記」伝』の12編のうち前半6編である。
表題作の『或る「小倉日記」伝』は、文春文庫、宮部みゆき責任編集「松本清張傑作短編コレクション」上巻にも収録されている。主人公は、田上公作である(実在の人物がモデル)。舞台は、小倉・熊本・久留米・柳河・西谷村である。
「菊枕」と「火の記憶」は、文春文庫、宮部みゆき責任編集「松本清張傑作短編コレクション」下巻にも収録されている。「菊枕」の主人公は、女流俳人である(杉田久女がモデル)。舞台は、熊本・お茶の水・鶴岡・福岡・大宰府・観世音寺・都府楼址・片瀬・武蔵野・英彦山・門司・和布刈岬である。「火の記憶」の舞台は、湯河原・房州の漁村・大阪・本州の西の涯B市(不明)・九州N市(不明)である。
「断碑」(だんぴ)の主人公は、考古学者である(森本六爾がモデル)。舞台は、奈良県磯城郡・畝傍中学・東京高等師範・京都大学・河内・東京帝室博物館(現・東京国立博物館)・大和高市郡畝傍・大和北葛城郡・郡山・尼ヶ辻駅・生駒郡・上野・上総国分寺・虎の門・福岡・世田谷・諏訪・下伊那・フランス・シベリヤ・ローザンヌ・仏領トノン・レマン湖・モンスリイ公園・ルーヴル・ノートルダム寺院・マルセーユ・香港・神戸・小石川水道端・鎌倉・極楽寺・由比ヶ浜・稲村ヶ崎・南仏・江の島・腰越・奈良・京都・百万遍・三輪である。断碑とは、壊れた石碑のこと。
「笛壺」の主人公は、文学博士である。舞台は、武蔵境・代々木・福岡県・筑紫国分寺址・筑紫戒壇院址・観世音寺址・博多・本郷・東京大学・法隆寺・高輪・麻布六本木である。
「赤いくじ」の主人公は、出征した道庁役人の若い妻をめぐる話である。時代は終戦前後。舞台は、京城(ソウル)・高敞(コチャン)・群山(クンサン)・木浦(モクボ)・馬山(マサン)・済州島・光州・下北沢・梅ヶ丘・代々木・新宿・渋谷・銀座・ラバウル・仁川・釜山である。