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Mrs. GREEN APPLE『The White Lounge』2/6公演レポ&考察論文

ついにネタバレが解禁されたということで!!
私は東京国際フォーラムDay1に参戦したのですが、
公式から公開された情報もいれつつ、論文かよ!とツッコミたくなるぐらい長々と綴っておりますので、好きに読んでくださいませ。

また「Atlantis」のシネマビューイングで、今回のライブの話が出た時に、もっくんがこういう風に話されていたのですが、

ネタバレ禁止というのは、演出とかセトリを知って欲しくないっていう意味ではなく、それを知ったとしても理解することはできないんですよ。100人見たら100人が違う捉え方をするものだと思っているので。見た人がその人なりの持ち帰り方をして欲しい。だから先入観を持って見てほしくなくて。故にネタバレ禁止と今回は言ってます。

本当にまさにその通りな内容なので、今回のはある一意見として読んでいただけたら幸いです…!
それではさっそく!!!💨

★全体的な感想★

目次を見ていただいたらわかる通り、正直言いたいことも書きたいことも山ほどあるんですけど、全部一気に書いちゃうとなんのこっちゃわからなくなるので、一旦トータルの感想を軽く書いちゃいたいと思います!

まず、今回は通常のライブではないと公式から発表がありましたが、本っ当にその通りで、ダンスあり歌ありお芝居ありの、ジャンルとしてはミュージカルのような公演でした!!
ひろぱと涼ちゃんは演奏してましたが、もっくんは今回一切楽器を弾いていません。
楽器の話で言うと、涼ちゃんが結構な曲数フルートを吹いていて、それ以外にもピッコロやアコーディオンなどいろんな楽器を演奏されていたのが、個人的にはめちゃくちゃ嬉しかったです…!
もっくんはダンサーさんと一緒に踊る場面がかなりあったんですけど、バッチバチに踊るというよりかは歌詞に沿ったキャッチーな振り付けが多かった印象でした。
今回はおそらく全楽曲アレンジがされていて、ミュージカル調なこともあり、もっくんの歌い方も終始しっかり歌うというよりは、一部セリフのように崩して歌っているところもありました。

とまぁこんな感じにサラッと書いたところで、ここからはセトリを追いながら詳しくレポしていけたらと思っております!
わかりやすいように、個人的な場面の感想は()内に書いていくので、好きなように読んでいただけると幸いです。
※以下出てくるセリフや歌詞は、自分の記憶+ホワンジに参戦された他の方の記憶を合体させたものなので、必ずしも100%正しい訳ではありません。
その点はご了承ください…!
※レポ部分のみ敬称は省略させていただきます。

★セトリ★

★開演前

客席に入ると、おそらく薄くスモークが焚かれているのか、会場全体の空気が白かった。

セットとしては1階・2階と分かれていて、

1階部分には下手側に扉、大きなライト(街灯含む)4本、長机と椅子3脚・アナログテレビ3台
中央に扉、冷蔵庫、ソファ、階段
上手側にバー的なカウンターに回転丸椅子が数脚、デスクと椅子1脚、タイプライター

2階部分には下手側に丸机1つ、階段
上手側にデスクと椅子2脚、ラジカセ、階段
下手上手中央にそれぞれ窓が1つずつ

天井には階段、ソファ、椅子が反対向きにぶら下がっている。

舞台では外国人男性シンガーの歌うジャズがずっと流れており、キャストの方々が白い仮面をつけてお芝居されている。
動作のスピードが通常の0.5倍ほど。
(そのため無機質感が凄かったです)
キャストの方は日本人だけではなく、白人や黒人の方も出演されていて、国際色豊か。

★第1幕(50分)

#1 マスカレイド

若井・藤澤が下手奥にある扉から登場。
各々楽器を手にして準備をする。
(2人とも白い仮面をかけていて、動作もキャストの方々と同じくゆっくりでした)
その後真ん中の扉から白いトランクを持った大森が登場、歌い始める。

1.The White Lounge(書き下ろし)

ドアを開けたら何かが変わるのか

誰もが怯えて過ごしてる
白い部屋にはひとりたち
それは具像か はたまたイメージか
断ち切れない愛を探して
白い部屋にはひとりたち

未発表曲 歌詞

一人の女性が大森に話しかける。

女性「どこから来たの?」
大森「(不思議そうに)どこって…?」
女性「まぁいいわ、ゆっくりしていってね」

女性が去り、大森はまた歌い出す。

今日も人々は仕事で疲れてる
想いを寄せた人を思い出してる
びしょ濡れで光を放って
光るものを探してる
今日も人々はちぐはぐに愛してる
青さの欠片を拾って
華やかにステージを飾って終わりを始めた

