タイドラマの魅力 名前の使い方編
どうも、私が箱推ししているGMMTVが社員旅行に行ったり新しいドラマの撮影をしたりと、そのツイートが多すぎ、供給過多で多幸感半端ないricazouです。
※タイって、SNSの発信量が日本とは比べ物にならないくらい多くて、社員旅行や撮影の間中、所属俳優さん達やマネージャーさん、監督さんなど多くの人たちがベストショットをツイートしてくれるので、全て追っていたら仕事してる時間無いくらいの量です。
今回はタイの名前の使い方について。
タイの名前は本名とチューレン(ニックネーム)があって、その使い方は日本とは違います。
それがきっかけで私がタイ語の勉強を始めたと言っても過言ではありません。
ということで、今回はドラマとタイ語両方の布教記事です!
★記事の中でドラマの内容に触れています。
未視聴の方はお気を付けください。
チューレンとは?
タイの人たちは本名の他にチューレンというニックネームを持っています。
例えば私の好きな俳優さんを例に挙げると、
本名 ピーラワット・シェーンポーティラット
タイ語:พีรวัส แสงโพธิรัตน์ 英語:Perawat Sangpotirat
チューレン クリス
タイ語:คริส 英語:Krist
こんな感じです。
本名全く関係ないニックネームです。
タイの人は名前が長くて呼びづらいので、呼びやすいようにニックネームをつけているとのことです。
タイの人たちにとって名前はとても大事なので、両親が想いを込めて名前をつけると長くなってしまうようです。
それでは呼びにくいので、それとは別にニックネームを付けてそれで呼ぶそうです。
そして、ふだんはそのニックネームで呼び合うので、学校や会社でもお互い本名を知らないこともあるんだそう。
日本でもSNSだとそういう事ありますが、実際の社会の中ではありませんよね。
日本でのニックネームは、だいたい名前の一部をとってもじったものなのに、タイではそれが全く違うというのが私の関心を引きました。
⇩ポッドキャスト「Welcomeタイ沼」ではタイ文化に詳しいYuriさんがチューレンについて教えてくれています。
タイドラマでの名前
さて、タイドラマでも色々な名前が出てきます。
そして、そこでは名前がただの呼び名ではなく、名前と言葉をかけて口説き文句になったり、詩のようなたとえ話になったりするのです。
もう、それが素敵で、私はタイ語を勉強しよう!と思いました。
だって、英語字幕や日本語字幕では注釈で”こういう意味で言っています”、と入るのですが、それをネイティブの感覚で気づけるとより面白いじゃないですか!
では、そんなタイの名前にハマった私が、これまで観たタイドラマの中で特に名前の使い方が好きで仕方がないものを書いていきます。
※内容の特性上、部分的なネタバレになっています。
1 SOTUSの月と太陽
私のタイ沼を深くしたのは全て「SOTUS」がきっかけです。
タイの名前の面白さを知ったのもこの作品でした。
主要な登場人物は
チューレン:Oon (アイウン)
名前:Arthit Rojnapat(アーティット)
チューレン:Kong(コング)
名前:Kongpob Suthiluck(コングホップ スティラック)
ドラマの中で、アーティットは自分のチューレンがかわいくて後輩から馬鹿にされないかと心配してチューレンではなく本名で呼ばれています。
アーティットはタイ語で「太陽」という意味です。
コングホップは名前を短くしてコングと呼ばれています。
名前は惑星関係ないんですが、コングは学部のムーンになり、大学のコンテストで大学のムーンにもなります。
ムーンは「月」ですね。
※タイの大学では「ムーン&スター」という日本でいうミスコンのようなものがあります。男性が「ムーン」女性が「スター」です。
※タイは会話の中でも惑星に例えることが多く、このムーン&スターもそれと関係しているのでしょうか。
まずは、第5話で大学のムーンに選ばれたコングホップが学生協会のインタビューに答えた内容
”人気投票とムーンでW受賞です。今のお気持ちは?”
「悪くないです」
”悪くない?夜空の星に囲まれた月(ムーン)なのに”
「でも、夜空は星と月だけじゃないから」
”他に何があるの?”
(アーティットのいる方向を見て)「秘密です」
分かりましたか?
