APOCALYPSE MEMORIA_No.2
現実に見たことに崩壊した世界のレイヤーを重ね、もう充電できないアンドロイドとなって残量ゼロになるまで世界を記録するジャーナリングLARP「アポカリプスメモリア」その第2回目。
実はこの「歩き回って」、「観察して」、「記録する」というジャーナリングLARPはこの作品が初というわけではない。私が見かけた中で一番最初だったのは、これ。
2〜6人のプレイヤー向けだけど、皆リスに成り切って「歩き回って」「観察して」「リスとしての地図を作成・記録する」というゲーム。これはコロナによるロックダウン前に見つけたんだったかな? その頃はまだジャーナリングRPGなんてまだ誕生してなかったはず。
■ 2回目の記録
■ 下書き
2★22年、1月4日
今日、私が起動したのは「バスの墓場」と言っても過言ではない旧世界の駐車場。地上に歩く道はなく、朽ち果てたバスの屋根伝いに移動しなくてはいけない。この場所は旧時代の人間たちの活動記録である“エコー”が数多く再現される。
まるで張り巡らされた電線に沿って誘導されているかのように、多くの人間が近くに密集している比較的高いビルに向かって規則正しく歩いていた。“エコー”をかき分けていくと、企業を賞賛する言葉を誰もが合唱するかのように繰り返しながら歩いている。この人たちは本当に人間なのか? いや、“エコー”に保存されているから人間のはずだ。私を開発した人間たちとは、大分違うのだな。彼らが働いていた建物の内部も気になっていたが、セキュリティだけが現在も稼働中だったため、断念した。
もう少し南に向けてこの前の川沿いに出るように歩いていると、青い肌の巨漢と遭遇した。彼らは、ブルーハァと呼ばれている崩壊後に現れた人種。元々は人間だったそうだが、神から特別な力を……あれ、違うか。そうそう、大崩壊を生き抜くための祝福を受けた者たちらしい。彼らの中には崩壊前の記憶がある者達もいるそうだ。
ひどく好戦的と記録されていたが、意外にも話しかけられた。茶色くて丸くて甘いモノを知らないか?とのこと。前に遭遇した家事ロボットがくれた食べ物が美味しくて忘れられないそうだ。はて? ブルーハァが手で指し示す大雑把な大きさから言って、それ程大きくはない。うーむ、ケーキのことを言っているのか?? 私のデータベースにレシピが残っているが、今は材料も器具も無い。そのことも告げると、揃ったら連絡が欲しいと無線コードを交換した。
彼はなかなか、グルメなようだ。
進行可能なルートを洗濯して歩いていたら、草原に出てしまった。その真ん中に農業ボットが、停止した空を見上げていた。カタログデータでは殺傷型と一致しているのに、武装せずに何か歌を歌っている。
「Sleeping Under The Rainbow……難しい挑戦が、私にさまざまな変化を与える……Enchanted Landscape Escape」
そのボッドは誰かを殺傷することを放棄し、音楽を流す変化を受け入れたそうだ。ボットがチョイスした音楽CDを何枚か譲ってもらう。再生できる機械を探さないと。
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