呆れるまでもなく全てが嘘で本当
いつの日か誰かが手を伸ばしてくれる
そう信じてた
僕も本当は大声で助けてと言いたいけど
嫌われたくはないから
今日も仮面で顔を隠して心を閉まってるけど
このままじゃいけないのは分かっている

繰り返す間違いを嘲笑ってくれ
境界は狂う
本当を見抜いて愛して欲しい
もうすぐ我儘は終わる

未発表曲 歌詞

#2 水と影

真ん中に置いてある冷蔵庫から緑色の瓶を取り出し、上手側のカウンターに座る。
カウンターには、マスターのような男性が立っている。
大森は瓶を開けグラスに注ぎ、一口飲んでからポツリぽつりと歌い出す。

2.Folktale

途中2番あたりで下手にある椅子に座り、机を挟んで反対側の椅子に座っている女性と同じ手振りのダンスをする。
(大サビではよく1オクターブ上がるアレンジをしていますが、今回は原曲通りに歌っていました)
歌い終わると舞台上が暗転し、1階のテレビと2階の窓にザーッと砂嵐が映される。

〜砂嵐〜

#3 手紙(過去との会話)

大森は汚れを払うように、念入りに着ている服をはたいてから、上手奥にあるデスクに向かう。
デスクには、タイプライターが置いてある。
椅子に座り、打っている文字を呟きながら手紙を書いていく。

大森「お久しぶりです。お元気ですか?僕のことを、覚えていますか?僕はあれから、ずっと君のことを考えています。でも、考えれば考えるほど、分からなくなるのです」

そう打ち終わると、大森は歌い出す。

3.君を知らない

2番に入ると、手紙の受け取り主であろう女性が下手袖から出てきて、大森とデュエットダンスを踊る。
お互い同じ方向を向いているようですれ違っている、といったニュアンスの振りが付いている。

4.ダンスホール

落ち込んだ様子の大森が、下手にある長机を前に椅子に座る。

大森「『幸せが逃げるよ』そう君はよく言っていた。また君と踊れたらいいのに。そうしたらどんなに幸せだろう。あの頃みたいに…」

そうボソっと洩らすと、泣きそうになりながらアカペラで頭サビを歌う。
(この時の歌い方なのですが、かなり溜めて歌っていて、『いつだって……大、丈夫………』のような感じで頭サビは進んでいきました)
間奏に入ると、店員の格好をした若井と藤澤がテーブルクロスやメニューを持ってきたりと給仕をしに来る。
1番サビがくると、大森が急に机に上がって踊り出す。
それを見た2人は「ちょっと!それは困ります!!」といった感じでアタフタし始めるが、最終的には2人も加わり3人で楽しく踊る。
曲が終わると、若井が「やばいこんなところ見られたら!早く片付けなきゃ!!」と我に返り、焦りながら机の上を片付ける。

〜砂嵐〜

#4 反射

5.ツキマシテハ

1階奥で若井、上手側で藤澤が楽器のスタンバイをする。
赤照明の中、大森が真ん中の扉から出てくる。
歌いながらテーブルクロスを掴んで投げ捨てたり、椅子を倒したりと、かなり感情的。
途中歌詞に出てくる大人を投影した(?)メンズダンサー2人と絡む。
2番終わりの間奏でリフトあり。
(もっくんがそれぞれダンサーさんに持ち上げられていました)
(ここの間奏でギターソロがあったんですけど、ひろぱが尋常じゃないぐらい格好良かったです)
大サビは歌いながら2階に上がる。
ラストは息が上がって、下手にある丸机に突っ伏しながら咳き込んだりと過呼吸っぽく終わる。
(おそらくアウトロで、涼ちゃんがキーボードを手のひらで叩くように演奏してて度肝を抜かれました)

〜砂嵐〜

#5 愛という名の種

大森は2階上手に移動し、汚れを払うように念入りに着ている服をはたいてから、眼鏡をかける。
デスクの上にあるラジカセの電源を入れると、「They are」(頭サビ)がうっすらと流れ出す。
そこに女性がコップを2つ持ってきて、お互い椅子に座る。
(「君を知らない」で出てきた女性とは別の方でした)

女性「ブラックでよかった?」

大森「あぁ、うん」

女性「牛乳がまだ少し余ってたんだけど…怪しかったからやめといた」

大森「ありがとう」

(大森コーヒーを飲む)