私も所見の時はこのやりとり????でした。
でも、アーティットが太陽という意味だと後で知り、このやり取りを見たら、もう悶絶です。
大学のスター(星)やムーン(月)に囲まれるよりもアーティット(太陽)と一緒にいたいという意味ですよね。
でも、これアーティット本人は聴いていなかったし、インタビュアーはアーティットとの関係性を知らないので、この告白ニュアンスが分かるのはコングと視聴者のみ。
しかもタイ語のアーティットの意味知らないと分かりません(汗)
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そして続編「SOTUS S」第2話のスペシャルシーンでのやり取り。
今夜流れ星が見えるという話題から、二人が星を一緒に観に行こうという話をしています。
その流れで今からプラネタリウムにでも星を見に行行こう、とアーティットに言われたコングが、先輩をからかいます。
アーティット 「そんなに見たけりゃ、プラネタリウムへ。行こう」
コング 「空の星が見たいけど、先輩も見ていたい」
アーティット 「もういい。流れ星は見られないな」
コング 「どうして?」
アーティット 「太陽(アーティット)がいるから」
アーティット(太陽)を見ていたら、太陽の光で夜空の星が見られないというオシャレなやりとりです。
はあ・・・ただのイチャイチャしているやりとりを聴いているだけなんですけど、そこに名前と惑星を絡めてくるってなんだかオシャレだなあ、と思ったんです。
日本だとあまりそういうこと無いんで、タイだとよくあるのか?
と、私がタイの名前に着目するようになったのはこの台詞がきっかけです。
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2 LOVELY WRITERの10カウント
BL原作者とBL主演俳優の恋愛を描いたドラマ「LOVELY WRITER」
日本では「LOVELY WRITER」という題ですが、
タイ語のタイトルは「นับสิบจะจูบ」(10カウントキス)
นับ:カウント
สิบ:10
จะจูบ:キス
そして主題歌も「1to10」
10カウントになにか特別な意味がありそうです。
そしてこれがニックネームと関係してきます。
主な登場人物は
BLドラマ主演男優のNubsib(ナップシップ)
BL小説を書いているGene(ジーン)
Nabsibはみんなから「sib(シップ)」と呼ばれています。
sibはタイ語で「10(สิบ)」と同じ読みです。
NabsibとGeneは小さいころによく遊んでいてました。
すねたNabsibにGeneが
「10まで数えて機嫌が直らないなら、仲直りしないぞ」
といって、ほっぺに人差し指を当てて10数え始めます。
※タイドラマではぽっぺに人差し指を当てるのは「ここにキスして」という合図になっています。
Geneが目を閉じて「1,2,3,4、・・・10」と数えるとNabsibがほっぺにキス。
なんというやりとり・・・
その時は仲いいなあくらいだったんですが、最終回で名前とのシンクロは起こりました。
付き合い始めて幸せな二人を襲ったスキャンダルのせいで、二人は別れを選びました。
でもそのショックから抜け出せないGeneは一人で昔を思い出してNabsibの家の庭に行きます。
そして、子どもの頃のNabsib(Geneの想像上)にかくれんぼの鬼にされ、
「Gene、目を閉じて1から10まで数えて」
と言われ、少年の姿のGeneが目を閉じて10数え始めます。
「1(ヌーン),2(ソーン),3(サーン),4(シー)、・・・」
そして「10(シップ)」と言って目を開けたら本物のSib(シップ)がキス!!
10とSibがシンクロした瞬間、現実に戻って二人の物語が戻ってくるのです・・・
これ、映像の編集が素晴らしいので是非動画で見てほしい!
有料ですが・・・
しばらく、このシーンだけずっとヘビロテしてました。
これをきっかけに私はタイ語の数字の読み方を知り、10まで数えられるようになりました。
今でも10を数えるとこのシーンが蘇ってきます。
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3 CUTIE PIEのキリン
「CUTIE PIE」は甘いストーリーと同性愛の社会的立場への主張、主演俳優2人の親密ぶりで毎日SNSを賑わせているドラマです。
主な登場人物
・旧家の御曹司
ニックネーム:Kuea(グア)
名前:เกื้อ กีรติ Kuea Keerati(グア ギラティ)
・中華系大企業の御曹司でKueaの許嫁
ニックネーム:Lian(リアン)
名前:เหลียน กิเลน หวัง Lian Kilen Wang(リアン ギレン ワン)
KueaはKirin(キリン)という芸名でライブハウスで歌を歌っています。
タイ語でกิเลน(ギレーン)とは「中国の麒麟(キリン)」の意味。
そこから「Kirin」という名前にしたとのこと。
そしてKueaの愛車(バイク)の名前はチーリン。
Kirinを中国語で書くと「麒麟」、その中国での読み方が「チーリン」なのです。
どちらも許嫁のLianの本名Kilen(ギレン)からとった名前です。
Lianのこと好きすぎですね。
Lianは中華系家系なので、Kueaは名前を中国語にしたりしてるんですね。
タイは家系が中華系かどうかで言葉も少し変わります。
それにしても、タイの名前は名前自体に意味があって素敵です。
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4 STAR IN MY MINDの星と波
もう、これが書きたくてこの記事を書いていると言っても過言ではないくらい、私の中で一押しの素敵な名前の使い方です!!!
