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元インター職員のつぶやき⑦ー春はプロムの準備季節

インターの高校にとって華やかな行事、プロム(卒業前のダンスパーティー)は、卒業式前の5月中旬くらいに行われる。会場が校内の場合もあれば、校外の場合もある。

春休み前から、女子たちのプロムの準備度は凄まじい。彼女たちのドレス選びは、冬休み前から始まる。日本の公立校育ちだったわたしは「なんでそんなに早く準備するの?」と素朴な疑問を投げかけた。すると彼女たちから「可愛いドレスはすぐに売り切れちゃうから!」と、分かり易い答えが返ってきた。

アメリカのドラマや映画に出てくるように、男子生徒が意中の女子生徒に「プロムに一緒に行ってくれる?」と尋ねてくることが多い。幼馴染同士で参加のパターンもあるし、交際相手と参加したりする。プロムに参加出来るのは、カップルのどちらかが11年生(日本の高2)か12年生(日本の高3)でないとダメ。カップルによっては、12年生の相手が10年生という場合もあった。英語でプロムに一緒に行く相手を、「プロムデート」と呼ぶ。

ただ参加するだけでなく、当日に向けプロムデート同士で準備が始まる。プロムデートのドレスの色を確認し、同じ色のネクタイを選ぶ。女子生徒の手首に「プロムコサージュ」と呼ばれる花をあしらった飾りを見繕ったりする。

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男子生徒のジャケットの襟元につける花と、このプロムコサージュにあしらえている花がお揃いのことが多い。さりげない洗練さが伝わる。

日本にいながら、プロムのような海外の学校行事の体験が出来ることは、インターならではの醍醐味。

毎日のように大笑いしている普段の生徒たちを知っている分、ドレスアップした姿を見た時はわたしまでウルウルしてしまった。他人のわたしがウルウルするんだから、彼らを育ててきた保護者がドレスアップした姿を見て涙ぐむのがよくわかる。日本だと成人式で「子供の成人した姿」を実感する機会なんだろうけど、インターだとプロムで「子供の成人した姿」を実感すると思う。これも、文化の違いと受け入れると興味深い。

今は学校行事の実現が厳しい世の中だけど、プロムで楽しい思い出を作ってもらいたい。

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