女性「どう?」

大森「うん、美味しい」

女性「私も飲めるかな」

大森「ごめん、新しいの買っとけばよかった」

女性「ん?」

大森「いや…新しい牛乳」

女性「あ、牛乳か笑 いいよ、大丈夫」

大森「飲めないでしょ」

女性「飲める!」

(女性一口飲む)

女性「(苦そうに)うわぁ」

大森「やっぱり買ってこようか?笑」

女性「ううん、冗談よ」

大森「いいよ、買ってくるよ」

女性「行ってる間に冷めちゃうよ?」

大森「確かに」
(2人笑い合う)

女性「さっきの話なんだけどね…」

女性が(口パクで)続きを話している側で、大森は「Coffee」を歌い出す。

6.Coffee

1番後の間奏で、女性が大森に向かって話しかける。

女性「次はトマト作ろうと思うんだよね、ミニトマト!」
大森「ミニトマト…?」
女性「この前はなぜか苦くなっちゃったけど…」

そう言いながら眠ってしまった女性に、大森がブランケットをかける。
(2人の絶妙な空気感でのやり取りがリアルでした)

7.ニュー・マイ・ノーマル

大森が電話を手に取り、誰かにかけようとする。

大森「伝えたい言葉はいつだって言葉にならない。いつだって、伝えたいことは分かっていて、伝えたい気持ちはあるはずなのに。」

ダンサーも携帯電話をそれぞれ持ちながら踊っている。
(電話を使った演出が歌詞とマッチしてて良かったです)
ラストに大森が婚約指輪を差し出し、先ほどの女性にプロポーズをする。

女性「(涙声で)ありがとう…!」

大森「…こちらこそ!」

周りにいるダンサーが2人を祝福する。

8.PARTY

トランプの柄が描かれた白い扉が代わる代わる出てきて、大森が歌いながら順番に開けていく。
(扉の下にローラーがついていて、ダンサーさんが動かされていました)
(扉の順番にも決まりがありそうで、おそらく♤→♡→♢→♧だった気がします)
ラスト大森が♤の扉を開けてくぐり、暗転。
(「PARTY」は原曲と比べて力強く歌ってたのが印象的でした)

★幕間(15分)

休憩中も会場内では赤ちゃんの泣き声や、友達同士の喋り声、おじさんの咳やくしゃみなど、いろんな声が流れている。
(よくよく考えてみたら、女性の声は入ってなかった気がします)

★第2幕(45分)

第1幕にあった部屋のセットが横にずれ、街のようなセットになる。
街灯が下手にあり、真ん中に白いベンチが置かれている。
藤澤が少し早めに奥に置かれたキーボードの元でスタンバイしている。

#6 青さのカケラ

若井が女性とベンチに座りに来る。
(今まで出てきた女性とはまた違う方です)
服装は2人とも白。

若井「お花見にはまだ早かったかもね」

女性「明後日には満開になるんだって」

若井「そうなんだ。じゃあ一気にブワァって咲くのかな」
女性「そうかもね笑」
若井「唐揚げ美味しかったなぁ、唐揚げであんなに感動したの久しぶりだよ。多分、小学生以来。」

女性「ほんと?作ってよかった!」

(少し沈黙した後同時に喋り出す)

若井「ごめん、先いいよ」

女性「もし今週末暇なら…リベンジしない?お花見!明後日には満開になるみたいだし」

若井「今週末か、あー…(少し間があって)ごめん!用事があるから行けないや」

女性「そっか、じゃあ、また今度だね」
(雨が降り出す)
若井「じゃあ、そろそろ行こっか」

女性「うん…」

若井は上手袖にそのまま捌けるが、女性は立ち止まってしまう。
若井とすれ違い様に、白いフードを深くかぶった大森が上手から登場。
周りの通行人は黒い服に黒い傘をさしている。
大森は前を見てないため、男性とぶつかり舌打ちされ、「…ごめんなさい」と謝る。

大森「嫌だな。もう、何もかも嫌だ。1人になりたくて、でも1人になりたくなくて。人と一緒にいるのはしんどいし。でも誰かにそばにいて欲しくて…。
こんなことを考える自分も嫌だし。もう、何もかも、嫌だ。」

9.春愁

ダンサーは黒い服に黒い傘を差しながら踊っている。
(黒い服装の方々に囲まれながら、真っ白な服装で踊るもっくん、という対比がすごく効いていました)
曲の後半で先ほどの女性が下手袖から出てきて、歌い終わりと同時に座り込んだ大森に傘を差す。

女性「大丈夫?風邪引くよ?傘もってないの?」

大森「あっ…いや、持ってこなかっただけ…」

女性「なんで雨なのに傘もささずに歩いてたの?」

大森「それは、その…雨に、触れたかったから、かな」

女性「なにそれ、変なの笑」
(大森フードを脱ぐ)