究極の両片思い「STAR IN MY MIND」
Star&Sky seriesの第1弾です。
このシリーズ名も名前が関係しています。
主要登場人物
Daonuea(ダオヌア):ニックネームNuea(ヌア)
KhubKluen(カプクルン):ニックネームKluen(クルン)
Kuafah(クアファー):ニックネームFah(ファー)
Prince(プリンス)
DaonueaとFarは兄弟、その2人の話です。
タイ語でDaonueaは「北極星」、Fahは「空」
なのでStar&Skyシリーズなんです!
ここからして、もう名前がストーリーに関係してくる予感しかしませんね。
Starの方の「STAR IN MY MIND」ではDaonueaとKluenの両片思いをドキドキしながら見守るしかないストーリー。
Daonueaは友達にはNueaと呼ばせ、Daoは特別な人だけにしか呼ばせません。
タイ語でDaoは「星」
特別な人にだけしか「星」と呼ばせないんですね。
EP4で2人はお互いに名前からイメージした絵を描いたTシャツを送ります。
この時まだお互いの気持ちは伝えられていないけれど、もう名前の絵を描いた時点で両思いなんですけどね。
そして、FinalEP8で思いが通じ合った後のやりとり。
空を見上げて
K「どの星が北極星(Daonuea)なの?」
D自分を指さして「この星(Dao)だよ」
K「一番輝いてる星(Dao)でしょ?」
D「そうだよ」
K「お前言ってたよな、北極星(Daonuea)は絶対にどこにも行かないって。
地球がどう回ろうとも、北極星(Daonuea)はいつも同じ場所で輝いているって。」
(中略)
K「いつまでも一緒にいてほしいDaonuea(北極星)」
D「北極星(Daonuea)は絶対に位置を変えないんだよ。
波(Kluen)がどこかに行くのかどうか見てみようか」
はあ・・・何でしょう。
お互いの名前を呼び合っていちゃついてるんですけど、なんだか詩的に感じるのは。
これにもうやられました。
そしてKluen役のJoong(ジューン)くんが歌うこのドラマの主題歌
「แล้วแต่ดาว (My Starlight)」
いやあ、Joongくんイケメンすぎですね。
それはさておき、
この歌詞の中にDao(星)とKluen(波)がいっぱい出てきます!
歌としての歌詞の意味としては普通に星と波に自分と好きな人を例えているんですが、ドラマのDaoとKluenを観たらシンクロする内容なんです!!
そしてKluen役のJoongくんがDaoを連呼している・・・もうファンは瀕死です。
ดาว(Dao) ダオ 星
คลื่น(Kluen)クルン 波
この2つの音だけに注意して曲を聴いてみてください。
1フレーズに1回は聞こえるんじゃないかというくらい出てきます。
Kluenはドラマの中で恋人の前でだけ自分のことをKluenと呼ぶんです。
※タイでは一人称を自分の名前でいう事があります。
まさにこの歌詞はKluenが恋人のDaoに話しているような感じ、上記の最終回の二人のやり取りが蘇ってきます。
きっとオタクがハマることを狙って歌詞を書いたんですよね?
最初に聴いたときはただいい曲だなあと思っていたけど、意味を知って聴くと、この曲はKluenのDaoへのラブソング!!!
誰にでも当てはめられるラブソングではなく、この2人だけの曲です!
そう思ったら、普通には聴いていられません。
そして曲→ドラマ→曲→ドラマ→・・・のループが止まらない・・・
制作陣のトラップにまんまと引っかかったオタクは私です。
⇩このシーンは最終回の最後なんで、未視聴の方は再生するかどうかよく考えてからに。
⇩「STAR IN MY MIND」はYouTubeで観られます。日本語字幕つき。
人気になったら有料配信で独占配信になってしまうタイドラマ。
もう少ししたらこれも有料になってしまうかもしれないので、
気になったら今観ることをお勧めします。
ということで、私の好きなタイドラマの名前の使い方でした。
きっと他にもこういう素敵な名前の使い方あるんでしょうね。
すごくコアな内容でしたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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