大森「でも、思ったより…寒かった」

女性「…ねぇ、今週末空いてる?」

大森「今週末?…あ、空いてる」

女性「買い物、付き合ってよ!」

大森「…いいけど」

女性「嫌なら無理しなくていいんだよ?」

大森「あっ、いや…嫌じゃ、ない」

女性「(笑いながら)じゃあ決まりね!」

10.Just a Friend

2人がいろんな場所に出かける。
映画館→洋服屋→レコードショップ→ディナー
春夏秋冬を表す木の絵を出すことで、月日の経過を表現していた。
(こちらも扉と同じようにローラーが付いていて、ダンサーさんが動かしていました)
(レコードショップには、おそらくGUコラボの時のTheaterロゴが描かれたレコードがありました!↓)

歌詞の通り、会う度に大森は女性に対して好意を持つが、その気持ちが空振ってしまう様子が表現されていた。

11.Attitude

全体的に曲調に合ったキャッチーな振り付け。
(特にサビの『A.t.Ti.Tude(de.de.de)』のダンスがめちゃくちゃキャッチーで可愛くて。パタパタした手振りからの、右足で少しジャンプしながら左足を"de"のリズムに合わせてちょっと蹴るやつ(伝われい))
2番Aメロでは、上手奥のソファに大森が座り、『どうにか眠れるように〜』で女性ダンサーが1人ずつソファにもたれて眠る振りをする。
『白馬に跨る僕〜でも満悦』で1人のダンサーに白いバラを渡され、バラを持ったまま前に出て踊る。
最後まで歌い終わると、大森にピンスポットが当たり数秒間静止、暗転。

#7 虚構と虚無

12.Feeling

バンド隊によるジャズ演奏が数分間。
その間バックには、アメリカのネオン街のような風景が映し出されている。

アナウンス「本番5分前でーす」

ダンサー含め3人が衣装チェンジをして出てくる。
3人とも白燕尾に白シルクハットを被っている。
(女性ダンサーさんは白ジャケットに白パンツ)
(原曲よりもジャズ寄りにアレンジされていて、衣装も相まって80.90年代のジャズショーみたいでした。楽曲の曲調とかは異なりますが、イメージ的にはこんな感じ↓)

(あと2番後間奏のベースパートでひろぱがなっち(サポメンの森夏彦さん)の方見てニコニコしてたのが可愛かった)

13.ケセラセラ

持ち手がU字になったステッキを持った藤澤と、ギターを肩から掛けた若井が前に出てくる。
藤澤は劇場の支配人のように、客席に向かって語りかける。

藤澤「劇場!私たちはあなた方をこの1枚の屋根の下、ホールに閉じ込めました。骨組みだらけの味気ないこの箱も、私たちの手にかかればこんなに華やかで賑やかな場所に。どれだけ狭い空間も、無限の空間に広がる。虚構は無限。故にあなた方は閉じ込められたことで、別の世界へと導かれたのです。
不思議でしょう?あなた方は今日も綺麗に並んで私たちに目を向ける。同じ音を聴いて、同じリズムで手を叩いて、同じ空気を吸って…。生きている!そう感じますよね?あなたがそこにいるのを、私は、この目で、この身体で、感じている。私がここにいるのを、あなたが感じるように。
劇場!ここでしか体験し得ないことです。頑張っているあなたへのちょっとしたご褒美だと思って、存分に楽しんでください!私たちは、夢のような現実を、現実のような夢を、今日も贈ります。」

(私が見た時は涼ちゃんがセリフを言いながら歩いてたら、ひろぱにぶつかってしまって、2人ともふふって笑ってからセリフを言い直していて、見ているこっちもほっこりした瞬間でした)
(あと涼ちゃんの雰囲気作りが上手くてですね!「あおりんご白書」(CD初回限定盤に収録されているミニドラマ)を見た時も思ったんですけど、振り切った役演じるの上手いよなぁと改めて感じました)

藤澤は一礼すると、若井と共に舞台中央にセットされた小さなステージに上がる。
藤澤はアコーディオンを渡される。
大森もステージに上がり、スタンドマイクを前に歌い始める。
ステージの裏には左右3人ずつダンサーがいて、手振りで楽曲を彩る。
「ケセラセラ」は原曲ではなく、かなりスタジオセッション寄りのアレンジ。
『バイバイ〜』は上から色とりどりの紙吹雪が降ってくるが、しんみりとした雰囲気で終わる。

14.Soranji

アナウンス「本番以上です、お疲れ様でした!」

ダンサーや若井・藤澤が袖に捌けていく一方、不安そうにどこか戸惑っている大森。
呆然としている中、スタッフらしき一人の女性が「お疲れ様」と言い、ハットを受け取りにくる。
大森は声をかけられたことに少し嬉しそうにするも、女性はハットを受け取るとすぐに去ってしまう。
再びどこか寂しそうな表情になり、「Soranji」を歌い始める。
「Soranji」間は舞台上にスモークが焚かれていた。
(ラスト『何気ない今日をただ愛してほしい』のアレンジが初めて聴いたパターンのもので、『愛してほしい』のパートが1オクターブ上だったような気がします違ってたらすみません)

〜砂嵐〜

#8 僕の一部

15.The White Lounge-reprise-

舞台上には3人のみ。
大森がオープニング曲を歌い始める。

誰もが怯えて過ごしてる
白い部屋にはひとりたち
それは具像か はたまたイメージか
断ち切れない愛を探して
白い部屋にはひとりたち

〜砂嵐〜

#9 終わりの始まり

16.フロリジナル

タイプライターで打った手紙を受け取った女性や、ブランケットをかけて寝ている女性、若井や大森と話していた女性、携帯電話を持った人など、今まで出てきた人たちや小道具が総集編のように出てくる。
サビに入ると2階の窓にカラフルな色が沢山映し出される。
(個人的になんですけど、大サビで黒人ダンサーの方がバレエ大技のグランピルエットを舞台中央でしていてびっくらたまげました…!迫力ハンパなかったです)

曲が終わると各々袖に捌けていく中、大森は白いジャケットに中折れ帽を被り、最初に持って入ってきた白いトランクを手に取る。
そのまま去ろうとするが、少し考えた後名残惜しそうにトランクを下手側の椅子の上に置き、初めに入ってきた中央の扉を開けて、部屋を後にする。

〜砂嵐〜

★MC

大森「いやー、『The White Lounge』今日は来てくれてありがとうございま!!(お辞儀)」
藤澤「え!"す"はどこいっちゃったの⁈こわ!!」
大森「見ての通りこんな感じで回らせてもらってますので…ネタバレしちゃダメなのわかったよね?」
客席「(拍手)」
大森「そして久しぶりの国際フォーラムということで!」
2人「ね!!」
大森「前は…2017年かな?『MEET YOU TOUR』で来ましたけども。その日涼ちゃんが24歳の誕生日だったんだよね?」
藤澤「そうそう!」
大森「で、今年何歳なんだっけ?」
藤澤「今年で31歳になります!!」
客席「(拍手)」
大森「東京でのライブはいつぶりだろ」
若井「12月とかじゃない?」
大森「そうだそうだ。涼ちゃん、何か言いたいことないの?」
藤澤「あけましておめでとー!!」
大森「僕らの年末の活躍見てくれたかなー⁈」
若井「あんまり自分たちの活躍話す人いないから」
大森「(若井の方を向いて)大きい声で突っ込んでくれないとわかんない」
若井「いや、ツッコミにくいんだよ!触れるの難しいから!!」
大森「(客席に向かって)笑えー!笑えよー!!(圧)
知らない人はネットニュースを見てね。
はい!じゃあ今からコントね。僕銀行員やるから、若井はコンビニの店員やって」
若井「わかった」
藤澤「じゃあ僕はコンビニのドアやるね!」
(手でドアのスライドを表現する)
2人「それじゃ話が進まないから!!」

大森「我々これからも楽しいことを考えてるので。3月にはFCもリニューアルするし。
今日新しくアプリ出たけどダウンロードしてね?」
客席「(シーン)」
大森「(不機嫌そうな顔)」
若井「ねぇ、変な口なってるよ笑」
大森「だって返事してくれないんだもん…
今日新しくアプリ出たけどダウンロードしてくれるよね⁈」
客席「(口々に)はーい!」
大森「(嬉しそうな顔)」

大森「え、また遊びに来てくれるよね?また会いに来てくれますか…?」
客席「(大拍手)」
大森「余は、余は嬉しいぞ」

ラスト袖にはけながら大森が若井に合図を出す
若井「(急にボイパを始める)」
大森「(被っていたハットで若井の顔を隠す)」
若井「うおぉい!顔隠すなよ!!」
2人「(手を振りながら)バイバーイ!また来てねー!!」
若井「俺のボイパは顔見せないとダメだろ!…
(手を振りながら)バイバーイ!じゃーねー!!」


ステージ全体が砂嵐になり暗転、終演

★考察★

いやー、ここまでざーっと流れに沿って書きましたが、果たして伝わったのか…笑
少しだけでも雰囲気が伝わっていると嬉しいです。

そしてここからは!このストーリーを踏まえていろいろ気になる点が沢山あるので、一気に考察していけたらなと考えております。
長々と書いておりますので、ふーん、へー、程度に読み飛ばしてください笑

☆逆さになったセット+砂嵐+白のドレスコード

まず天井に逆さになったセットがある点ですが、いろいろ調べてみると「逆さごと」というワードがヒットしました。
聞いたことのある方ももちろんいらっしゃると思うのですが、こちらのHPから引用させていただくと

逆さごとは、主にご葬儀で儀式を行う際、日常で行われることと逆の方法を用いる行いを指します。

逆さごとは、生と死の区別をつけるため、主にご葬儀の際に用いられる行いを指します。故人様の住むあの世と、生きている者が住むこの世では、鏡で隔て分けられたように真逆の世界だとも信じられています。死者があの世で苦労をしないように、全てを逆にして支度を整えてあげるという気遣いも、逆さごとが行われる理由の一つです。

もちろん天井にもセットをつけることで、
どちらが上かわからない=何が正しいかわからない
といった意味合いを持たせているようにも捉えられますが、今回のライブ演出上"あの世"と捉えた方がいろいろ合点がいきまして。

というのも、曲間にちょこちょこ挟まれていた「砂嵐」、こちらも調べてみますと、どうやら

砂嵐状態のテレビは死後の世界と電波で繋がっており、死者たちと交信できる

という都市伝説があるようで。
まぁでも都市伝説なので何かが立証されている訳ではありませんが、現世と死後の世界の切り替えのような立ち位置で今回用いられているのかなとも思いました。

そして、今回のライブのタイトルが『The White Lounge』、セット・服装が全て白色、何なら観客のドレスコードも
ここまで白にこだわっているのは、白装束とリンクしているのではと思いました。
であれば、出てくるキャストの方々が全員白い服を着ているのにも納得がいきますし(死後の世界の住人なので)、「春愁」で通行人の人が逆に黒いものしか身に付けていなかったのも、現世の人であるという差別化になっていたのではないかと。
あと、キャストの方々が今回日本人だけではなく国際色に溢れていたのも、あの世はいろんな人種の人が一堂に会している、というもっくんの死生観が反映されているのかなとも思いました。

あとこれは全体的な考察なのですが、個人的に今回のストーリーは、

生命を終えた一人の男性が死後の世界へと足を踏み入れ、走馬灯のようにこれまでの人生を振り返る。自分の人生を清算した男性は、また新たな愛を探しに生まれ変わる。

といった内容なのかな、なんて
思ったりしました。
色んな人の人生を描いている、という見方も全然あるなぁと思ったりもしたのですが、一人の人の人生と捉えた方がしっくりくる点が多々あるので、一旦こちらの考え方で進めてみようと思います。

そんなこんなで!これらを踏まえて
ホワイトラウンジ≒死後の世界
という仮定の元、以降考察していきたいと思います!

☆未発表曲の歌詞

未発表曲の歌詞のこちらの部分

今日も人々は仕事で疲れてる
想いを寄せた人を思い出してる
びしょ濡れで光を放って
光るものを探してる
今日も人々はちぐはぐに愛してる
青さの欠片を拾って
華やかにステージを飾って終わりを始めた

ライブの演出や『#』で区切られたパートを照らし合わせてみると、

"今日も人々は仕事で疲れてる"
=「ツキマシテハ
"想いを寄せた人を思い出してる"
=「君を知らない
"びしょ濡れで光を放って光るものを探してる"
=「春愁
"今日も人々はちぐはぐに愛してる"
=「ニュー・マイ・ノーマル
"青さの欠片を拾って"
=「Just a Friend
"華やかにステージを飾って"
=「Feeling」「ケセラセラ
"終わりを始めた"
=「フロリジナル

と、かなりリンクしているように思われるので、
この未発表曲は今回のためだけに書き下ろされた
つまり未発表曲がこのライブの全てを表している、
といっても過言ではないのかなと。

そう考えると、その後に出てくる

呆れるまでもなく全てが嘘で本当

という歌詞は、

死後の世界で体験している走馬灯のような一場面一場面は、今実際に起きている訳でもなく、出てくる人たちも仮の姿(死者が演じているの)だから全てが虚構だが、生前実際にこの身で経験した本当の出来事だ

ということなのかなと。

そして、ラストの

繰り返す間違いを嘲笑ってくれ
境界は狂う
本当を見抜いて愛して欲しい
もうすぐ我儘は終わる

というこの部分。
ちょっと解釈するのが難しいですが、

不器用にしか生きられない自分
生前の記憶と死後の世界を行き来して、どれが自分かわからなくなる
本当の自分を認めて肯定することが出来たら、人生の清算は終わりを迎える

っていう意味なのかなぁと思ったり、そもそも全く別の観点の話なのかなぁとも思ったり
うーん、この部分は難しいです!!笑
良い解釈があったら教えてくださいな。

☆汚れを祓う

今回演出として、
もっくんが着ている服の汚れを払うように、念入りにはたく。
という場面が私の記憶では2回出てくるのですが、
(「君を知らない」「Coffee」に入る前)
どちらも男女の愛が描かれている場面の前で

諸説あるようですが、一説によると、
"死は穢れ"として捉えられる見方があるみたいで、
愛は清らかなものだから穢れを祓う
という意味で服を払っていたのかなと思いました。
(ちなみに「Just a Friend」でも愛(恋)が描かれていましたが、この場合は女性に対する片想いだったので無かったのかな、と思います)

☆扉に描かれたトランプの柄

「PARTY」で登場した、トランプの柄が描かれた4つの扉。
調べてみるとトランプの柄にもいろいろ意味合いがあり、こちらのHPを一部参照させていただきますと、

♧…「春」「知識」
♢…「夏」「お金」
♡…「秋」「愛」
♤…「冬」「死」

もっくんが歌いながら扉を開けていく順番
私の記憶が正しければ

♤→♡→♢→♧

となっていて、上記の意味合いを当てはめてみると

冬→秋→夏→春

つまり時間の概念とは逆行していることになるので、過去を振り返っていることを意味しているのかなと。

そして、最後にもっくんがドアを開けて出て行く扉のマークは『
♤は"冬"以外に""の意味合いも持っている。
人はどのようなストーリーを生きていたとしても、必ず最期は旅立つ日がくる、ということを暗示しているのかなと感じました。

☆幕間に流れていた声

上のレポでもちらっと書いたのですが、休憩中に流れていた赤ちゃんの泣き声や、友達同士の喋り声、おじさんの咳やくしゃみ、などなど
よく考えたら、全部男性の声だったんじゃないかと思いまして。
これはただのガヤではなく、もっくん演じる男性が生きてきた時間の中での音声(伝わるだろうか…笑)なんじゃないかなぁって
走馬灯軸での音声というか、男性が人生の中で発した声が流されているのかなと、ふと思いました。

☆トランクを置く

本編ラストの、

もっくんが最初に持って入ってきた白いトランクを手に取り去ろうとするが、名残惜しそうにトランクを置いて出て行く

というシーン。
このトランクには、棺の中に入れられていた副葬品、つまり生前大切にしていた物が入っているんじゃないかなと。
トランクを残して去って行くのは、生前の人生に区切りをつけて、また新たに生まれ変わる、という意味が含まれているのではないかなと思いました。

☆ホワンジのキービジュアル

今回のキービジュアルといえばこちら…!

このキービジュアルと類似性があるのが、
オランダの版画家であるエッシャーの作品。

「相対性」「写像球体を持つ手」

エッシャー作品の特徴は、"無限循環"
この特徴が、今回のライブ、つまり生と死を繰り返しながら魂は無限に循環している、というところに繋がっているのかなぁ、なんて思いました。

☆グッズに描かれている男性

今回のグッズに入っている正体不明の男性。

グッズが公開された時は、
「誰このおじさんは?!??!」とSNS上で話題になっていましたが笑笑
今回のライブを踏まえると、"もっくん演じる主人公の男性"だと考えるのが一番妥当なのかなと思いました。
主人公であれば、ピンバッジだけではなく、Tシャツの全面にプリントされているのにも納得です。
わかんないですけどね!!!笑

☆「Theater」の歌詞

これはもうただの私の想像でしかないんですけども
「Theater」のこの部分の歌詞

振り向けばそこにはただ
歩いてきた道と花の園
語り継がれる愛はまた
白く眩しく温かい場所

流れゆく映像はまた
安らぎ達の待ち合わせ場所
流れゆく時代の中で
出逢えた事が名シーンだと

ここの箇所が、ふと今回のライブを彷彿させるなぁと思いまして。
「Theater」という楽曲は、フェーズ1を締め括る曲として書き下ろされた作品ですが、
フェーズ2に入ってからも、もっくんはすごく温かくて大好きな曲だと口にしていて
そして、今回仙台公演1日目、もっくんがインスタのストーリーでこの部分をあげていて。
直接的には関わっていなくても、「Theater」に宿る温かさを「The White Lounge」にも感じているのかなと、思ったりしました。

☆ホワンジをこのタイミングで回った理由

さあ、ついに最後の考察です!!
そもそもなぜこのようなライブをこのタイミングで回ったのか、という根本的なところを考えてみたくて…
というのも!昨年の多分11月あたりに3人でインスタライブをしてくれたことがあって。
その時に今回のライブについて

今このタイミングで、このライブを回ることに意味がある。

と話されていまして。
頑張って考えて2つ程思い浮かんだので、書いてみようと思います。


まず1つ目は、社会情勢です。
流行り病もそうですが、海外では紛争や戦争が絶えず、"死"を意識することが多くなった気がします。
死を感じやすいこの時代だからこそ、自分の思い描く死生観を反映させたライブにしたのかなと思いました。
現実に創り上げることで救われる部分もあるんじゃないかな…なんて、思ったりもします。

そして2つ目は、ルームツアーと類似したタイミングです。

※「The ROOM TOUR」とは2019年にホールツアーとして開催されたライブのことで、今回のライブはルームツアーと同じ系統のライブとして位置付けられています…!

雑誌「音楽と人」2019年11月号では、もっくんがルームツアーについてこのように話しています。

(前略)
ーでもそういうライヴだったと思います。
「そうですね。消費されたくないっていうのはその通りで。まず今回のツアーはアーティストのエゴみたいなライヴをやりたいと思ったんですよ。(ENSEMBLE TOUR)はミセスの明るい側面を強調したツアーだったけど、今回は僕らの音楽の本質の部分を感じてほしかったんです。演劇みたいなステージにして、お客さんの拍手もいらないしMCもアンコールもなくていい。SNSでネタバレ禁止にしたのも、それぞれがライヴを観て自分がどう感じるか、それを体験してほしかったからで」
一楽曲も舞台の世界観に合わせてアレンジを変えたり。
「そう。だから今までとは全然違うライヴで。でもSNSってこちらの思ってることとか伝えたいことが正しく伝わらないじゃないですか。違う広がり方をしてしまうというか。それを一番危視していたツアーでしたね」
一自分たちの音楽をちゃんと正しい形で届けたい、本当はこういう音楽なんだってことを伝えたい、そのために趣向を凝らしていて。そういうバンドのスタンスに、自分たちの表現とか音楽の深い部分を知ってもらいたいっていう欲求を強く感じました。
「だから消費されたくないっていうのはまさに正解で。あれを観て不完全燃焼になった人もいると思う。僕らのことを単なるポップで楽しい音楽をやるバンドだと捉えてる人にはね。けどそれでいいと思っていて。もっと僕らの本質の部分を好きになってほしくてああいうツアーをやったんだし、僕らのアイデンティティと愛情が詰まっている表現だと思ってるので」
ーそういう意味でのエゴが詰まったツアーだったと。
「そうですね。たぶん、ああいう演劇っぽい舞台を観たことがない人にとっては〈何だこれは?〉ってなったと思うんですよ。反応もきっとバラバラだと思うし(後略)」

ルームツアーは上記にも出てきたように、エンターテイメントに振り切った「ENSEMBLE TOUR」からの流れで実施されたツアーで(実際は間にゼンジンのライブハウスツアーを挟んでます)、ミセスの音楽の本質に立ち返るようなライブにしたかったとここでは仰っていますが、
この流れは今回のライブにおいても言えるのではないかと思いまして。

昨年2023年は結成10周年イヤーということで、バラエティー番組にも積極的に出演し、アルバムをリリースした辺りはひっきりなしに音楽番組に出られていましたし、夏にはコンセプチュアルなライブを大成功させ、世間的にも知名度が上がりファンも急激に増え、ポップで明るいバンド、というイメージがより先行するようになったのかなと(あくまでも予想ですが)
だから新しくファンになった人たちにも表面的な部分だけではなく、もっと深い本質の部分を知ってほしい、という想いから、ルームツアーと同じラインの舞台系ライブを実施しようと思ったのかな、と
個人的には思いました。
でも今回はどちらかというとミュージカル寄りなので、デビュー10周年を前に、新たに個々の表現の幅を広げたかった線もある気がします。


いやー、やっと書き終わりました!!
こんな論文みたいに長々としたnoteをここまで目を通してくださって、本当にありがとうございます。
あなたは神です。
頑張って書いた昔の私が報われます。

情報量モリモリでしたが、何か少しでも伝わるものがあれば幸いでございます。
そして私の考察はあくまでも一つの見方にすぎないので、面白い考察があれば是非ぜひ教えてくださいませ。

ここまで本当にありがとうございました!!!
また良ければ覗きに来てやってください👋

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